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パレスチナの農業 01 [ユーラシア・近東]

 2023年
土地と水を巡る紛争 ~イスラエル占領下のパレスチナの農業~ ヨルダン川西岸地区(以下、西岸地区)の事例   筆者 日本工営株式会社 中村友紀 より
図1 パレスチナと県の位置図-ard67_report_network1-fig1.jpg
筆者作成
1948年の第一次中東戦争、1956年の第二次中東戦争(スエズ戦争)、1967年の第三次中東戦争、1973年の第四次中東戦争と度重なる戦争を経て、イスラエルがパレスチナ(ヨルダン川西岸地区とガザ地区)を占領した(図1)。
1991年から中東和平交渉が開始され、1993年には、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の間でオスロ合意が締結され、パレスチナ自治政府による暫定自治と将来の交渉が合意された。治安維持業務の一部をパレスチナ自治政府に委譲し、占領地の最終的な地位については将来の交渉に委ねることが合意されたものの、交渉は難航し、現在までイスラエルによるパレスチナの占領が続いている。
ヨルダン川西岸地区は、面積が5,655km2で三重県と同程度、人口は約319万人である。・三重県178万人・そのうち農地面積は1,115km2で、農家人口は約11万4千人と推計されている。・三重県農地面積は57km2 農家人口29万人・
年平均降水量が300~450mmのパレスチナの西岸地区の農業用水の水源の約56%が地下水、約28%が湧水である。大部分が西岸地区の地下にあるにも関わらず、パレスチナに割り当てられた水資源の割合は22%、イスラエルの割合は78%となっており、不公平な配分となっている。井戸の掘削許可は実質イスラエルが行っているが、許可が下りることはほぼない。
パレスチナの農地の灌漑率は10%以下。近隣のイスラエルが45%、レバノンが35%とされている。かなり低い比率に低迷している。
西岸地区の井戸はほとんどが1950~60年代に掘削されたもので。その後の維持管理が適切に行われていない。、近年はそれらの老朽化も進んでおり、十分に機能していない井戸も多数存在。改修が必要になっているが、イスラエル政府の許可が下りることはほとんどない。

また、制度上、井戸の深さは100mを超えてはいけないことになっている12。一方でイスラエル入植地にはこのような制限はなく、さらに深い井戸を掘って地下水を利用しており、水位の低下も招いている。
井戸から水をくみ上げるための老朽化したポンプ(ジェリコ、筆者撮影)
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続く


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神風頼み 根拠なき楽観論に支配された歴史--2022ー⓶ [明治以前・国内]

神風頼み 根拠なき楽観論に支配された歴史 著者 秦野裕介 

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目次 へ続く 
第1章 「元寇」と「神風」―元寇が生んだ「神風」意識の誕生と定着
 『八幡愚童訓』に見る“アホでマヌケな鎌倉武士”  p16
  史料からは確認できない「神風」  p18
「神風が吹く」のは日本だけではなかった  p21
 神風はほんとうに吹いたのか?  p23
 神社と武士の手柄争いの産物だった「神風」  p28
 「元寇は朝廷滅亡策?」−江戸時代の“陰謀論”  p31
 湯地丈雄[ゆじたけお]による「元寇の記憶」の復活  p37
 「元寇絵」で行われた“切り取り”   p39
 蒙古襲来史料『伏敵篇』における恣意的解釈  p44
 
第2章 神国ニッポン―日本はよそとは違う特別な国なのだ!
 神々が求めた「神風」への恩賞  p50
 神社向けの徳政令=神領興行法  p54
 強まる「敬神意識」に押し潰された鎌倉幕府  p58
 「神が日本を守った!」−室町時代のフェイクニュース   p61
 局地的紛争が「元寇の再来」に  p64
 対中国外交に見る足利義持の「神国思想」  p67
 少弐満貞[しょうに みつさだ]らはなぜ“盛った”のか?  p72
 義持周辺の中国人たちの国際感覚  p73
 「朝鮮は日本の属国」−室町の国際意識  p77
 「東夷の小帝国」意識  p80
 
第3章 “人のために神がある”―「敬神」へのアンチテーゼとしての「撫民」
 中世日本のヒューマニズムとグローバリズム  p84
 「戦争より平和を」−クビライ書状の真実  p85
  対クビライで割れた朝廷と幕府の対応  p89
 「徳大寺実基政道奏状」における人間中心主義  p95
 「ゴマスリのバカは“日本は王朝が続く特殊な国”と言う」  p102
 花園天皇という人  p103
 天皇による「日本スゴイ」論への批判  p107
 「吉田定房奏状」による“過激な”王朝批判  p111
 『神皇正統記』は「神国思想」のバイブル?  p114
 北畠親房による「ダメな天皇」展覧会  p117
 「神皇正統」という言葉の真の意味  p120

第4章 「国体」の形成―近世に見る「神の国」の復権
 「神使い」吉田兼倶[よしだ かねとも]の登場
 伊勢神宮の御神体を“手に入れた”兼倶
 現在の神道観とは大きく違う吉田神道
 世界征服を目指した豊臣秀吉の「日本」観
 明臣下としての日本国王を受け入れた秀吉
 「神」になった天下人−秀吉と家康
 神の国再び!−「寛政の改革」のもう一つの側面
 「大政委任論」に見る定信の天皇観とその前提
 異国船打払令と「国体」の完成

第5章 神武天皇と足利尊氏―国家の学問介入を象徴する二人
 学問へ容喙する「神風思想」
 時代祭りから排除され続けた足利氏
 なぜ南朝が正統とされたのか?
 「神武復古」明治政府の「神の国」
 南朝のヒーローを“抹殺”して“炎上”した久米邦武[くめ くにたけ]
 「北朝の天皇は偽物だ!」−明治時代の教科書問題
 「世界に一つの神の国」−学問と教育の分離
 「神武天皇はいない」と言うなかれ!−津田左右吉事件[つだ そうきち]
 津田批判の背後に垣間見える陸軍の影
第6章 「神の国」か「立憲主義」か―大日本帝国憲法をめぐる議論
 「立憲的」だった大日本帝国憲法
 大日本帝国憲法制定時の伊藤博文-森有礼論争
 「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」の真意
「統帥権干犯」と「憲政の常道」
 ロンドン軍縮条約における統帥権干犯事件
 軍部と政党に“利用”された「天皇機関説」
 第二次国体明徴声明−立憲主義の終焉
 陸軍の遺恨と二・二六事件
 「国民精神総動員」−神国日本へ全てを捧げよ!
 
第7章 「神風」の終末―「神の国」が最後に目にしたもの
 「統率の外道」−特攻と神風
 「特攻」と「コンコルドの誤謬」
 「神風」「神州不滅」の呪縛
 一撃講和か即時講和か−続く迷走
 鈴木貫太郎の“自虐史観”
 「一億玉砕」と沖縄戦
 ポツダム宣言受諾を阻む「国体護持」の壁
 米内光政[よない みつまさ」の「敬神」と井上成美[いのうえ しげよし/せいび]の「人の煩い」
 

 

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キリスト教シオニズムとは何か-- 島薗進 @Shimazono さん見解より [隣の異教]

キリスト教シオニズムとは何か-- 島薗進 @Shimazono さん見解より

【キリスト教シオニズムとは何か】「イスラエルのためのキリスト教徒連合」(Christians United for Israel, 以下CUFIと略す)の代表ジョン・ハギー曰く。
「「二国家解決」などありえない。ハマスは死を崇拝している。」
「私たちはここ数日、ホロコースト以来、人類が目にしたことのないような凶悪な行為を目の当たりにしてきた。彼らは死を崇拝し、ユダヤ人は生を追求する。生と死、両者は正反対であり、したがって原理主義的なイスラムとユダヤ教が和解することは決してない。」
「神はアブラハム、イサク、ヤコブに神の言葉による契約を与えた・・・この土地は永遠にアブラハムの子孫のものである。」イスラエル国家を支えるハギーのようなキリスト教徒を「キリスト教シオニスト」と呼ぶ…
【キリスト教シオニズムとは何か・彼ら(キリスト教シオニスト)の狂信的ともいえるような活動が米国政治に大きな影響を与え、米国政府をしてイスラエルの最大の支援者、そして擁護者としてきた。「ディスペンセーショナリズム」よると、」

神は時代ごとに異なった契約を人間と結んでおり、イエス・キリストが到来して世界のすべての国民と契約を結んだあとも、ユダヤ人との契約はまだ継続しているという。ちなみにその契約とは、創世記12章に神がアブラハムに語った次の言葉が根拠となっている。

「わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。」

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【キリスト教シオニズムとは何か・続々】20世紀初頭になるとこの考えは、聖書をそのまま神の言葉と認める「キリスト教原理主義」のなかに広く浸透していき、当初は進化論否定とともに、原理主義者たちを嘲笑う要因のひとつとなっていた。

しかし実際に1948年にイスラエルが建国されると、預言が成就したと活気づき、中東をとりまくきな臭い状況は世界の終わりの始まりと解釈されるようになる。さらには原理主義的な指導者たちがラジオやテレビなどの新しいメディアによってその存在感を増すにつれ、

この考えはアメリカ南部や南西部といったいわゆる「バイブル・ベルト」を中心に影響力を強めていった。原理主義がいつのまにか福音派と呼ばれるようになる80年代後半から90年代にかけては、この集団は米国人口の25%以上を占めるようになり、福音派の大部分がこの考えを信奉するようになったこともあり、ユダヤ人を支援することで神の祝福を得ようと、イスラエル国家への支持が強まっていくようになる。ちなみに、ピュー研究所の2022年の調査によると、福音派の63%が今まさに人類は終わりの時を生きていると信じているという!

【キリスト教シオニズムとは何か・続々々】(「イスラエルのためのキリスト教徒連合」CUFI代表の)ハギーの過激な終末論に導かれ、この団体は国際法的にまだ問題のあるヨルダン川西岸地区や東エルサレムを神に約束された正当なユダヤ人の土地だとみなし、積極的にユダヤ人入植の支援や福音派教会の牧師やリーダーたちのためのイスラエル旅行のプログラムを実施してきた。

 さらに2018年には、5000人もの会員をワシントンに送り、国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)へのを政府支援止めるよう議員たちに請願し、結果としてその年の8月には支援が止められることになる。

 こうした福音派の行動の延長線上にトランプ政権下での過激なイスラエル政策があったと理解されるべきだろう。大統領に就任したその年の暮れ、つまり2017年12月6日にトランプ大統領は、イスラエルにおけるアメリカの大使館をテルアビブからエルサレムへ移動すること明記した大統領布告に署名した。ネタニヤフ首相はこれを歓迎したが、それ以上にこの動きは、福音派とくにCUFIに熱狂的に歓迎された。

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人間の尊厳を回復する力の台頭--台頭するアフリカ諸国を支えるものー長周新聞 [ユーラシア・米両大陸・アフリカ]

長周新聞 2023年11月6日 第9035号 より


人間の尊厳を回復する力の台頭  台頭するアフリカ諸国を支えるもの


 西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールで、2020年からあいついで軍事クーデターか起こり、旧宗主国のフランス軍が撤退に追い込まれている。また、昨年2月以来のロシアのウクライナ侵攻をめぐり、国連総会緊急特別会合でのロシア非難決議には、アフリカの26ヵ国が反対および棄権に回った。現在のパレスチナ情勢にさいしても、イスラエルの歴史的な占領政策を批判 している。

 グローバルサウスの一員としてのアフリカ諸国が、みずからの主張をよりいっそう明確に表明するようになっている。アフリカ研究者の論考から、その背景を考えてみた。

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マリ 2020年 フランス軍を 撤退させる

 マリ(旧フランス領スーダン)では2020年、青年将校が軍事クーデターを起こし、フランス軍に撤退要求を突きつけた。民衆は新政権を支持するデモをおこなった。その結果、フランス軍は昨2022年8月、マリから撤退した。

 隣国のブルキナファソで昨2022年誕生した青年将校らによる新政権も、フランス軍に撤退要求を突きつけた。フランス外務省は10月、同国から撤退すると発表した。

 さらにフランスのウラン鉱山があるニジェールでも、今年7月の軍事クーデターで親欧米政権が倒された。数千人の反フランスデモが起こり、フランス軍が撤退した。

 明治学院大学名誉教授の勝俣誠氏は、1970年のアルジェリアを皮切りに、四〇年余りアフリカ大陸に通い続けた。勝俣民は最近の西アフリカの事態を、「アフリカから大英帝国か去った後も、軍事や貿易、文化で絶大な影響力を及ぼしてきたフランスの支配が決定的に弱体化した」と見ている。


 冷戦期にフランスは、米国主導の世界支配を支えるところから、アフリカの旧植民地に軍事基地を置いて地域の憲兵の役割を果たし、ソ連に接近する国に対して武力介入をいとわなかった。とくに2011年のリビア内戦では、フランスNATO軍が空爆を開始してカダフィ政権を崩壊させた。


イスラエルを追放
アフリカ統一機構の活動  台頭するアフリカ諸国を支えるもの
 このときアフリカの五五ヵ国が加盟するアフリカ連合(AU 前身はアフリカ統一機構)は、即時停戦と戦争当事者間の交渉仲介役を果たそうとしたが、フランスに無視され、その結果カダフィ政権下の大量の武器がサハラ砂漠以南に流れ、イスラム武装勢力のテロ活動を助長し民衆が長期に苦しむことになった。そこから大国の内政干渉に抗う民族主義が台頭した。
 また、ロシア非難決議に対する反対・棄権は、アフリカ諸国が自国の利益を第一に考えるようになったことの反映だ。というのも欧米の対ロシア制裁が本格化するにつれ、アフリカ諸国がロシアからの輸入に大きく依存する食料、燃料、肥料などが高騰し、2008年の食料暴動を想起させる事態になった。このときアフリカ連合・AUが動き、ロシアから必需品輸出再開の確約を得ている。
 こうしたAU(アフリカ連合)の積極的な活動は、アパルトヘイト体制を終焉させた南アフリカが加盟したことも大きいという。南アはアフリカ統一機構の悲願だった植民地解放の原点に戻ることを主張。AUのオブザーバー資格を得ていたイスラエルを今年2月、資格停止・追放に追い込んだ。
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欧米アグリビジネス 農業国だが「飢える構造」  群がった欧米の植民地支配に抗し
アフリカは多くが農業国だが、「アフリカの年」といわれ十七ヵ国が独立した1960年以降も、深刻な飢餓に苦しまなけれぱならない状況が続いてきた。その背景には欧米の押しつけた不平等な「飢えの構造」かある。これも勝俣氏か、著書『新・現代アフリカ入門』(岩波新書 新赤版 1423)のなかで詳しく展開している。
 アフリカは今日でも「飢餓大陸」と呼ばれ、その悲惨な状況は大手メディアも報道する。しかし、なぜそうなっているかの突っ込んだ検証はないままだ。
 たとえば日本でも大々的に報じられた1984年のエチオピアの飢餓は、餓死者が百万人と推定されるが、それは大干ばつと内戦、エチオピア政府の政策的失敗といった複数の要因か相互作用して事態が深刻化した。アフリカの飢餓はすぐれて平和問題ともいわれ、歴史的な英仏の植民地支配が複雑に関係している。
 この飢餓問題の解決といって欧米から持ち込まれたのが「緑の革命」たった。これは1960年代までのモンスーン・アジアの経験をアフリカに持ち込んだものだが、農薬や化学肥料の大量投入と水の大量消費で地力が劣化し、ただでさえ脆弱なアフリカの自然環境をさらに悪化させた。
 問題は、「緑の革命」を持ち込んだのが、欧米のアグリビジネスだったことだ。彼らは欧米大企業が製造する農薬・化学肥料や特許権を持つ種子をセットでアフリカ諸国に売り込むために、飢餓キャンペーンをおこなった。その結果、アフリカ農民は外国の技術と投入材に振り回され、自分たちが蓄積してきた技術や品種を放棄せざるを得なかった。その経験からアフリカでは、「すべての国と国民が自分たちの食料と農業政策を決定する権利を持つ」という「食料主権」の考え方が広かっている。
 もう一つが、ワシントン・コンセンサスによる債務奴隷化である1980年以降二〇年間にわたって、IMFと世界銀行はアフリカ諸国に巨額の構造調整融資をおこない、アフリカ諸国はその借金の返済のために、欧米債権国が要求した大幅な輸入自由化と輸出の振興策を採用した。その結果コーヒーやカカオ豆、木綿、落花生などの輸出換金作物の生産か最優先されることになり、増大する都市人口をまかなう自前の食料生産は放棄せざるをえなくなった。
 IMF・世銀は、貸したカネを取り戻すために換金作物への融資には熱心だったが、アフリカ人が消費する食料への投資には消極的だった。それどころか、食料は国際市場から安く輸入すれば、アフリカ人の賃金は低く抑えられ、より安く輸出品が作れると考えていたし、それは殼物メジャーや遺伝子組み換えメーカーの意向に沿っていた。
 その矛盾か爆発したのが2008年の世界食料危機であり、食料価格の高騰をきっかけにアフリ諸国で大規模な暴動がおこった。
 勝俣氏は、アフリカ諸国はこうした経験をへて、残酷な略奪をくり返す欧米諦国を見限り、BRICSや中国の「一帯一路」に接近しているのだとのべている。それは、欧米の植民地支配によって人間の尊厳を奪われてきたアフリカ人たちの歴史的な権利回復運動に見える。搾取も貧困も戦争もない社会を求める気持ちがいかに強いかである。
南アフリカ、ANCアフリカ民族会議 関連本
ウクライナ侵攻とグローバル・サウス 著者: 別府 正一郎 集英社新書
南アフリカを知るための60章  峯 陽一 編著  明石書店
新・現代アフリカ入門  勝俣 誠 著 岩波新書 新赤版 1423

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ガザ地区沖で1990年代に発見された天然ガス田(通称ガザ・マリン)の存在 [ユーラシア・近東]

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ガザ地区沖で1990年代に発見された天然ガス田(通称ガザ・マリン)の存在です。
 『アラブニュース』は今年5月、「同地区(ガザ地区沖)の天然ガス埋蔵量は1.1兆立方フィート、あるいは320億立方メートルと推定される。これは20年間、毎年15億立方メートルの生産能力に相当する」と報じています。
 ガザ地区沖の天然ガス田の開発が進めば、天然ガスはエジプトに輸送され、欧州に送られることになります。ガス田が、ガザ地区のパレスチナ人が所有していると認められれば、その開発は、パレスチナ人に経済的な恩恵をもたらす可能性があります。
 パレスチナの経済専門家サミア・フーリエ氏によると、パレスチナは天然ガスパイプラインをイスラエルの都市アシュドッドへではなく、エジプトの都市エル・アリーシュに延長する予定です。
 この天然ガス田の権益をめぐって、イスラエル側、パレスチナ自治政府側が争っています。イスラエル側は、ガザ・マリンから天然ガスの抽出を行うには「イスラエルの承認が必要になる」、「ガス田を合法的に管理する権利を持つのは国家だけだ」などと主張しています。
 パレスチナ側は「『ガザ・マリン』ガス田は自分たちが所有している」と主張していますが、国家として認められていないパレスチナ自治政府が単独で天然ガスを採取することは認められません。パレスチナはイスラエルに対して開発を許可するよう要求したものの、拒否されています。
上記『アラブニュース』は、「この天然ガス採取プロジェクトは、2021年11月以降、深刻な財政危機に見舞われているパレスチナ自治政府にとって、不可欠といっていいほど戦略的に重要なものである」と述べています。
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  上記フーリエ氏は、ガザ・マリンが稼働した場合に得られる年間収入は7億ドルから8億ドルになり、10年以内には70億ドルから80億ドルの収入が得られると述べています。
 パレスチナ自治政府の高官は『アラブニュース』に対し、「天然ガスが採取されれば、パレスチナ自治政府の国庫にとって重要な収入源となり、今年末までに6億500万ドルに達する水不足を解消することができる」と語っています。
 エジプトがガス採取プロジェクトを監督すれば問題は解決することをイスラエル側も認めていますが、イスラエルが指を咥えて、「ガザ・マリン」ガス田の権益がパレスチナとエジプトで分けられることを見ているはずはありません。
 上記『アラブニュース』は、「パレスチナ投資基金(Palestinian Investment Fund)は2021年2月、エジプトガス公社(EGAS)の請負業者協会と、ガザ沖天然ガス田の開発で協力する契約を締結している」が、イスラエルとエジプトの高官による協議が行われ、「安全保障上の課題」などについて協議されたと見られている、と報じました。
 イスラエル側は、「ガス田の開発を武装組織ハマスが黙って見ているわけがないので、どのように開発を進めるのかが最大の問題」だ、などと主張しています。
 このイスラエルの主張には、聞き覚えがあります。米国が、ドイツとロシアの間をむすぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」には安全保障上の懸念があると言い立てて、横槍を入れ、稼働を阻止してきた経緯が重なります。
※イスラエル、ガザ地区沖の天然ガス採取めぐりパレスチナ自治政府と内密に協議中(アラブニュース、2023年5月6日)
 つまり、イスラエルがガザ地区からパレスチナ人を永久追放して占領し、自ら統治すれば、「ガザ・マリン」の天然ガスをエジプトではなく、自国に輸送し、その権益を独占することもできるのです。
 イスラエルにとっては、「永久追放文書」に示された計画は、パレスチナ人をガザ地区から追放して悲願の「入植」を達成して先住民族の権利の問題を永久に解消し、天然ガス田の権益を独占するという「一石二鳥」になるのです。

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孤立深めるイスラエルと米国--長周新聞 [対USA]

孤立深めるイスラエルと米国--長周新聞--2023年11月1日・9033号


国連総会でガザ戦争の停戦決議採択
殺戮正当化に世界中が反旗

人道目的で停戦などを求めるヨルダン提出の決議案が、圧倒的多数で採択された【下図↓】

同決議案にハマスの攻撃や人質の拘束を非難する文言を加えるよう求める修正案が出されたが否決された。

賛成85か国、反対55か国、棄権23か国となり必要な三分の二【109】の賛成は得られず修正は認められなかった。


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長崎での高野長英と鯨ー及川 彩 [生き物]

吉川弘文館 本郷 №168 より

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 高野長英タカノチョウエイ記念館は、江戸時代の医師・蘭学者である高野長英を顕彰するため、一九七一(昭和四十六)年に彼の出身地である水沢に間館し、以来関連する資料の収集・保存・展示を行っています。今回ご紹介するのは、長英が平戸で鯨の詞査をした際に描いたという「サカマタ鯨図」です。サカマタとはシヤチのことを指し、小型の鯨に分類されます。
 一八二五(文政八)年八月、長英は二二歳でシーボルトに入門し。オランダ語の翻訳に優れていたことから、入門して間もなく研究助于のような役割を任されていました。シーボルトから鯨の調査の課題を与えられると、長英は平戸の生月島イキツキシマを本拠地としていた有力な捕鯨業者・益富マストミ組に協力を依頼し、現地に滞在し調査を行いました。江戸時代、平戸の面する西海は日本で最大の鯨の漁場といわれていました。そして、調査の成果「鯨及び捕鯨について」の論文を提出すると、シーボルトからドクトルの称号を与えられました。
 当時、鯨は食用だけに留まらず、世界中で資源として利用されていました。本図には[油数十五六樽程」と、採取できる鯨油の量が書かれており、鯨油は現在の石油の代わりとして幅広く利用されていました。日本の近海には鯨を求め外国船が接近を繰り返し、アメリカの開国要求の理由にも捕鯨基地の確保か挙げられています。日本の捕鯨文化を調査し書かれた本図ですか。私たちに長英の生きていた当時の対外関係に揺れる日本を想起させます。
                             (おいかわ あや 奥州市立高野長英記念館学芸調査員)


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世界史の中のパレスチナ問題-- 臼杵 陽 ④ [ユーラシア・近東]

世界史の中のパレスチナ問題 
著者 臼杵 陽 /ウスキあきら
出版者 講談社  講談社現代新書 番号 2189
出版年 2013.1
ページ数 423p
ISBN 978-4-06-288189-0
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 S/227.9/ウス/

第三部の目次 「アメリカの平和(パクス・アメリカーナ)」の終わりの始まり
 第11講 第三次中東戦争以降のパレスチナ問題とイスラエル
イスラエルの大勝利
/イスラエル社会の変化
/アラブの敗北はイデオロギー的な敗北
/「アラブ・イスラエル紛争のパレスチナ化」の始まり
/ヨルダンの「黒い九月」事件
/PLOは国家と同等の地位に
/エジプトのイスラエル奇襲作戦成功
/石油戦略と過激な宗教的政治運動
/エジプト・イスラエル平和条約締結
/イスラエル軍、レバノン侵攻
/PLOとヨルダン和解
/ヨルダン川西岸・ガザの重要性
/インティファーダの一少年の姿
/パレスチナ独立国家樹立宣言
/トルーマンの強引なイスラエル建国支持
/アメリカとイスラエルの「特別な関係」強化
/世界史を変えた三つの事件
/イラン・イラク戦争
/ソ連のアフガニスタン侵攻
 第12講 冷戦終焉後の中東和平の挫折
「二つの戦後」の帰結から
/湾岸危機勃発
/アラファートのイラク支持という大失策
/イスラエルのアジア外交転換期
/イスラエル・ヨルダン平和条約締結
/イスラエルとPLOの相互承認
/オスロ合意に基づくパレスチナ暫定自治
/イスラエル首相公選と最終的地位交渉
/パレスチナ人の状況と居住地域
/パレスチナ人の分類
/エルサレム帰属問題とパレスチナ人帰還権問題
/離散パレスチナ人にあるPLOの正当性
/オスロ合意の問題点
/イスラエルのオスロ合意への反対勢力
/ハマースも和平に反対
/深まるイスラエルとパレスチナの対立
/イスラエル、エルサレム妥協案を受け入れる
/第二次インティファーダ勃発
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 第13講 九・一一事件後のパレスチナ/イスラエル紛争
 「九・一一事件は世界を変えた」
/アメリカの「対テロ戦争」論理への反応
イスラモフォピアという社会現象
/「大国」はアメリカに歩調を合わせる
/ピン・ラーディンの声明の世界的影響
/イスラエル軍の議長軟禁、ハマース攻撃
/アメリカ軍のイラク攻撃、フセイン政権崩壊
/シャロン首相、「分離壁」の建設間始
/ハマース圧倒的勝利
/パレスチナ自治政府.事実上の分裂へ
/ファイヤード首相のパレスチナ経済戦略
/IMFはパレスチナ自治政府の財政改革を称賛
/ガザの「トンネル経済」
/イスラエル新政権の試金石、レバノン問題
/イスラエル国防軍、ガザ軍事攻撃
/トルコ、代表的イスラーム国家に
 第14講 アラブ革命とパレスチナ問題の現状
民主化を求めた「アラブ革命」
/「アラブの春」はアラブ世界では「イスラームの春」
/ホブズボームが語るアラブ革命の「失敗」
/一八四八年革命と「歴史なき民」
/チュニジア青年の焼身自殺
/長期的にはアラブ革命は「新市民革命」か
/ヨーロッパ中心史観の克服が前提
/ファタハとハマースの和解
/パレスチナ住民のデモとシリア情勢
/オバマ大統領が発言した国境線
/パレスチナ国連加盟を求める申請書提出
/国連総会でアメリカ拒否権発動
/覇権国家アメリカの凋落
/「イスラエル・ロビー」の存在
/ユダヤ人国家への英米の対応の差
/「特別な関係」がアメリカの否定的イメージを決定
/アメリカとイスラエル市民が共有する目標と利益
/エルサレムとパレスチナへの「思い入れ」
/「イノセント・アプロードー聖地初巡礼の旅」
/アラブ諸国はアメリカの自由と民主主義に好意的
/パレスチナ問題解決への模索
 第15講 パレスチナ問題と日本
 日本人のパレスチナ認識の出発点
/島地黙雷の聖墳墓教会体験
/日本人キリスト者徳冨蘆花の意見書
/柳田国男のパレスチナ訪問計画
/シオニズム運動への関心の高まり
/パレスチナでのシオニスト活動への評価
/反ユダヤ主義と親ユダヤ主義の両義的認識
/日本政府のユダヤ難民問題
/ユダヤ排斥論の席巻
/主権回復後、イスラエルを承認
/PFLPと日本赤軍合流
/欧米経由の聖地認識
おわりに
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世界史の中のパレスチナ問題-- 臼杵 陽 ③ [ユーラシア・近東]

世界史の中のパレスチナ問題 
著者 臼杵 陽 /ウスキあきら
出版者 講談社  講談社現代新書 番号 2189
出版年 2013.1
ページ数 423p
ISBN 978-4-06-288189-0
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 S/227.9/ウス/

第二部の目次 列強の対立に翻弄されるユダヤ人とアラブ人
 第6講 帝国主義時代の宗教、民族、人種
植民地支配を正当化する論理/
「西洋の衝撃」では一方的理解に
/ユダヤ教徒はキリスト教徒と「市民」として平等
/ユダヤ人解放と国民国家の形成
/「反ユダヤ主義」の由来は「反セム主義」
/社会進化論と優生学
ポグロムが契機、パレスチナへのユダヤ人移民
シオニズムの起源はユダヤ啓蒙主義運動
/政治的シオニズム
/実践的シオニストと労働シオニズム
/社会主義シオニズム
/宗教シオニズムの考え方
/イスラームの近代
/イスラーム改革運動を継承した人たち
/アラブの二つのナショナリズム
/シオニズムとアラブ・ナショナリズム衝突の予言
/イスラームとアラブ・ナショナリズムの結合
/アラブ・ナショナリズムヘの期待の消滅

 第7講 第一次世界大戦とパレスチナ委任統治
中東地域の主権国家への分断
/イギリスの「二枚舌」外交
/人きな政治的禍根、バルフォア宣言
/サイクス・ピコ秘密協定
/達成されなかったアラブ統一国家独立の夢
/バルフォア宣言をめぐる論争
/ロイド=ジョージ首相の反ユダヤ幸義
/「アラブ対ユダヤ」という新たな「民族」対立
/「ユダヤ人」か「それ以外の人びと」か
/民族対立が固定化する《場》
/委任統治は新たな「植民地支配」
/ヨルダン川東西両岸
/イラクという人工国家
/アラブ人の反乱
/アラブ側に宗教行政機開設立
/ユダヤ教側にも首席ラビ庁設置
嘆きの壁事件で破綻した宗教を越えた共存
/パレスチナ分割を提言したピール報告
/事実上のバルフォア宣言破棄
ナチス占領下、ユダヤ人は避難先を失った
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エルサレム

 第8講 第二次世界大戦と国連パレスチナ分割決議案
イギリス、アラブ諸国との関係強化に
/アラブ、ユダヤが出席するロンドン円卓会議の提案
/イギリス省庁もパレスチナ分割案を撤回に
/ロンドン円卓会議の決裂
/「宥和政策」による「平和」崩壊
/反英姿勢でアメリカに支援を求めたシオニスト
/シオニストに同情的だったチャーチル
/修正主義シオニストの反英武装闘争
/労働シオニストと修正主義シオニストの対立
/パレスチナのユダヤ社会、分裂の危機に
/シオニストのディレンマ
/パレスチナ問題の解決を国際連合に委託
/国連パレスチナ分割決議案
/エルサレムの帰属をめぐる対立
/第一次中東戦争勃発
/日本のユダヤ政策
/満州へのユダヤ難民移住計画

 第9講 イスラエル国家建設とナクバ
イスラエル建国を読み直す動き
/アラブ政府首脳暗殺事件
/パレスチナ・アラブ住民の避難民の波
/避難民が難民化するプロセス
/富裕刷の避難で、パレスチナ社会は機能不全に
/パレスチナ・アラブ住民の崩壊感覚
/シオニスト軍事攻勢の影響
/避難民の故郷への帰還は事実上不可能
/新生イスラエル政府と住民の帰還問題
/イスラエル世論は避難民の帰還を拒否
/アラブ諸圃はイスラエルと休戦協定
/トランスヨルダンと難民化
/シオニストとアプドゥッラーの関係
/シオニストとトランスヨルダンの良好な関係
/イギリスの目論見
/大シリア国家構想阻止が狙い

 第10講 アラブ・イスラエル紛争の展開
イスラエル建国と「中東戦争」
/大英帝国、中東地域での覇権の維持
/米ソ冷戦とアラブ・イスラエル紛争
/国際政治学的議論
/アラブ諸国とイスラエル秘密和平交渉が白日の下に
/イギリスの「大トランスヨルダン」政策
/英軍のスエズ運河地帯駐留とアラブ・イスラエル紛争
/イラクの秘密工作
/イラクとエジプトの相違点
/バグダード条約加盟をめぐるアラブ諸国の分裂
/アメリカのアルファ計画
/アラブ世界の分極化と英米関係
/イスラエルは軍事的報復を抑制
/ベングリオンとジャレットの対立
/イスラエル、アメリカから武器供与がないことを確認
/イスラエルとフランス
第三部の目次を細かく見るにつづく


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世界史の中のパレスチナ問題-- 臼杵 陽 ② [ユーラシア・近東]

世界史の中のパレスチナ問題 
著者 臼杵 陽 /ウスキあきら
出版者 講談社  講談社現代新書 番号 2189
出版年 2013.1
ページ数 423p
ISBN 978-4-06-288189-0
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 S/227.9/ウス/


目次
はじめに
 パレスチナという土地をめぐる政治的紛争
/ユダヤ民族が建設した「国民国家」
/現状は「泥沼化」
/ヨーロッパ・キリスト教社会が生んだユダヤ人問題
/本書の構成

第一部 パレスチナという場所
 第1講 パレスチナという地域とその宗教と言語
 「カナン」は約束の地
/イスラエルと戦った民族
/歴史的シリアの南部地域
/中東の心臓部
三つの一神教の聖地エルサレムを抱え込んでいた
/アラブ連盟加盟国
/イスラーム協力機構
/スンナ派ムスリムが多数派
/アラビア語を話しているユダヤ教徒
/「ヘブラブ語を話しているユダヤ教徒」に変身
/アラビア語を話しているキリスト教徒
/ギリシア正教徒
/ネストリウス派キリスト教徒
/ユニエート教会の信徒はローマ・カトリック教徒
【キリスト教カトリックに属するウクライナのユニエイト教会(東方帰一教会)】
/プロテスタント諸派
/「モザイク」のような多文化・多民族社会
/エルサレム問題の重要性

 第2講 ユダヤ教から見たキリスト教と反ユダヤ主義の起源
「宗教」がどのように政治的に動員されるか
/ユダヤ教徒とエルサレム
/アブラハムの息子イサクをめぐる物語
/ユダヤ教は啓示宗教教
/ユダヤ教の啓典は「タナフ」
/成文律法である聖書と口伝律法
/民族宗教と呼ばれるユダヤ教、世界宗教と分類されるキリスト教
/誰がイエスの処刑を求めたか
/イエスを卜字架刑に処した理由
/「異邦人」への宣教が決定づけられた
/ユダヤ教を教義的に否定するキリスト教
/ユダヤ教からの継承ではイスラームの方が忠実
/「イエス・キリスト殺しのユダヤ人」と「過越祭」【すぎこしのまつり pesah. ヘブライ語 assover 】
過越祭り・超正統派009xL.jpg
超正統派
/ユダヤ教徒への差別・迫害

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過越祭(ペサハ)春行事

 第3講 イスラームから見たユダヤ教とキリスト教
イスラームとは「アッラーへの絶対服従」
/アラビア語の造語法
/シャハーダを宣誓する
/イスラームは起源と継承をアブラハムに求める
/人類が同胞であるという普遍性
/「イスラームの家」と「戦争の家」
/ムスリムの義務としての五行と六信
/ジハードの原義は「努力する」
/「コーランか、剣か、貢納コウノウ か」の三択
/スンナ派とシーア派
/ウンマの指導者が争点

 第4講 ヨーロッパ対イスラーム――「一四九二年」という転換点
ヨーロッパのイスラーム世界包囲網
/十字軍を機にユダヤ教従はヨーロッパの「内なる敵」に
/十字軍国家の成立と滅亡
/サラーフッディーン、エルサレム奪還
/十字軍が行った聖所独占と暴虐行為
/ユダヤ教徒虐殺問題
/中世キリスト教社会のユダヤ教徒嫌悪
/ゲットーへの居住を強制する勅書の発布
/「大航海時代」のヨーロッパ世界とイスラーム世界
/ 「十二世紀ルネサンス」で起きた翻訳運動
/スファラディームとアシュケナジーム
/ディアスポラのイメージの変化
/「ガルート」をめぐる思想

 第5講 オスマン帝国と東方問題
オスマン帝国の絶頂と衰退
/帝国内の三大ミッレト
/分離・独政を促進した特権制度
/特権制度が変質した「不平等条約」
/オスマン帝国をめぐる[東方問題]
/「東方問題」最大の事件は「露土戦争」
/「東方問題」はヨーロッパ列強からは「外交問題」
/現代アラブ政治に結びつく四つの事件
/エルサレムの属する行政区の再編
/イギリスはパレスチナではユダヤ教徒を支援
/ヤング領事によるパレスチナのユダヤ教徒調査
/ユダヤ教徒への宗教的愛着
/ユダヤ教徒復興論とは「前千年王国説」
/キリスト教徒の居住区の成立
第二部の目次を細かく見るにつづく


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