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渋谷区より広い17平方キロの中間貯蔵施設に汚染水タンクを設置しようー烏賀陽弘道氏の意見 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

烏賀陽 弘道 @hirougaya
以前から重ねて指摘していますが、東電が「汚染水タンクの置き場がない」と言っているのは福島第一原発の敷地3.5平方キロの内側だけの話です。その周囲には渋谷区より広い17平方キロの中間貯蔵施設がある。そこを使えばよい。少なくてもこの夏に海洋投棄する必要はなくなる。
無題.jpg
 
そしてこれも重ねて指摘してますが、放射性物質で汚染された水の処理は
①スリーマイル島原発事故では自然乾燥・蒸発
②サバンナーリバーなどアメリカの核施設ではコンクリートで固化して地上保管
で安全を確保しています。
燃料棒に直接触れた汚染水を海洋投棄などという愚行をやるのは日本が初めてです。
午後10:18 · 2023年6月28日
経産省の検討小委員会は
①は言及するものの明確な理由なく却下。
②は議題にすら上がらず
で海洋投棄を決めてしまったのです。馬鹿げています。他に方法はいくらでもある。
さらに馬鹿げているのは、②のコンクリート固化(モルタル化)は他ならぬ福島第1原発事故で出た放射性廃棄物の埋め立てに使われているという事実です。10キロ離れた富岡町にある「りぷるんふくしま」という施設で見学すらできます
そんなバカな、と思うあなたはこれをご覧なさい。福島第一原発から10キロ南で放射性廃棄物のモルタル固体化と埋め立てが始まっていますから。
lzz5kS7ms-.jpg 特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま|環境省  http://shiteihaiki.env.go.jp/tokuteihaiki_umetate_fukushima/reprun/
つまり日本政府は「自然蒸発」「コンクリートによる固形化」という「海洋投棄をせずに済む方法」があることを知っていながら、わざわざ海洋投棄という方法を選んだということになります。これは後々、猛烈な非難を浴びるでしょう
なぜ「自然蒸発」「コンクリート固化」とちがって「海洋投棄」が最悪の悪手であるかというと、これまで国内問題にとどまっていた福島第1原発事故の汚染を、多国間の国際問題にしてしまうからです。国際政治的にクライシスレベルが一つ上がります。環境議論は置いても、政治的に最悪の悪手です。
つまり「自然蒸発」でも「コンクリート固化」でもなく「海洋投棄」をたいした議論もせず、情報公開もろくにせずに決めてしまったという時点で、またしても日本政府のクライシスマネージメント(危機管理)能力がおそるべき低能であることがわかります。
「なぜ中間貯蔵施設に17平方キロの敷地があるのに、そちらに汚染水タンクをしばらくの間だけでもおかないのですか」と経産省に尋ねたら「あちらは環境省の所管ですから」と当たり前のように答えたので唖然としてことがあります。
国際法上、海洋は「国際社会の公有財産」(つまりみんなのもの)であり、例外として沿岸の狭い帯だけを領海(沿岸国の領土)として認めているにすぎません。その海洋に放射性物質(トリチウムしか含まれないというのは誤謬)を投棄する、というのは公共の場でウンコをしたりゲロを吐いたりする行為と同じです。「薄めます」と政府は言ってますが、それならウンコやゲロを駅でやっても許されますか?
午前4:31 · 2023年6月29日
さらに、国際社会の公有財産である海洋の中でも世界一広く沿岸国の多い太平洋に、核燃料に直接触れた水を投棄するのです。そんな原発は世界で福島第1原発だけです。世界の海はひとつの水でつながっています。世界のどこでセシウム(ウランが核分裂しないと生成しない)が検知されても、国際問題化する。



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リスク化する日本社会 -ウルリッヒ・ベックとの対話--ベックが福島第一原発の事故を論じた貴重な論考・序文も収録--岩波書店 ㈡ [福島第一原子力発電所事故(2011)]

リスク化する日本社会71Jdoy4GvTL.jpgリスク化する日本社会 
副タイトル1 ウルリッヒ・ベックとの対話
著者1 ウルリッヒ ベック /編, 鈴木宗徳 /編, 伊藤美登里 /編, 三上剛史 /ほか著  
出版年 2011.7
出版者 岩波書店
一般件名 社会学 , リスク
ページ数 15,274p
大きさ 19cm
ISBN 978-4-00-025567-7
新潟県立図書館収蔵
内容紹介
様々な危機や不安に直面する日本社会にとって、人々の生活や人生上のリスクを安定化する装置がどのようなものであるべきかが問われている。本書は、リスク社会論の第一人者との対話から、そのためのヒントを探る試みである。「個人化」「第二の近代」「コスモポリタン化」といったベック理論の重要概念に批判的な検討を加えながら、社会理論の役割、リスクの時代の家族と社会保障、日本と東アジアにおける多元的近代をめぐって議論が展開される。2010年秋の連続シンポジウムの記録に、ベックが福島第一原発の事故を論じた貴重な論考・序文も収録
■編者 鈴木宗徳からのメッセージ
リスク社会論の始祖の目を通して日本社会を見る
 ウルリッヒ・ベックのリスク社会論は,社会学者であれば誰しもその重要性に気づきながら,これまで充分に紹介・検討されてきたとは言えません.アンソニー・ギデンズ,ジグムント・バウマン,リチャード・セネット,ロベール・カステルなど,近代社会が新たな段階に入ったことを強調する一群の社会学者の著作を読めば,彼らがどれだけベックから影響を受けていたかは,すぐに分かります.リスク,不確実性,不安….ベックこそ,そうした時代の空気をいち早くつかみ,社会学の課題として定式化した始祖であると言ってよいでしょう.そして,彼の思想形成にもっとも大きな影響を与えたのが,妻であるエリーザベト・ベック=ゲルンスハイムです.
 本書は,そのベック夫妻を迎えて2010年秋に行われた,来日シンポジウムの記録です.遅すぎた初来日講演でしたが,その成果はわれわれの期待を超えるものでした.末尾におかれたベックによるリプライ,「個人化する日本社会のゆくえ」を読んでいただければ,彼が日本側の報告者に対しどれだけ真摯に応答してくれたかが,分かるでしょう.福島第一原発事故について書き下ろしてくれた「この機会に」も見逃せません.リスク社会論や個人化論の考え方を通して日本社会の現在を見つめたい方に,広く読んでいただければと思います.
内容一覧
タイトル 著者名 ページ
はじめに
鈴木宗徳
伊藤美登里
この機会に――福島,あるいは世界リスク社会における日本の未来 ウルリッヒ ベック/著 1‐12
I 再帰的近代化の中の個人と社会――社会理論の現在
第1章 個人化の多様性――ヨーロッパの視座と東アジアの視座 ウルリッヒ ベック/著 15‐35
第2章 個人化論の位相――「第二の近代」というフレーム 三上剛史/著 37‐51
第3章 2010年代の日本における個人化とベックの理論 樫村愛子/著 53‐69
II リスクの時代の家族と社会保障――ベック理論との対話
第4章 リスク社会における家族と社会保障 ウルリッヒ ベック/著 73‐87
第5章 個人化とグローバル化の
時代における家族 エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム/著 89‐101
第6章 個人化と家族主義――東アジアとヨーロッパ,そして日本 落合恵美子/著 103‐125
第7章 日本における個人化の現象――福祉国家をとおしてみる 武川正吾/著 127‐139
III 日本と東アジアにおける多元的近代
第8章 第二の近代の多様性とコスモポリタン的構想 ウルリッヒ ベック/著 143‐161
第9章 東アジアにおける第二の近代の
社会変容とリスク予防ガバナンス
――ウルリッヒ・ベックとの対話
韓相震/著 163‐218
第10章 社会学理論,第二の近代,「日本」
――アジア的パースペクティヴとコスモポリタン化をめぐるベックとの対話
油井清光/著 219‐243
IV 個人化する日本社会のゆくえ
――コメントに対するコメント
ウルリッヒ ベック/著 245‐274
著者紹介
著者 ウルリッヒ ベック (Ulrich Beck)1944年生まれ。元ミュンヘン大学教授。社会学者。リスク社会論の第一人者。リスク社会論の第一人者として大きな影響力を持つ。福島第一原発事故を受けて設置されたドイツ政府の「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」委員も務める
エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム(Elisabeth Beck-Gernsheim)
 1946年生まれ.元エアランゲン―ニュルンベルク大学教授.家族社会学.ウルリッヒ・ベックとの共著Individualization(個人化),Das ganz normale Chaos der Liebe(愛という全く普通のカオス)など著書多数.邦訳書に『子どもをもつという選択』,『出生率はなぜ下がったか』(以上,勁草書房)がある.
著者 鈴木宗徳(すずき・むねのり) 1968年生まれ。法政大学社会学部准教授。理論社会学。
   伊藤美登里(いとう・みどり) 1965年生まれ。大妻女子大学人間関係学部教授。社会学史、知識社会学

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リスク化する日本社会 -ウルリッヒ・ベックとの対話--ベックが福島第一原発の事故を論じた貴重な論考・序文も収録--岩波書店 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

リスク化する日本社会71Jdoy4GvTL.jpgリスク化する日本社会 
副タイトル1 ウルリッヒ・ベックとの対話
著者1 ウルリッヒ ベック /編, 鈴木宗徳 /編, 伊藤美登里 /編, 三上剛史 /ほか著  
出版年 2011.7
出版者 岩波書店
一般件名 社会学 , リスク
ページ数 15,274p
大きさ 19cm
ISBN 978-4-00-025567-7
新潟県立図書館収蔵
内容紹介
様々な危機や不安に直面する日本社会にとって、人々の生活や人生上のリスクを安定化する装置がどのようなものであるべきかが問われている。本書は、リスク社会論の第一人者との対話から、そのためのヒントを探る試みである。「個人化」「第二の近代」「コスモポリタン化」といったベック理論の重要概念に批判的な検討を加えながら、社会理論の役割、リスクの時代の家族と社会保障、日本と東アジアにおける多元的近代をめぐって議論が展開される。2010年秋の連続シンポジウムの記録に、ベックが福島第一原発の事故を論じた貴重な論考・序文も収録
■編者 鈴木宗徳からのメッセージ
リスク社会論の始祖の目を通して日本社会を見る
 ウルリッヒ・ベックのリスク社会論は,社会学者であれば誰しもその重要性に気づきながら,これまで充分に紹介・検討されてきたとは言えません.アンソニー・ギデンズ,ジグムント・バウマン,リチャード・セネット,ロベール・カステルなど,近代社会が新たな段階に入ったことを強調する一群の社会学者の著作を読めば,彼らがどれだけベックから影響を受けていたかは,すぐに分かります.リスク,不確実性,不安….ベックこそ,そうした時代の空気をいち早くつかみ,社会学の課題として定式化した始祖であると言ってよいでしょう.そして,彼の思想形成にもっとも大きな影響を与えたのが,妻であるエリーザベト・ベック=ゲルンスハイムです.
 本書は,そのベック夫妻を迎えて2010年秋に行われた,来日シンポジウムの記録です.遅すぎた初来日講演でしたが,その成果はわれわれの期待を超えるものでした.末尾におかれたベックによるリプライ,「個人化する日本社会のゆくえ」を読んでいただければ,彼が日本側の報告者に対しどれだけ真摯に応答してくれたかが,分かるでしょう.福島第一原発事故について書き下ろしてくれた「この機会に」も見逃せません.リスク社会論や個人化論の考え方を通して日本社会の現在を見つめたい方に,広く読んでいただければと思います.
内容一覧
タイトル 著者名 ページ
はじめに
鈴木宗徳
伊藤美登里
この機会に――福島,あるいは世界リスク社会における日本の未来 ウルリッヒ ベック/著 1‐12
I 再帰的近代化の中の個人と社会――社会理論の現在
第1章 個人化の多様性――ヨーロッパの視座と東アジアの視座 ウルリッヒ ベック/著 15‐35
第2章 個人化論の位相――「第二の近代」というフレーム 三上剛史/著 37‐51
第3章 2010年代の日本における個人化とベックの理論 樫村愛子/著 53‐69
II リスクの時代の家族と社会保障――ベック理論との対話
第4章 リスク社会における家族と社会保障 ウルリッヒ ベック/著 73‐87
第5章 個人化とグローバル化の
時代における家族 エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム/著 89‐101
第6章 個人化と家族主義――東アジアとヨーロッパ,そして日本 落合恵美子/著 103‐125
第7章 日本における個人化の現象――福祉国家をとおしてみる 武川正吾/著 127‐139
III 日本と東アジアにおける多元的近代
第8章 第二の近代の多様性とコスモポリタン的構想 ウルリッヒ ベック/著 143‐161
第9章 東アジアにおける第二の近代の
社会変容とリスク予防ガバナンス
――ウルリッヒ・ベックとの対話
韓相震/著 163‐218
第10章 社会学理論,第二の近代,「日本」
――アジア的パースペクティヴとコスモポリタン化をめぐるベックとの対話
油井清光/著 219‐243
IV 個人化する日本社会のゆくえ
――コメントに対するコメント
ウルリッヒ ベック/著 245‐274
著者紹介
著者 ウルリッヒ ベック (Ulrich Beck)1944年生まれ。元ミュンヘン大学教授。社会学者。リスク社会論の第一人者。リスク社会論の第一人者として大きな影響力を持つ。福島第一原発事故を受けて設置されたドイツ政府の「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」委員も務める
エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム(Elisabeth Beck-Gernsheim)
 1946年生まれ.元エアランゲン―ニュルンベルク大学教授.家族社会学.ウルリッヒ・ベックとの共著Individualization(個人化),Das ganz normale Chaos der Liebe(愛という全く普通のカオス)など著書多数.邦訳書に『子どもをもつという選択』,『出生率はなぜ下がったか』(以上,勁草書房)がある.
著者 鈴木宗徳(すずき・むねのり) 1968年生まれ。法政大学社会学部准教授。理論社会学。
   伊藤美登里(いとう・みどり) 1965年生まれ。大妻女子大学人間関係学部教授。社会学史、知識社会学

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放射能汚染と災厄=終わりなきチェルノブイリ原発事故の記録ー2013 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

放射能汚染と災厄=終わりなきチェルノブイリ原発事故の記録
著者 今中哲二 /(イマナカ テツジ) 
出版者 明石書店
A5判: 21.6 x 15.4 x 3.6 cm/ページ数 5+475p
ISBN-13: 978-4750337609
出版・発売日: 2013/2/28
価格 ¥5,184(本体¥4,800+税)
新潟県立図書館収蔵 資料コード 0010013313264 NDC分類(9版) 369.36


内容紹介
1986年4月に発生したチェルノブイリ原発事故。その4年後の1990年に著者ははじめて当時のソビエト連邦を訪問し、高汚染地域で調査を行った。以来、著者のライフワ-クとなったチェルノブイリ調査の記録を集大成。


目次
放射能汚染と災厄_.jpg1 福島原発事故を受けて(チェルノブイリ事故と福島事故;“一〇〇ミリシーベルト以下は影響ない”は原子力村の新たな神話か?)
2 チェルノブイリ原発事故で被災した人たちに起こったこと(放射能汚染の状況と被災者たち;事故処理作業従事者(リクビダートル)
事故直後に原発周辺から避難した人々
汚染地域の住民の状況)
3 チェルノブイリ原発事故の検証(事故から一〇年後;事故から一五年後;事故から二〇年後)
4 現地訪問記―ベラルーシ、チェルノブイリ、ロシア、キエフ(最近のベラルーシ事情;チェルノブイリ原発訪問記;ロシアの格閉鎖都市オゼルスクに行ってきました;キエフで「オレンジ革命」に出くわしました)
5 資料(IAEA報告会における科学者たちの発言;隠れた犠牲者たち―チェルノブイリ事故がもたらした一般住民の急性放射線障害(ウラジーミル・ルパンディン)
チャルノブイリ・ニュース)


著者等紹介
今中 哲二 (イマナカ テツジ)  
京都大学原子炉実験所・助教。1950年広島市生まれ。1973年大阪大学工学部原子力工学科卒業。1976年東京工業大学大学院修士課程原子核工学修了。1976年4月より現職。原子力利用のデメリットを明らかにするための研究に従事。主な研究に、広島・長崎原爆による放射線被ばく量の評価、チェルノブイリ事故の影響の解明、セミパラチンスク核実験場周辺での放射能調査など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


詳しい目次

はじめに

Ⅰ 福島原発事故を受けて

 第1章 チェルノブイリ事故と福島事故
 第2章 “一〇〇ミリシーベルト以下は影響ない”は原子力村の新たな神話か?

Ⅱ チェルノブイリ原発事故で被災した人たちに起こったこと

 第1章 放射能汚染の状況と被災者たち
 第2章 事故処理作業従事者(リクビダートル)
 第3章 事故直後に原発周辺から避難した人々
 第4章 汚染地域の住民の状況

Ⅲ チェルノブイリ原発事故の検証

【事故から一〇年後】
 第1章 周辺住民にもたらした急性放射線障害
 第2章 その後の事故影響
 第3章 小児甲状腺ガンの増加
 第4章 放出された放射能量
 第5章 セシウム汚染地域
 第6章 事故処理作業者の健康状態に関する報告
 第7章 事故原因の見直し

【事故から一五年後】
 第8章 “科学的評価”では被害を解明できない
 第9章 運転員はなぜAZ-5ボタンを押したか?
 第10章 四号炉爆発の正体――水素爆発か核爆発か?

【事故から二〇年後】
 第11章 何が起きたのか――事故概要、放射能汚染、健康影響
 第12章 被害調査に終わりはない
 第13章 事故による死者の数
 第14章 原発周辺三〇km圏避難住民の被曝量の再検討

Ⅳ 現地訪問記――ベラルーシ、チェルノブイリ、ロシア、キエフ

 第1章 最近のベラルーシ事情
 第2章 チェルノブイリ原発訪問記
 第3章 ロシアの核閉鎖都市オゼルスクに行ってきました
 第4章 キエフで「オレンジ革命」に出くわしました

Ⅴ 資料

 第1章 IAEA報告会における科学者たちの発言
 第2章 隠れた犠牲者たち――チェルノブイリ事故がもたらした一般住民の急性放射線障害(ウラジーミル・ルパンディン)
 第3章 チェルノブイリ・ニュース


 初出一覧

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原発ゼロをあきらめない=反原発という生き方ー2013 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

原発ゼロをあきらめない=反原発という生き方
編著者 安冨 歩  
著者 小出 裕章 /著 
著者 中嶌 哲演 /著 
著者 長谷川 羽衣子 /著 
出版者 明石書店
B6判: 19.4 x 13.1 x 2.1 cm/ページ数 220p

ISBN-13: 978-4750338521
出版・発売日: 2013/7/19
価格 ¥1728=本体1,600円+税

新潟市図書館収蔵 西川館 NDC分類(9版) 543.5


内容紹介
政府は原発で成長戦略。でも、絶望したら終わりだ。原発は絶望で稼働するのだから-。『原発危機と「東大話法」』で、原子力ムラの欺瞞と無責任を暴いた安冨歩氏が、反原発を貫いてきた小出裕章氏、中嶌哲演氏、3・11以降、脱原発運動に取り組む長谷川羽衣子氏にインタビュー。彼らの生き方、考え方からこれからの時代を生きる手がかりが見えてくる!
中嶌哲演さんのインタビューには、平智之氏、深尾葉子氏も参加しています。


目次一覧
原発ゼロをあきらめない0.jpg
対話1 小出裕章×安冨歩  騙されたから、自分で落とし前をつけたいのです 17-88頁

対話2 中嶌哲演×安冨歩/平智之/深尾葉子―平和も幸福も自他ともに成り立つ道を追求していく 89-162頁

対話3 長谷川羽衣子×安冨歩―市民のエネルギーを政治につなげるために 163-199頁

対話を終えて ―「無縁者」ネットワークが原発をとめる 201-220頁


編著者紹介
安冨 歩 (ヤストミ アユム)  
1963年大阪府生まれ。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、ロンドン大学政治経済学校(LSE)滞在研究員、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、東京大学東洋文化研究所准教授、2009年より同教授。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


詳しい目次

対話1………小出裕章×安冨歩
 ○騙されたから、自分で落とし前をつけたいのです
  私の場合、圧力はまったくかからなかった。だからそれに耐えているという意識は全然ありません
  「金は残せないけれど、教育だけは受けさせる」と父に言われて育ちました
  自分が生きていくことが社会にどういう意味を持っているのか。それを問うているのが大学闘争だと気づいた
  自分の人生をいいわけにして生きるなんて、そんなつまらない人生はない
  女川原発反対闘争で裁判になったとき、証人として来てくれたのが水戸巌さんでした
  高校時代は地質が大好きだった。でも、人のために役に立ちたいという思いで原子力に傾倒
  滅多に騙されない私が平和利用ということばに、コロリと騙されました
  騙されたからしかたがない、と言ってしまったら、終わりだと思います
  助教は誰にも命令されない、誰にも命令しなくてすむ、非常に恵まれたポストです
  『東大話法』なんて本を書く人は、東大ではダメですね
  原発事故後、「個人で発言するな」と言われました
  一人ひとりが自発的な意思でデモに参加したことは、日本では画期的なことだと思いますが、懸念もあるんです
  無縁的なものを復活させることが、日本社会に自由を回復させる道になる
  誰かを守るためにやっているのではなく、全部自分のためなのです
  自分が何をするか、ということがいちばん大切なこと。徹底的な個人主義者なんです
  原発をとめるために必要なのは、無縁者のつながりと、「連帯を求めて孤立を恐れず」という生き方


対話2………中嶌哲演×安冨歩/平智之/深尾葉子
 ○平和も幸福も自他ともに成り立つ道を追求していく
  広島原爆1000発分の死の灰がたまると知って、絶対に小浜につくらせてはいけないと決意を固めました
  意見や主義の違いがあっても原発だけはつくらせまい。その一点で一致団結したのです
  大多数の有権者が反対していることを行わないのは為政者の当然のモラリティではないか
  過去に対する洞察力がなければ、薄っぺらな軽い発言しか出てこない
  生き物すべてが汚染によって被っているストレスに政治はもっと目を向けなければならない
  想定外のことが起こりうるということを想定する謙虚さが、足りない
  事故後も変わらず、同じ手口、同じ屁理屈を繰り返す国と東電
  そんなに必要で安全な原発を、なぜ若狭に建てるのか。それが私の最初の大疑問だったのです
  ものごとはいろいろな条件に支えられて存在し、変化し、消滅する
  年金も健康も子育ても、原発と同じ構造を抱えている
  恐怖から創造的な解決は絶対に生まれない
  福島県民の声を受けとめることが運動の根底になければならない
  事故の収束作業にあたる労働者は特攻隊員の原発版
  「我々は差別する卑怯な生き物である」ことをまず受け入れる
  原子力村が頼りにしているものはなにか。それを断ち切らなければならない
  ごまかすために、膨大な書類と東大話法が必要になる
  小浜には古いものは大切に守りぬくという良い面での保守性がある。だから原発を拒んでこれたのです
  自己犠牲としての利他主義には落とし穴がある。自らが楽しみ、それが他者の幸せにもつながることがベスト
  禁原発が工夫を生みだし、希望を生みだす
  差別と犠牲の構造は入れ子構造。一朝一夕で克服できる問題ではない。だからこそあとの世代に伝えていかなければ
  未来の他者に対して利する行為を現在を生きる私たちが問われている
  暗闇を照らす導きの灯りとして、「自分自身」と「真理」を大事にしなさい


対話3………長谷川羽衣子×安冨歩
 ○市民のエネルギーを政治につなげるために
  ミニスカサンタもチャイナドレスも楽しいデモにするための演出
  母の影響で環境問題と出会い、大学時代は江戸時代の下肥の研究に没頭
  「長谷川さんは激しすぎるんだ」「いや、ふつうやけど」
  おおい町に通い、おおい町で声をあげられない現実を知る
  厳戒態勢のなかで開かれた再稼働住民説明会に不満を感じて「もうひとつの住民説明会」を開く
  原発交付金の話をドイツで発表したら、会場から驚きの声があがったんです
  差別がだめなのは経済的にあわなくなるから。怨念を生み、その解消に膨大なコストがかかる
  人々の絶望こそが原子力村の重要なエネルギー。あきらめてはだめなんです
  プラズマ化した社会で重要なのはお助け協同組合のようなネットワーク
  若い世代の危機感を変革の流れにつなげるために


 対話を終えて――「無縁者」ネットワークが原発をとめる

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原子力公害=人類の未来を脅かす核汚染と科学者の倫理・社会的責任ー2016 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

原子力公害=人類の未来を脅かす核汚染と科学者の倫理・社会的責任
原書名 原タイトル:Population control through nuclear pollution
著者 ジョン・W.ゴフマン John W. Gofman/著 
著者 アーサー・R.タンプリン Arthur R. Tamplin 
訳者 河宮 信郎 / 
出版者 明石書店

B6判: 19.2 x 13.6 x 2.6 cm/ページ数 374p
版注記 初版:アグネ 1974年刊
ISBN-13: 978-4750343167
出版・発売日: 2016/3/15
価格 ¥4,968(本体¥4,600)
新潟市図書館収蔵 巻館 NDC分類(9版) 539.99


内容紹介
米国原子力委員会の「プラウシェア核爆発計画」に伴う放射線リスクを科学的に推計した研究成果。放射線の危険性を網羅的に記述し、核=原子力利用による放射能汚染に警鐘を鳴らす。
核開発に直接関わっていた著者たちの内部報告。「核と国家」の内奥を明かした渾身の証言。
1970年代のアメリカにおいて原子力委員会は放射能の危険性について確認しないまま、原子力政策を推進しようとした。それに対し、科学者としての知的誠実さを貫き敢然と立ち向かった科学者たちがいた。3.11を経てもなお日本社会が包含する同じ構造上の問題に、いち早く警鐘を鳴らした科学者ゴフマンとタンプリンによる渾身の証言。

原子力公害_.jpg目次
訳者まえがき
序 言
著者まえがき
1 なぜ我々は証言するのか
2 放射線の生物学的影響
3 技術発展のための勇敢な騎士を警戒せよ
4 将来の汚染を防ぐための方策
5 原子力委員会の脅威―口先だけの「公衆衛生」
6 コロラド高原の悲劇
7 原子炉
8 廃棄が許されない放射性廃棄物
9 プルトニウム―公衆の健康と技術の驕り
10 核兵器計画
11 科学と科学者の倫理と社会的責任
12 科学的異議申し立てが緊急に必要である
付録 アメリカにおける貧困
再刊に寄せて
旧版訳者あとがき 原子力開発と問題点
原 註
略号表記一覧

著者等紹介
ジョン・W・ゴフマン John W. Gofman(1918-2007)
カリフォルニア大学バークレイ校で核物理化学のPh.D.を得、サンフランシスコ校でM.D.(医学博士号)を得た。1963~69年の間ローレンス研究所の副所長を務め、バークレイ校の医学物理学の教授に就任した。研究分野は多岐にわたり、核・放射線・遺伝子・がん・心臓医学に通暁した碩学である。低線量被曝の危険性解明によりライト・ライブリフッド賞(1992)を授与された。本書以外にも『新装版 人間と放射線―医療用X線から原発まで』(明石書店、2011年)ほか多数の放射線関係書を著している。


アーサー・R・タンプリン Arthur R. Tamplin(1926-2007)
カリフォルニア大学バークレイ校を卒業し、生化学の学士号、生物物理学のPh.D.を得た。ランドコーポレーションで宇宙開発に携わったのち、ローレンス研究所の生物学・医学部門のグループリーダーに就任。核爆発で生成された放射性核種が環境中に拡散し、最終的に人体に蓄積するメカニズムを解明する責任を担った。またその放射能が人体にいかなる影響を及ぼすかを追究した。

【訳者紹介】
河宮信郎(かわみや・のぶお)
1939年(昭和14年)広島県呉市生まれ。大阪府立三国丘高校卒、東京大学教養学部入学。1960年6/15の後、教養学部自治会委員長に就く。東京大学工学部卒・同修士課程修了(1963年)。名古屋大学工学部助手となり、金属物理学、固体物理学史、科学技術論の研究に従事、博士号取得(工学博士)。中京大学に移籍(1986年)、教養部を経て、経済学部教授(科学技術論、環境科学、環境経済学)、2009年退職(中京大学名誉教授)。
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。


詳しい目次


訳者まえがき

 序言
 著者まえがき

1 なぜ我々は証言するのか
  ・公衆の関心――放射線傷害の二面性
  ・被曝による死者はおそらく大幅に増加する

2 放射線の生物学的影響
  ・放射線はがんと白血病を誘発する
  ・連邦放射線審議会(FRC)指針の“許容”放射線量
  ・なぜずさんな自己満足が生じたのか?
  ・白血病以外のがんはどれだけ増えるか?
  ・放射線傷害の従来の評価は低すぎた
  ・放射線によるがん誘発の一般法則
  ・原子力平和利用に伴う公衆の被曝に関して「一般法則」がもつ意味
  ・なにをなすべきか
  ・放射線による遺伝的影響
  ・昔の楽天的な報告は誤りだった
  ・放射線による染色体の損傷

3 技術発展のための勇敢な騎士を警戒せよ
 原子力委員会(AEC)――ケース・スタディ
  すばらしい新技術が生まれる
  ・莫大なエネルギー供給がこの新技術を支える
  勇敢な騎士が新しい技術を擁護する
  ・推進と規制の間の相克
  新技術は人間に有害な副産物を生み出す
  ・5年から20年後の副作用発現
  放射線毒性に対する「許容」線量の概念が広められた
  ・合理的な対処法が必要である
  勇敢な騎士とその専門家たちと市民・公衆との争い
  ・「記録上安全」という主張は偽りである

4 将来の汚染を防ぐための方策
  ・汚染と敏感な人間身体
  ・なぜ汚染があるのか
  ・もっと多量の電力が必要だというのは本当か
  ・将来世代のために地球を守ろう
  ・汚染に対する規制への提言
  ・許容量はゼロでなければならない
  ・推進者は“需要”を“必要”に変える

5 原子力委員会の脅威――口先だけの「公衆衛生」
 ローレンス研究所の生物医学計画とプラウシェア計画
  ・原子力委員会の不安鎮静策
  ・汚染牛乳による甲状腺がん
  ・放射性降下物に関する厄介な問題
  ・放射能影響を研究するための新計画
  ・核爆弾のすばらしい将来性?
  ・予算の大削減
  ・新しい研究棟要求の闘い
  ・予算制限の理由
  現在までの状況
  ・“平和的”核爆発も放射性物質を噴き出す
  ・異常事態こそ状況解明の鍵
  ・プラウシェア計画における“例外的”な結果
  ・都合の悪い報告は後回し
  ・核爆発で新パナマ運河を掘る
  ・技術者の願望は危険が自然に消滅すること
  ・生物学的未知にさらされた技術者たち
  ・人間の生命に値段をつける
  ・テラー博士は核実験を悪いと思わない
  ・自然であれ人工であれ放射線は有害
  ・“常識”が正しいとは限らない
 爆発
  ・始まった核技術の急発展
  ・プラウシェアは大規模・大量の核爆発を計画する
  ・いまこそ心配すべきとき
  ・安全性が保証されないかぎり開発は危険である
  ・推進主義者たちは既知の危険にも無知を決め込む
  ・原子力正当化の神話学
  ・スチュワート博士の重要な貢献
  ・ラドフォード教授は“安全しきい値”の概念を攻撃する
  ・原子力委員会は回れ右をした
  ・公衆が決定権をもつべきである
  ・誤った実験を際限なく繰り返す
  ・実験例が少なすぎる研究は大災害をもたらす
  ・一杯食わされていたホリフィールド委員長
  ・回復した体細胞ががん化しない保証はない
  ・単なる願望を証拠事実で置き換えねばならない
  ・新基準設定の必要性
  ・公衆衛生が最優先
  原子力委員会の弾圧と報復
  ・決死の天然ガス増産計画
  ・決定を“黒幕の支配者”に任せるな
  ・原子力委員会の巡回興行――“平和な”原子力を教える試み
  ・コロラド住民は原子力委員会の圧力を感じている
  ・プラウシェア計画は廃棄すべし
  ・トッター教授の異様な提案
  ・対立意見を一般公開すべきである
  ・科学的発見はどのように発表されるか
  ・原子力委員会からの激烈な攻撃
  ・まず許容放射線線量を切り下げよ

6 コロラド高原の悲劇
  ・肺がんの蔓延は防止できた
  ・簡単な解答を曖昧語法(obscurantism)にすり替える
  ・連邦放射線審議会が“証拠”を示せという間に人々が死んでゆく
  ・「安全なしきい値」という虚妄な願望
  ・原子力委員会は過ちからなにも学ばない
  ・連邦放射線審議会の特異な利益対危害の考え方
  ・ホリフィールド議員ウィルツ氏を攻撃
  ・ウラン鉱屑で住宅の敷地を埋め立てた
  ・放射能まみれの欠陥住宅
  ・放射能をもつ天然ガスがつぎの番か

7 原子炉
  ・原子力産業をもっとよく調べる
  ・原子力委員会の地方巡業
  ・原子炉からの放出物は食物を汚染する
  ・緩い基準を固守する本当の理由はなにか?
  ・プライス=アンダーソン法による原子力産業の免責
  ・タンプリンのモラトリアム提案の検閲削除
  ・原子力発電所のなにが悪いのか
  ・燃料棒のピンホールから放射能が漏れ出す
  ・使用ずみ燃料棒の安全な処分は恐るべき難問
  ・保険会社は原子炉事故のリスクを引き受けない
  ・運転が始まってから建設上の欠陥が見つかる
  ・高速増殖炉
  ・高速増殖炉は厳密な制御を要求される
  ・最大仮想事故を超えたフェルミ炉の事故
  ・核融合エネルギー――未来への期待

8 廃棄が許されない放射性廃棄物
  ・悲鳴以外はなんでも利用
  ・燃料再処理施設と廃棄物の「処分」
  ・漏出率が低くても水は汚染される

9 プルトニウム――公衆の健康と技術の驕り
  ・プルトニウム許容量は途方もない誤り
  ・低線量の影響を扱う実験の失敗
  ・宇宙用原子力補助動力(SNAP)
  ・マーティン・マリエッタ社の研究
  ・判断の基準は確率ではなく影響におくべきである
  ・ジーサマンの結論は無視された
  ・SNAPの事故確率はいかなる誤算だったか
  ・月着陸は「技術による災害」

10 核兵器計画
  ・核兵器の使用は決して合理化できない
  ・核兵器支出についての公的討論はなかった
  ・シンク・タンクは紙上で核戦争を戦う
  ・戦争を妥当かつ安全にしようと試みる人々
  ・核戦争計画のひどいまちがい――生物学的影響を無視
  ・公衆よりもミサイルを守るために数十億ドル

11 科学と科学者の倫理と社会的責任
  ・科学は社会の要求に応え損なっている
  ・「平和」を保証する核兵器開発
  ・超音速旅客機(SST)――巨大な欠陥製品
  ・中立性は無責任に通じる
  ・科学者の傲慢な自己過信
  ・経済性のほうが健康よりもっと重要?
  ・人類に対する責任感の喪失
  ・放射線基準は古いデータを根拠にしている
  ・トムキンズ博士の懸念は高コストだけ
  ・原子力委員会内の混乱
  ・慰謝書簡の署名者たちへの質問
  ・科学における全体主義
  ・原子力委員会は生物医学研究計画に関して18年遅れている
  ・嘲笑と中傷という報酬
  ・ローレンス研究所は検閲に拳骨をふるう
  ・原子力委員会の旅費支給は話者が翼賛スピーチをするときだけ
  ・週末の不在でタンプリン減給

12 科学的異議申し立てが緊急に必要である
  ・科学者が無力である分野
  ・科学の目的を問うべきだ
  ・科学と社会的必要を結びつける
  ・国民総汚染を拡大する核分裂炉――求められる批判的科学者集団の創出

 付録 アメリカにおける貧困

 再刊に寄せて
 旧版訳者あとがき 原子力開発と問題点

 原註
 略号表記一覧

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人間と放射線=医療用X線から原発までー2011 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

人間と放射線=医療用X線から原発まで=原タイトル:Radiation and human health
著者 ジョン・W.ゴフマン 〈John W.Gofman〉
【訳】/伊藤 昭好/今中 哲二/海老沢 徹/川野 眞治/小出 裕章/小出 三千恵/小林 圭二/佐伯 和則/瀬尾 健/塚谷 恒雄 
版注記 初版:社会思想社 1991年刊
A5判: 21.4 x 15.4 x 4.2 cm/ページ数5+ 777p;新装版
出版者 明石書店
ISBN-13: 978-4750334547
出版・発売日: 2011/8/31
価格 ¥5,076(本体¥4,700)
新潟市図書館収蔵 中央・ホンポート館  NDC分類(9版) 493.195


内容紹介
人間と放射線=5.jpg科学は誰にも理解できるし、科学者は自分の専門を誰にもわかるように説明せねばならない-。放射能汚染と放射線被曝、それにともなう健康影響リスクなど、低線量放射線が人に与える影響について学問的・体系的にまとめる。
低線量放射線が人に与える影響について、学問的・体系的にまとめた名著の復刊。著者ゴフマンはエリートに支配されてきた科学を社会に開放し、市民が放射線の影響について計算と評価ができるようにと本書を執筆。放射線と生きざるをえなくなった私たちの必携書。

目次
放射線と人の健康
放射線の種類と性質
ガンの起源
放射線によるガンと白血病
放射線と発ガンの定量的関係の基礎
放射線によるガンの疫学的研究
乳ガン
年齢別のガン線量
ガン線量の具体的な適用
部分被曝と臓器別ガン線量〔ほか〕

著者等紹介
ジョン・W.ゴフマン 〈John W.Gofman〉
1918年921日オハイオ州クリーブランド生まれ。1939年オバーリン大学卒業(化学)。1939~40年ケイス・ウェスターン・リザーブ大学医学士。1943年カリフォルニア大学バークレー校理学博士(核物理化学)。1946年カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学博士。1947年カリフォルニア大学バークレー校理学部医学物理研究員。カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部内科学講師兼任(現在まで)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


詳しい目次
謝辞
 日本語版の序
 単位についての注

第1章 放射線と人の健康

第2章 放射線の種類と性質
 第1節 放射線のエネルギー
 第2節 放射線による生態影響の仕組み
 第3節 放射性崩壊の性質と測定
 第4節 線量と吸収エネルギー

第3章 ガンの起源
 第1節 ガンとはなにか
 第2節 染色体の基礎知識
 第3節 ガン細胞の染色体異常
 第4節 細胞の放射線損傷とガン
 第5節 染色体とガンの遺伝

第4章 放射線によるガンと白血病

第5章 放射線と発ガンの定量的関係の基礎
 第1節 最大1ラド当り過剰率と追跡期間不足の補正

第6章 放射線によるガンの疫学的研究
 第1節 広島・長崎のガン
 第2節 強直性脊椎症の関連ガン
 第3節 広島・長崎の悪性リンパ腫および多発性骨髄腫
 第4節 甲状腺ガンおよび甲状腺腫
 第5節 唾液腺腫瘍
 第6節 脳腫瘍
 第7節 皮膚ガン
 第8節 骨盤内臓器ガン
 第9節 職業上の被曝による放射線誘発ガン
 第10節 年齢別最大1ラド当り過剰率の総合評価
 第11節 広島・長崎に基づく値がもっと大きい可能性
 第12節 自然放射線と医療放射線に対する補正

第7章 乳ガン
 第1節 乳ガンの定量的解析
 第2節 乳ガンデータの総合評価

第8章 年齢別のガン線量
 第1節 年齢別最大1ラド当り過剰率
 第2節 年齢別ガン線量の算出

第9章 ガン線量の具体的な適用
 第1節 個人が被曝した場合
 第2節 集団が被曝した場合
 第3節 BEIR委員会等の危険度との比較

第10章 部分被曝と臓器別ガン線量
 第1節 最大1ラド当り過剰率の共通性
 第2節 臓器別ガン線量
 第3節 臓器別ガン線量の使い方
 第4節 複数臓器の被曝と臓器の部分被曝
 第5節 ガン線量を変更する手順
 第6節 ガンの発生率と死亡率
 第7節 倍加線量

第11章 線量‐反応関係と「しきい値」
 第1節 直線性と上に凸の曲線
 第2節 低線量で1ラド当りの影響は減少するか
 第3節 分割照射であれば安全か
 第4節 しきい値の存在
 第5節 公衆の健康

第12章 内部被曝と被曝線量の評価方法

第13章 アルファ線による内部被曝:ラジウムとラドン娘核種

第14章 人工アルファ線放出核種:プルトニウムと超ウラン元素

第15章 プルトニウムの吸入による肺ガン
 第1節 大気圏核実験降下物による影響
 第2節 プルトニウム被曝労働者

第16章 プルトニウム社会における肺ガン

第17章 原子力社会がもたらす被曝とその影響

第18章 自然放射線、生活用品、職業による被曝
 第1節 自然放射線とその影響
 第2節 工業製品や生活用品に伴う放射線核種
 第3節 職業上の被曝とその影響

第19章 医療用放射線による被曝
 第1節 X線:被曝線量のあいまいさ
 第2節 X線:被曝線量があいまいなときどうするか
 第3節 医療に用いられる放射性ヨウ素

第20章 白血病
 第1節 発症追跡調査:広島・長崎データ
 第2節 広島・長崎の被曝線量評価に関する重大な疑問
 第3節 白血病に関する履歴比較調査
 第4節 医療被曝白血病に関する3州調査
 第5節 リノスらによる医療被曝白血病の研究

第21章 胎内被曝による先天的影響
 第1節 非確率的影響:中枢神経系、骨格、臓器、代謝系
 第2節 胎内被曝の確率的影響:ガン、白血病

第22章 放射線による遺伝的影響
 第1節 はじめに
 第2節 遺伝障害の種類
 第3節 遺伝子・染色体病は過小評価されている
 第4節 突然変異率と平衡発生頻度の関係
 第5節 広島・長崎被爆生存者の子どもの若年死
 第6節 放射線で誘発されるトリソミー
 第7節 1世代1ラドの被曝により生じる遺伝子・染色体障害の数
 第8節 不規則遺伝病の新しい解釈

付章 大きい数、小さい数、および単位のあつかい

 主な放射能の特性一覧

 訳者あとがき
 著者紹介
 参考文献
 索引


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パンプキン! 模擬原爆の夏-2011 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

パンプキン! 模擬原爆の夏
パンプキン! 模擬原爆の夏L.jpg著者/作 令丈 ヒロ子 (れいじょう・ひろこ) 
著者/絵 宮尾 和孝 (みやおかずたか) 
出版者 講談社
出版年 2011.7
A5判;95p
価格;定価 : 本体1,200円(税別)


 講談社青い鳥文庫
新書判;128頁
ISBN 978-4065163733
価格;定価 : 本体660円(税別)
この作品は、2011年に講談社から刊行されたA5判作品に、加筆修正を加えたものです。


新潟市図書館収蔵 所蔵16館です。 中央・ホンポート館1階学支 書架15番 NDC分類(9版)  913.6


内容紹介 身近にあっても見すごしていた戦争の大きな傷あとを、夏休みの自由研究で調べてみると…。1945年、終戦の年に、原爆投下の練習のため模擬原爆・通称パンプキン爆弾が日本各地に落とされていた事実を小説で紹介する。


あたしは、大阪に住む小学5年生のヒロカ。夏休み、わが家に、同じ年のいとこ・たくみが、「模擬原爆」について調べるためにやってきた。模擬原爆というのは、原子爆弾を落とす練習用の爆弾なのだそうだ。そんなものがあるなんて、知らなかった! しかも、その練習用の爆弾で、たくさんの人が亡くなったと聞いて、あたしもたくみと一緒に調べることに……。<すべての漢字にふりがなつき・小学校中級以上向け>


1945年(昭和20年)7月20日に長岡市内 信濃川の支流 太田川付近に一発の大型爆弾が投下された。
長岡に投下された初めての爆弾だった。後に分かったが原爆の投下練習用の模擬原爆であった。長崎に投下されたプルトニウム爆弾とサイズ・重量・重心が同一の物で違いは中身がTNT火薬の通常爆弾だった。形と黄色に塗られた色からパンプキン(カボチャ)爆弾と呼ばれた。この12日後に長岡は焼夷弾による大空襲で被災した。

パンプキン_10_m.jpg
原爆の投下候補地は京都・小倉・広島・新潟市だった。これら候補地は原爆の効果の検証の為、事前の通常爆弾による爆撃は米軍司令部が禁止した。それで目標の周辺地域、新潟は長岡市、柏崎市、鹿瀬の昭和電工工場に、原爆の投下練習訓練とパイロットの士気高揚の為に7月20日~8月14日の間に通常爆弾で空襲した。長崎型のプルトニウム原爆(ファットマン)と同サイズで、黄色に塗られ、TNT火薬が2.5tを詰め入れられた。。形色からパンプキン(カボチャ)爆弾と呼ばれた。

  鹿瀬の昭和電工工場には、連合軍捕虜が280余人収容されていた。米軍将軍は捕虜の位置による目標の変更を禁じていた。米軍は同僚殺傷の危険性はさほど重要視していない。また高空9000メートル上空からの投下の爆撃精度は良くなかった。7月20日~8月14日の間の18都府県30都市に模擬原爆・パンプキン爆弾49発空襲で非戦闘員400名死亡 1,200名の負傷者が出ている。
  長岡への投下は、テニアン島から茨城県上空・福島県会津上空を経て新潟県に侵入した爆撃機。長岡市北部工業地帯の津上製作所と呉羽紡績を目標としていた。雲のため目視できず、レーダーにより長生橋を蔵王橋と誤って認識したため、左近(西宮内)の畑に投下された。4人死亡、5人が重軽傷を負った。7月26日にも再度飛来したが、長岡市は雲に覆われ爆撃不可能とあきらめ鹿瀬と柏崎市に投下した。
  この天候による2回の失敗により、新潟市は原爆投下予定地からはずされ京都・小倉(現北九州市)・広島になった。広島は予定通りの飛行で早朝原爆空襲、小倉は天候で断念され爆撃機来襲時に上空の雲が切れた長崎が昼頃空襲された。
 広島・長崎への原爆投下後も8月14日に愛知県春日井市に4発、豊田市に3発、模擬原子爆弾で空襲している。日本帝国敗戦後、原爆爆撃基地には模擬原子爆弾パンプキン爆弾が66発残っていた。

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原爆投下報告書--奥住喜重/〔ほか〕訳 -- 東方出版 -- 1993 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

原爆投下報告書   パンプキンと広島・長崎  米軍資料
奥住喜重/〔ほか〕訳 

原爆投下報告書  _.jpg出版年 1993.9
出版者 東方出版
258p 図版20p

ISBN-13: 978-4885913501


新潟市図書館収蔵 新津館 資料コード  2070010016555 NDC分類(9版) 391.2074

新潟県立図書館収蔵所蔵 資料コード  0010093124079

柏崎市立図書館収蔵 資料コード 2050011205288


内容紹介 日本に原子爆弾を投下することを目的として特設された、米軍第509混成群団の、日本全土に加えた全ての攻撃を報告した文書、「特殊作戦任務報告書」を紹介。原子爆弾投下の実行に至る全過程を記録した米軍直接資料の全訳である。



米20航空軍TwentiethAir Forceによる日本市街地破壊一覧Destructionof Urban Area Targetsにも爆撃市街地の人口が記されている(20)。この人口数は奥住氏等も指摘されているが, 基本的に昭和15年の国勢調査に基づいている(21)。


原爆投下から数十年後に公開された原爆関係の資料の中で,特に目を引くのは原爆開発の過程もさることながら,この509群団が「原爆」投下を想定し,原爆と同じ大きさの「模擬原爆」を使って投下訓練を行っていたという事実である。

この訓練に使われた模擬原爆は,長崎に落とされた通称「ファットマンFATMANJ という原爆と同じ型,同じ重量のもので,黄色く着色されていたことから「パンプキン(かぼちゃ) PUMPKIN爆弾」と呼ばれた。

(2) 原爆投下地の決定 1945 (昭和20)年
  原爆投下候補地は4月27日の目標検討委員会からその選定が始まり,贋島・横j賓・小倉・京都・新潟・長崎が候補に挙がり,最終的に慶島・小倉・長崎となる。また,ティニアン司令部は京都,貴島,小倉,新潟に模擬原爆を投下することも禁じた(29)。
  日本各地に投下された模擬原爆は[表II]の通りである。標的となったのは当然とは言え, 日本の基幹産業・精油所・操車所等である。被弾地の比定地については奥住喜重氏らの詳細な研究がある。

昭和電工鹿瀬工場には連合軍捕虜が280 余人収容されていた。グローブス将軍は捕虜の位置による目標の変更を禁じていた。同僚殺傷の危険性はさほど重要視していないとも思える。

パンプキン爆弾asiabunka42_1-10-14.jpg



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ナガサキー核戦争後の人生(みすず書房)ー2010;07 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

ナガサキー核戦争後の人生
NAGASAKI  Life After Nuclear War
著者;スーザン・サザード
訳者;宇治川康江
出版社:みすず書房

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/464頁

ISBN-13: 978-4622088189
発行・発売日: 2019/7/2
2019年7月1日予定


内容

「人類の歴史において核兵器の攻撃とその後の惨状を生き抜いてきた唯一の人々である被爆者。人生の終わりの時期に差しかかっている彼らの記憶のなかには私たちの心を奮い立たせるような、核戦争による長期の破滅的影響についての明白な事実が刻まれている」


 郵便局の配達員、路面電車の運転士あるいは軍需工場に駆り出されるごくふつうの10代の若者だった「語り部」たちのあの日――1945年8月9日、原子雲下の「同日同刻」から苦難とともに生きのびた「長い戦後」まで。「赤い背中の少年」ほか5人の主要登場人物とその家族、関係者への聞き書きにくわえ、他の多くの被爆者や治療に携わった医師たちが残した証言、アメリカ軍兵士・司令官の手記、戦略爆撃調査団報告をはじめ占領軍検閲政策、原爆傷害調査委員会をめぐる公文書資料などにあたりながら、12年の歳月をかけ書きあげられたノンフィクション。被爆者の側に徹底的に寄り添った本書の姿勢は、2015年に刊行されるや「原爆投下不可避」論の根強いアメリカ国内で議論を呼び起こした。

 「スーザン・サザードはジョン・ハーシーが広島のためにした以上のことを長崎でおこなった。本書は綿密で情熱的、思いやりに満ちたこのうえない歴史書だ」(ジョン・ダワー)


目次

ナガサキー核戦争後の人生2015_.jpgまえがき

プロローグ
第1章 集束
第2章 爆発点
第3章 残り火
第4章 被爆
第5章 動かぬ時
第6章 浮揚
第7章 新たなる人生
第8章 忘却に抗して
第9章 がまん

謝辞

訳者あとがき
索引
図版出典


著訳者略歴
スーザン・サザード
Susan Southard
アメリカのノンフィクション作家。アンティオーク大学LA校で修士号取得。
「ニューヨーク・タイムズ」「ロサンゼルス・タイムズ」「ポリティコ」などに寄稿し、アリゾナ州立大学、ジョージア大学でノンフィクション講座を受け持つ。デビュー作の本書Nagasaki: Life After Nuclear Warによりデイトン文学平和賞、J・アンソニー・ルーカス書籍賞受賞。また「エコノミスト」「ワシントン・ポスト」「カーカス・レビュー」の年間ベストブックに選出され、21人目となる「長崎平和特派員」に認定される。


※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
宇治川康江
うじがわ・やすえ
1957年生まれ。葛飾野高等学校卒業後、NHK国際研修室(通訳コース)で学ぶ。あおぞら銀行、花王、みずほ銀行ほかで日英翻訳業務に携わり、現在はフリーランスの翻訳家。
「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」会員。



「本書は原爆投下から70年を経て生まれた奇跡」(繁沢敦子)
スーザン・サザード『ナガサキ――核戦争後の人生』宇治川康江訳[7月1日刊]
「5人の被爆者の人生を通して織りなす包括的な被爆史研究」

「被爆地の問題、核兵器の問題を考えるうえで必要不可欠」
繁沢敦子・神戸市外国語大学英米学科准教授より本書をめぐるエッセイをご寄稿いただきました。


[広島への原爆投下の事実が周知されていれば、失われずに済んだ可能性のある命を救えなかったことの責任追及もされてこなかった。]

[原爆の特徴のひとつに放射線の影響がある。白血病やガンなど長期間にわたる健康被害が発生した。その影響はまだ進行中である。検閲によって情報が封じられ、安全保障条約に代表される戦後の日米協調路線の枠組みにおいて、こうした被爆の実相を世界に知らしめる機会も限定されてしまった。その功罪は想像以上に大きい。被爆者に対するメディアの質問が被爆当時のことに集中しがちであることはそのあらわれであろう。]


[被爆体験とは、1945年8月に原爆に遭ったことだけを言うのではない。その後も受け続けた影響をも含めなければならないのだ。本書は、家族を奪われ、みずからの体も傷つけられながら、それでも生き残って「与えられた命」を精いっぱいに生きた彼らの、70年間の闘いの記録である。そこには、彼らの闘いに共鳴した作家がいた。]


ナガサキー核戦争後の人生2015a_.jpg





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