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「移民国家」としての日本ー岩波新書・新赤版 1947 [移民・難民]

「移民国家」としての日本ー岩波新書・新赤版 1947
著者 宮島 喬  みやじま たかし

新規入国・出国外国人数ー.jpg

目次

はじめに

第1章 「移民国家」日本へ――なぜ、いかにして、を考える
第2章 外国人労働者の受け入れと日本
第3章 外国人労働者の就労の現在
第4章 定住、外国人労働者から移民へ
第5章 差別、反差別、移民支援
第6章 多文化共生の社会への条件
 1 少子高齢化と移民の受け入れ
 2 多文化共生の社会をめざす

 エピローグ


はじめに より

新型コロナウィルス ( COVID‑19 )の感染拡大の2年間(2020〜21年)は脇に置き、過去5年間をとってみると、日本への新規入国外国人(観光や商用等のための入国者は除く)は年平均で43万人を超えた。この数は〃先輩移民国〃であるイギリスのそれと肩を並べる。また在留外国人の数は、2019年現在、293万人となり、今日的なイミグレーション(人の受け入れ)政策の出発点となった1990年、その年の 在留外国人数の約3倍である。
次の四つほどの要因または背景は指摘したつもりである。

日本の産業構造と人口構造の変化の引起こした労働力不足 

/国際的経済環境の変化、特に南 (発展途上諸国 )と北 (先進諸国 )の経済格差の拡大 
/中小資本や第一次産業の労働者確保のための労働力導入政策の要請 
/補充人口の受け入れを必然化する少子高齢化と生産年齢人口( 1 5〜 6 4歳 )の減少、である。
ただ、ここに、欧米諸国ではあげられる南から北への庇護移動 (難民)の増加という要因があがってこないのはなぜか。これは問うべき点である。 
 では、こうして進んだ外国人労働者の受け入れは、フェアに行われたのだろうか。そこにさまざまな問題があったし、現にある。
この間、就労外国人の行動も変わった。出稼ぎ的な、短期稼働的な働き方、滞在の仕方をやめ、長期滞在または定住を志向する労働者が増える。それは本書で強調したい変化であり、「永住者」という在留資格を得る外国人が百数十万人に達している。「外国人労働者から定住移民へ」、これはヨーロッパで前世紀末までに起こっていたことだが、日本もそれを追っている。その「移民化」過程をどう理解するか、それは日本社会の変動を読み解くカギの一っと考える。



参照

2005 年の国連の推計では、ヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本など先進諸国での平均値としては、人口比においておよそ10%が移民である。しかし、日本の外国人登録者数は、全人口の2%に満たない。
日本は島国で、周りを海に囲まれているため難民などが陸伝いに来ることはない。そのため、移民に対する意識が低くなっている。


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優生学と人間社会 [移民・難民]

4061495119.jpg優生学と人間社会
著:米本 昌平 よねもと しょうへい 
著:橳島 次郎 ぬでしま じろう 
著:松原 洋子 まつばら ようこ 
著:市野川 容孝 いちのはら やすたか
講談社現代新書 番号 1511
発売日 2000年07月19日
ページ数 288ページ  ISBN 978-4-06-149511-1
人間の性質を規定するものとして遺伝的要因があることに着目し、その因果関係を利用したりそこに介入することによって、人間の性質・性能の劣化を防ごうとする、あるいは積極的にその質を改良しようとする学問的立場、社会的・政治的実践。ギリシャ語で「よいタネ」を意味する。19世紀後半から20世紀にかけて、全世界で大きな動きとなり、強制的な不妊手術や施設への隔離収容なども行われた。」

「ナチス政府が1930年代に開始した優生政策は、その規模、その暴力性において、膝史上、例を見ないものだった。しかしながら、優生学をヒトラーとナチスにだけ閉じ込めて理解するならば、歴史的事実の多くを逆に見落とす」という問題意識で、英・米、独、仏、日本での展開を叙述。
ナチスドイツ時代の精神病者安楽死計画の被害者への補償が、本格的に動き出したのは1980年代に入ってから
福祉国家形成と優性思想の結びつきについても論じられて、ずっと前から福祉国家のモデルとされていたスウェーデンなどで、断種法が施行されていたこと。医療・科学技術が進歩し、出生前診断など、生命の選択が自己決定権の名のもとに当事者が置き去りにされている。
現代社会は、遺伝子を扱う技術を発達させたことで、優生学や優生思想が理想としていたことを実現していくようになるのだろうか。この問いに答えを見いだすためには、過去の事実をよく知らなければならない。優生学、優生思想とは何だったのか。その歴史的実態とは、どんなものだったのか。それを明らかにすることが、本書の第一の狙いである」
目次
はじめに
第1章 イギリスからアメリカへ──優生学の起源
第2章 ドイツ──優生学はナチズムか?
第3章 北欧──福祉国家と優生学
第4章 フランス──家庭医の優生学
第5章 日本──戦後の優生保護法という名の断種法
終章 生命科学の世紀はどこへ向かうのか
おわり
「人間の性質を規定するものとして遺伝的要因があることに着目し、その因果関係を利用したりそこに介入することによって、人間の性質・性能の劣化を防ごうとする、あるいは積極的にその質を改良しようとする学問的立場、社会的・政治的実践。ギリシャ語で「よいタネ」を意味する。19世紀後半から20世紀にかけて、全世界で大きな動きとなり、強制的な不妊手術や施設への隔離収容なども行われた。」
  西洋世界ではキリスト教に代わる社会や人間の生のあり方の枠組み、目標を得ようとする渇望が、そんなものを人が求めてしまう部分があった。都市における貧困や犯罪等は、人類の退化とみられた。そうした人々は、彼らは生殖率が高いから、他の階層に比べてより多く増加させ、社会を退歩-退化に導くものと捉えられた。 断種法の制定や施設への隔離策等によって生殖を抑制し不良な人間を減らすことができ、「進歩」した人々の生殖の奨励により優秀な人間を増やそうとする、優生学の主張が考えられた。
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非正規介護職員ヨボヨボ日記ー2021年 [移民・難民]

71A0Le+sjgL.jpg非正規介護職員ヨボヨボ日記
当年60歳、排泄も入浴もお世話させていただきます
著者 真山 剛 /著  
出版者 三五館シンシャ
出版年 2021.5
ISBN 978-4-86680-917-5

新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館ほか  
NDC分類(9版) 369.17

まえがき——     ——想像をはるかに超えた 景色 
介護職は最後の手段、という人がいる。
どうしても仕事が見つからない場合、仕方なく就く職業という意味だ。

私は八ローワークの「その年だと介護の仕事しかありませんよ」との紹介で半年間、介護職員養成 (介護職員初任者研修 )スクールに通い、修了後 56歳で介護の世界に入った。クラスには 70歳の同級生もいて今でもつきあいがある。
それ以前は、デザイン事務所、建設コンサルタントの役員、環境商材の施工会社経営などさまざまな仕事をやってきた。居酒屋 2店舗のオーナーだったこともある。広告代理店で広告取りの営業もした。自作の絵画を売って生活していた時期もある。

つまり、多くの職歴や失敗を経て仕方なくこの仕事に就いたわけだ。恥ずかしながら私は、ひよんなことから 40代後半から小説の執筆を始め、まぐれで小さな文学賞もいただいた。その後も惰性で執筆を続けていたが、納得がいかず途中で投げ出した作品も多い。

 そんなとき、この「日記シリーズ」を知った。著者はみな、自分と同じ中高年の方ばかり。すぐに最初の 3作を入手し読んだ。

 行間からにじみ出る哀愁、生活感、そして人問のたくましさ、したたかさ。

 机上でアイデアをこねくり回し、リケだけを狙っていた自分の作品に欠けていたものがここにある、と思った。それは現実の体験に裏打ちされた「実感」。

 彼らに触発され、私も今の仕事の「実感」を表現したいと強く思った。

 私が養成スクールで取得した介護職員初任者研修という資格は厚生労働省認定の公的資格であり、以前のヘルパー 2級に相当する。

 この業界では、いちばん下つ端に属し、利用者のお世話係程度の仕事だ。キャリアもまだ 4年で、未熟な私が介護について述べるのは甚だおこがましいが、ただ底辺から見えてくる景色を私なりにお伝えしたいと思った。

 実際、介護の世界は想像をはるかに超えた、汚く危険で、きつい世界たった。これに「給料が安い」を追加して「介護職の 4 K」ともいわれている 。 

 排泄物の処理はもとより食事の介助、入浴や着替えなど身の回りの世話をする。

 被介護者の多くは、高齢で身体が不自由な方や認知症の方で、通常では想像できない予測不能な言動をする。戦死した夫の名前を体に刻んだ女性や、戦時中の防空壕(ごう)の様子を克明に語る女性。夜中、個室に謎の客が訪れるとシリアスに話す男性…など仕事中、施設利用者の人生の光や影に触れる。

ほとんどの職員がまじめで献身的に従事しているにもかかわうず、利用者に噛みつかれたり、泥棒呼ばわりされることもある。

 離職率も高い。女性が主体の職場であることから人間関係のもつれからくるストレスや、腰痛などの体調小良で職場を離れる人も多い。

 これだけ次々とマイナス面を掲げることのできる介護の仕事、それなのに私は今も介護ヘルパーを続けている。

 だからといって、この仕事に生きがいを感じ始めた、なんてことはまったくない。私もまもなく高齢者の仲間入りをする。これからの己の行く末を彼らから、良きにつけ悪しきにつけ学ばされている気がする。ここでの老人たちのありようは人生の縮図。多様な生きざまを見せっけられている。

 人手不足の業界だから中高年でもどうやら介護職なら就けそうだな、でもやっぱり腰が引けるな、などと考えたことのある人も多いだろう。「絶対無理」と一言で片づける人もいるに違いない。あるいは、すでに介護職に就いていて、物憂いを胸に忍ばせながら仕事に従事している人がお読みになるかもしれない。

 閉ざされた介護施設で、繰り返される悲喜こもごも。それに翻弄される日々。

 介護については、小説や映画、エツセイや漫画など数多の作品がある。今さら手垢のついた話かと思われるかもしれないが、本書はそれらとは少し趣を異にする。

 最後まで読んでいただければ、なぜ私がこの仕事を続けているのか、少なからずご理解いただけるのではないかと思う。

 本書に描かれたエピソードのどれか一つでも、読んでくださった方々の心に残せたなら、さらに介護現場の実態やそこで働く者の現状をご理解いただけたならば、それだけで幸いである。


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黄禍論 -百年の系譜--2020年刊 [移民・難民]

4065209218.jpg黄禍論   百年の系譜
著者 廣部 泉 //ひろべ いずみ  
出版者 講談社
講談社選書メチエ  734
ページ数 237p
大きさ 19cm
出版年 2020.9
ISBN 978-4-06-520921-9
県立図書館収蔵 NDC分類(9版) 316.853
内容紹介
日本と中国が同盟し、西洋が征服される-。日露戦争を契機に生まれ、アメリカの根底に刻まれた強迫観念。政治・外交に影を落とし続ける「人種主義的思考」とは何か。100年以上にわたる「黄色い禍」という言説の系譜を辿る。
アメリカが取り憑かれ続けてきた強迫観念―「アジア人が攻めてくる!」
中国が日本と結び、西洋世界へと牙を剥く。驚異的な人口のパワーに、欧米は飲み込まれてしまう……
こうした「黄色い禍」という強迫的観念は、日露戦争で日本がロシアに勝利したことをきっかけに生まれた。
そしてこの「人種主義的思考」は、西海岸に多くの日系移民が押し寄せたアメリカにおいてはとりわけ強く刻まれ、形を変えながら現在に至るまで、社会・政治のなかに脈々と息づき続けている。
「我々は白人種と交わることのない人々から同質な人々を作り出すことはできない」
―ウィルソン(第28代米大統領・国際連盟提唱者)が署名したアジア人移民排斥を訴える文書
「黒人はアフリカに、黄色人はアジアに、そして白人はヨーロッパとアメリカにいるべきだと強く思うんだ」
―トルーマン(第33代米大統領)が妻に送ったラブレター
コロナ禍によって黄禍論的思考はいまだ欧米社会に根を張っていることが明らかとなり、アメリカでは人種をめぐる対立がいまもってなお深刻であることが露となったいま、トランプ大統領を生み出したアメリカ社会に100年以上根づく「人種主義的思考」の歴史をひもとかなければならない。
国際連盟設立時における人種差別撤廃案の廃案、対日戦争計画策定、日系移民排斥、そして戦後の日米貿易摩擦…政治・外交に影を落とし続ける「人種主義的思考」とは何か。百年以上にわたる「黄色い禍」という言説の系譜を辿る。
目次
第1章 東洋人の群れ―「日中同盟」の悪夢
第2章 幻の「人種平等」―国際連盟設立と人種差別撤廃案、そして「排日移民法」
第3章 汎アジア主義の興隆と破綻
第4章 戦争と人種主義
第5章 消えない恐怖―冷戦下の日米関係
第6章 よみがえる黄禍論
著者紹介
廣部 泉(広部 泉、ひろべ いずみ)
1965年生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了。Ph.D.(歴史学)。明治大学政治経済学部教授。著書に「グルー」「人種戦争という寓話」など。


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黄禍論と日本人 欧米は何を嘲笑し、恐れたのかー2010年刊 [移民・難民]


4121022106.jpg黄禍論と日本人  欧米は何を嘲笑し、恐れたのか
著者  飯倉 章 /(いいくら あきら)
出版者 中央公論新社
中公新書 番号 2210
  出版年 2013.3
ページ数 3,260p
ISBN 978-4-12-102210-3
新潟市立図書館収蔵  中央ホンポート館  NDC分類(9版) 316.8
内容紹介
黄禍論は、白色人種社会が黄色人種への蔑視に基づく政治・外交を当然と考えていた時代の産物である。帝国主義の時代に盛んに描かれた諷刺画をもとに、当時の国際社会における日本の虚像と実像を描き出す
目次
序章 諷刺画の発展と人種主義
第1章 諷刺画のなかの日清戦争―日本が世界へ登場
第2章 黄禍の誕生―三国干渉とドイツ皇帝
第3章 「黄禍の図」のパロディと国際関係
第4章 疑似人種戦争―義和団事変
第5章 異人種間の同盟成る―日英同盟
第6章 黄色人種と白人の戦い―日露戦争
第7章 移民紛争から戦争論へ―太平洋を挟んだライバル
第8章 甦る黄禍のイメージ―第一次世界大戦
第9章 人種平等への萌し―パリ講和会議以後
著者
飯倉 章. (いいくら あきら)1956年生まれ  城西国際大学国際人文学部教授。著書に『イエロー・ペリルの神話―帝国日本と「黄禍」の逆説』(彩流社、2004年)、『日露戦争諷刺画大全(上・下)』(芙蓉書房出版、2010年)、『黄禍論と日本人―欧米は何を嘲笑し、恐れたのか』(中央公論新社、2013年[中公新書])、『第一次世界大戦史―諷刺画とともに見る指導者たち』(中央公論新社、2016年[中公新書])、『1918年最強ドイツ軍はなぜ敗れたのか―ドイツ・システムの強さと脆さ』(文藝春秋、2017年[文春新書])など。訳書に『アメリカは忘れない―記憶のなかのパールハーバー』(法政大学出版局、2007年)など。小説に「勇士の面目」『三田文學』第99巻第142号(2020年夏季号)など。

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人種戦争という寓話ー黄禍論とアジア主義ー2017年刊 [移民・難民]


858-2.jpg人種戦争という寓話 
黄禍論とアジア主義
著者  廣部 泉 /ひろべ いずみ  
出版年 2017.1
出版者 名古屋大学出版会
大きさ 22cm  ページ数 4,241,47p
SBN 978-4-8158-0858-7
県立図書館収蔵   NDC分類(9版) 316.8
内容紹介
欧州発のアジア連合脅威論は、西海岸に押し寄せる移民への視線と結びつき、アメリカを「黄禍」の不安に陥れた。ジャーナリズムを介して増幅していく人種主義的言説は、鏡像たるアジア主義と作用し合い、日米関係にいかなる影響を及ぼしたのか。丹念な資料調査により描き出した力作。
欧米に広く見られた黄禍論的言説と、広い意味でのアジア主義は、相互に作用し合いながら、どのように日米関係に影響を与えてきたのか。1890年代半ばからアジア太平洋戦争終結に至る半世紀の歴史を検討する。
書評
戦前・戦中アメリカ国内で黄禍論がどのように湧き上がったか、又、日本がアジア主義を唱えた事で、黄禍論がどのように極大化したかを、メディア等の記述から分析しアメリカの政策決定に与えた影響を探る。
黄禍論とアジア主義というコインの裏表。日中戦争期に入っても、欧米が日中の提携という「黄禍」を警戒していたという点は面白い。「半アジア」のソ連なども含め、「人種」問題は黒人やユダヤ人だけではない。タブー化せずに研究を深める必要がある。
黄禍論とアジア主義は表裏一体の思想。前者に触発された後者が生まれ、またそれが前者を増幅させていくというグローバルな思想史の一端が描かれている。その意義は個別の思想体系や国別の思想史では漏れてしまいがちな思想の往来を捉えたところにある
著者紹介
廣部 泉(広部 泉、ひろべ いずみ)
1965年福井県生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了。明治大学政治経済学部教授。Ph.D.(歴史学、ハーバード大学)。著書に「グルー」など。
目 次
序 章
第1章 日清戦争と日露戦争  —— 日本脅威論の形成
     はじめに
     ピアソンの予測
     ヴィルヘルム2世とトゥル将軍
     近衛篤麿の同人種同盟論
     日露戦争前夜
     日露戦争
     日本側の困惑
     続く黄禍論
     西海岸への移民が刺激した想像力
     止まない日本脅威論
     相互作用
     おわりに
第2章 第一次世界大戦とパリ講和会議—— 人種平等条項の挫折
     はじめに
     第一次世界大戦と日本の対中要求
     西原借款
     アジア主義関連出版物の反響
     第一次世界大戦の終結
    「英米本位の平和主義を排す」
     パリ講和会議での人種差別撤廃要求
     世界各地の反応
     日本のアジア主義の海外進出と米英の警戒
     アメリカにおける人種主義の展開
     バクーでの東洋諸民族大会
     ゆれるイギリス側の評価
     ワシントン海軍軍縮会議
     おわりに
第3章 排日移民法と全亜細亜民族会議 —— 黄禍論とアジア主義の鏡像関係
     はじめに
     排日移民法案通過
     孫文の大アジア主義演説
     移民法とアジア主義に対する異なった見方
     全亜細亜協会
     汎ヨーロッパ主義
     太平洋問題調査会
     もう1つの汎アジア主義
     第2回全亜細亜民族会議
     状況の改善と鬱積する不満
     おわりに
第4章 満洲事変から盧溝橋事件前夜まで—— 盛り上がるアジア主義運動
     はじめに
     満洲事変の勃発
     汎アジア主義的発言相次ぐ
     大亜細亜協会の起源
     連盟脱退と大亜細亜協会の設立
     中国の懸念
     広東や新京での動き
     専門家たちの見解
     アジア民族青年代表大会
     オランダが抱いた恐怖
     第3回全亜細亜民族会議
     世界の反応
     天羽声明
     日本の領土的野心と西洋の威信
     継続するオランダの懸念
     英国外務省筋からの警告
     中国人の懸念とアメリカ人の反応
     アジア主義の沈静化
     限られた悲観論
     おわりに
第5章 日中戦争という矛盾—— 日本の対外政策へのアジア主義の侵入
     はじめに
     日中共栄の後退とアジア・モンロー主義の現実化
     続く植民地主義批判
     田中上奏文の亡霊
     天津租界封鎖と反英運動の昂揚
     被害者としての認識
     蘭印への野心
    『我が闘争』
    「日満支」三国の提携とアジア主義の完成
     南部仏印進駐から真珠湾攻撃へ
     おわりに
第6章 真珠湾攻撃の衝撃—— 米国の戦争政策への人種主義の関与
     はじめに
     欧米人の驚き
     日系人強制収容
     白人の威信
    「アジアの守護者」
     英国の中国軽視とアメリカ
     白人の懸念
     中国寝返りの懸念
     戦後構想と東西文明対立的発想
     英国の無関心と米国の苛立ち
     排華移民法修正
     大東亜会議とカイロ会談
     戦後の中国に対する懸念
     大東亜各国大使会議
     おわりに
終 章
 あとがき

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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日本型排外主義ー在特会・外国人参政権・東アジア地政学ー2014年刊 [移民・難民]

763.jpg日本型排外主義 
在特会・外国人参政権・東アジア地政学
著者 樋口直人 /(ひぐち なおと)  
出版年 2014.2
出版者 名古屋大学出版会
大きさ 22cm  ページ数 5,256,42p
ISBN 978-4-8158-0763-4
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 NDC分類(9版) 316.81
内容紹介 日本型の排外主義運動はいかにして発生し、なぜ在日コリアンを標的とするのか? 「不満」や「不安」による説明を超えて、謎の多い実態に社会学からのアプロ-チで迫る。
著者紹介
樋口 直人(ひぐち なおと)
1969年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退(1999年)。2020年から、早稲田大学人間科学部教授
著 書:
『社会運動の社会学』(共編著、有斐閣、2004年)
『社会運動という公共空間――理論と方法のフロンティア』(共編著、成文堂、2004年)
『顔の見えない定住化――日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク』(共著、名古屋大学出版会、2005年)
『国境を越える――滞日ムスリム移民の社会学』(共著、青弓社、2007年)
『再帰的近代の政治社会学――吉野川可動堰問題と民主主義の実験』(共編著、ミネルヴァ書房、2008年)
『日本のエスニック・ビジネス』(編著、世界思想社、2012年)


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日系アメリカ移民二つの帝国のはざまでー2014年刊 [移民・難民]

81WAbjm+pfL.jpg日系アメリカ移民二つの帝国のはざまで 

副書名 忘れられた記憶1868-1945

著者名1 東 栄一郎 /著  

著者名2 飯野 正子 /監訳  

著者名3 長谷川 寿美 /[ほか]訳  

出版者 明石書店

出版年 2014.6

ページ数 496p

大きさ 20cm

ISBN 978-4-7503-4028-9

原書名 原タイトル:Between two empires

長岡市立図書館収蔵本 NDC分類(9版) 334.453


内容紹介 アメリカの日系人コミュニティにおける力関係やアイデンティティの認識、日本政府に対する姿勢などを丁寧に分析し、日本とアメリカのはざまに第三の空間と物事の意味を作ろうとした日系アメリカ移民の「苦闘」を伝える。

著者紹介1 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で修士号(アジア系アメリカ人研究)と博士号(歴史学)取得。ペンシルベニア大学歴史学部准教授。同大学アジア系アメリカ人研究プログラム所長。


アメリカへ渡った日本人移民・日系アメリカ人たちの新たな土地での歩みは、二つの国家のはざまで揺れ動いた複雑さに満ちたものだった。

彼・彼女らの人種意識の形成、ナショナリズム、そして「歴史」について日米双方の膨大な資料をひもとくことにより精緻な歴史分析を行い、従来語られてこなかった真の歩みを浮かび上がらせる。


トランスナショナルな視点を持ち込むことにより、出移民研究と地域研究の垣根を越え、新たなパラダイムを提示した画期的歴史書。



2005年度アメリカ学会清水博賞受賞作Between Two Empires: Race, History, and Transnationalism in Japanese America (Oxford University Press, 2005)待望の日本版刊行。



原著受賞一覧

アメリカ学会:清水博賞(2005年度)

アメリカ歴史家協会(OAH):Honorable Mention in the Frederick Jackson Turner Award(2006年)

移民エスニック史研究学会(IEHS):Theodore Saloutos Book Award(2005年)

アジア系アメリカ研究学会(AAAS):History Book Award(2007年)



目 次〈抄〉

日本語版刊行にあたって

序 章 二つの帝国に挟まれた日本人移民のトランスナショナリズム

○第一部 日系人社会の複合的起源

第一章 商業移民、植民者、そして労働者――初期日系アメリカ社会の不均質な起源

○第二部 コミュニティの形成と分岐

第二章 移民集団の再形成――道徳的な市民性のトランスナショナルな構築

第三章 「在米同胞」――人種排斥とアメリカの「マイノリティ」の誕生

○第三部 先駆者と後継者

第四章 「民族発展の先駆者」――歴史の創造と人種的アイデンティティ

第五章 世代をめぐる問題――将来に向けた二世の教育

第六章 移民の国際主義の報い――祖先の国の二世

○第四部 移民ナショナリズムの複雑さ

第七章 日本を助けることは自らを助けること――一世の愛国心の意味

第八章 エスニック・ナショナリズムと人種をめぐる闘争――カリフォルニア州デルタ地域におけるエスニック集団間の関係

終 章 戦時の人種主義、国家主義、そして移民トランスナショナリズムの崩壊


著者について

東 栄一郎(あずま えいいちろう/ Eiichiro Azuma)

ペンシルベニア大学歴史学部准教授。同大学アジア系アメリカ人研究プログラム所長。国際基督教大学卒業後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で修士号(アジア系アメリカ人研究)と博士号(歴史学)を取得。全米日系人博物館学芸員および調査員を経て2001年より現職。2005年に刊行された本書英語版は、日本のアメリカ学会清水博賞を受賞。また、米国においてもアメリカ歴史家協会(OAH)をはじめ数々の学会・協会から表彰を受けた。多くの学術論文に加え、スタンフォード大学歴史学教授ゴードン・チャンとの共編、Yuji Ichioka, Before Internment: Essays in Prewar Japanese American History, Stanford University Press, 2006.(ユウジ・イチオカ『抑留まで―戦間期の在米日系人』関元訳、彩流社、2013年)を発表している。

監訳

飯野 正子(いいの まさこ)、1944年<昭和19年>生まれ- 

津田塾大学名誉教授。津田塾大学前学長。津田塾大学教授、マギル大学客員助教授、アカディア大学客員教授、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、ブリンマー大学招聘教授などを歴任。主な編著書に『日系カナダ人の歴史』(東京大学出版会、1997年、カナダ首相出版賞受賞)など


長谷川寿美(ハセガワひさみ) 1957年生まれ-

東海大学外国語教育センター非常勤講師。フェリス女学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了。津田塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得満期退学


小澤智子(オザワともこ)1977年生まれ

武蔵野美術大学言語文化研究室准教授。津田塾大学大学院文学研究科修士課程修了。同大学院文学研究科後期博士課程修了。文学博士


飯野朋美(イイノともみ)

津田塾大学ライティングセンター特任助教。津田塾大学大学院文学研究科修士課程修了。同大学院後期博士課程単位取得満期退学


北脇実千代 (キタワキみちよ)

日本大学生物資源科学部准教授。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士前期課程修了。ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院アメリカ研究科修士課程修了。津田塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得満期退学。

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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帝国のフロンティアをもとめてー2022年刊 [移民・難民]

1092-2.jpg帝国のフロンティアをもとめて
日本人の環太平洋移動と入植者植民地主義
東 栄一郎 著  飯島真里子・今野裕子・佐原彩子・佃 陽子 訳
名古屋大学出版会
(2022/06/10発売)
ISBN 978-4815810924


環太平洋の各地へと展開した日本人移植民の知られざる相互関係を、入植者植民地主義セトラー・コロニアリズムの概念を用いて一貫して把握。移民排斥を受けた日系アメリカ人によって帝国内外へ移転された人流、知識、技術、イデオロギーの衝撃を初めて捉え、見過ごされたグローバルな帝国の連鎖を浮かび上がらせる。アメリカ歴史学会ジョン・K・フェアバンク賞受賞

著者

東 栄一郎(Eiichiro Azuma)

1966年東京都に生まれる。現在、ペンシルベニア大学歴史学部教授。著書に『日系アメリカ移民 二つの帝国のはざまで』(飯野正子監訳、明石書店、2014年、原書は2005年、アメリカ学会清水博賞、アメリカ移民・エスニック史学会セオドル・サロートス賞、アジア系アメリカ人研究学会歴史賞受賞)。

(所属等は本邦訳刊行時のものです)



目 次

序 章 日本帝国の入植者植民地主義と環太平洋移動

     帝国により分割された太平洋

     間帝国の視点からみた入植者植民地主義

     アメリカのフロンティア神話と人種的排斥

     日本型入植者植民地主義の多様性と歴史的変遷


  第Ⅰ部 太平洋地域進出の展望 1884-1907年


第1章 日本型入植者植民地主義の起源とアメリカ

     福澤諭吉と入植者植民地主義

     膨張主義者ネットワーク

     白人至上主義と日本人フロンティアの喪失


第2章 太平洋を横断する膨張民族の先駆者たち

     在米日本人膨張主義者と日本殖民協会

     開拓者の北東アジア・南洋への移動

     人種差別のない新天地と同化主義

     アメリカから中国の新天地へ

     移民会社と大規模移民送出の事業化


  第Ⅱ部 海外発展の最盛期 1908-28年


第3章 入植者植民地主義における官民の融合

      —— 太平洋にひろがるフロンティア

     小村ドクトリンと植民地政策

     朝鮮とブラジルの新天地開拓における官民のつながり

     米墨国境地域における植民資本とアメリカ日系社会


第4章 アメリカの移民排斥とブラジル新天地への再移民

     官民入植者植民地主義の統合

     政府による国民意識の形成

     アメリカ移民法と増大する日本政府の役割

     ブラジルへの入植者植民地主義とアメリカ日系社会


  第Ⅲ部 日本帝国の入植者植民地主義の先兵 1924-45年


第5章 カリフォルニアから満洲へ

      —— アメリカ人種主義とフロンティア

     人種主義とカリフォルニア

     千葉豊治 —— アメリカ式「機械農業」の輸入

     粟屋万衛 —— 満洲における大陸農業の先駆者

     佐藤信元 —— 植民地政府による「機械農場」の建設

     北米からの再移民と満洲国の植民地政策

     渡邊金三 —— 大規模干拓事業の立案者


第6章 ハワイ日系社会と熱帯植民地の結びつき

      —— 日本帝国統治下の台湾・南洋への再移民

     台湾と南洋群島への再移民

     日本の熱帯地域における植民地投資家とコーヒー栽培者

     ハワイ日本人移民と台湾におけるパイナップル産業

     岡崎仁平 —— 台湾パイナップル産業のハワイ化

     ハワイ化の負の遺産


  第Ⅳ部 正史と未来の創造 1932-45年


第7章 アメリカ日系一世と日本帝国の膨張論

     一世の歴史創造

     日本帝国における国家言説の創造

     おけい —— 農業移民と満洲植民の交錯

     1940年海外同胞東京大会


第8章 日本民族の血とその宿命

     第二世教育と海外出生同胞の日本化

     直接的国家事業としての第二世教育

     海外出生日本人の皇民化の軍国主義的試み


エピローグ 日本型入植者植民地主義のゆくえ


 日本語版へのあとがき

 訳者解説

 注

 索 引


関連書




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ルポ 技能実習生;;東京を捨てる コロナ移住のリアルー澤田晃宏 [移民・難民]

澤田晃宏さん Twitter


[サワダあきひろ]

1981年兵庫県神戸市生まれ。ジャーナリスト。NPO法人日比交流支援機構理事。高校中退後、建設現場作業員、男性向けアダルト誌編集者、「週刊SPA!」(扶桑社)編集者、「AERA」(朝日新聞出版)記者などを経てフリー。外国人労働者を中心に取材、執筆活動を続ける。「月刊高校教育」(学事出版)で「ルポ外国につながる子どもたち」を連載中。


田舎暮らし設計



m46084952733_1.jpgルポ 技能実習生 

なぜ日本を目指すのか

送り出しビジネスの裏側から、

彼らの故郷、家族、そして夢まで

(ちくま新書、1496)

ISBN 978-4-480-07307-5

新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート S/366.8/サワ/


中国にかわり技能実習生の最大の供給国となったベトナム。「労働力輸出」を掲げる政府の後押しもあり、日本を目指す農村部の若者たち。多額の借金を背負ってまで来日した彼らの夢は「300万円貯金する」こと。故郷に錦を飾る者もいれば、悪徳ブローカーの餌食となる者もいる。劣悪な企業から逃げ出す失踪者は後を絶たない。日越の関係機関、実習生、支援団体を取材し、単純労働者の受け入れ先進国・韓国にも飛んだ。国際的な労働力移動の舞台裏を全部書く。


序 章 ベトナム人技能実習生になりたい

第一章 なぜ、借金をしてまで日本を目指すのか

第二章 なぜ、派遣費用に一〇〇万円もかかるのか

第三章 なぜ、失踪せざるを得ない状況が生まれるのか

第四章 なぜ、特定技能外国人の受け入れが進まないのか

第五章 ルポ韓国・雇用許可制を歩く


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61M1fPfreVL.jpg東京を捨てる コロナ移住のリアル (中公新書ラクレ、726) 

ISBN 978-4-12-150726-6

新潟市立図書館収蔵 亀田館  /365/サ/


●第一章 満員電車にさようなら

過疎地の定住促進住宅が満室に/政府の移住支援金100万円をあてに/条件は「新幹線が停まる場所」/23区の若者の約4割が地方移住に関心

●第二章 コロナで人はどこに動くのか

移住希望者の窓口「ふるさと回帰支援センター」/移住相談者の7割は40代以下/コロナ下の移住相談増加トップは茨城県/パソナ本社移転報道で注目の淡路島/リモートワーク移住でも100万円

●第三章 コロナ移住 人気自治体を歩く

移住者集める過疎の町「みなかみ」/役場の移住担当者が町をアテンド/岡山県の小さな町に続々と関東圏の移住者が/地震と放射線リスクが低い町/移住のきっかけは東日本大震災

●第四章 「地域おこし協力隊」という移住法

40歳になりますけど間に合いますか/約6割の隊員が退任後に定住/年間報酬は上限280万円に/退任後の起業・事業継承に100万円の補助

●第五章 半農半エックスのリアル

農業所得の平均値は109万円/400万円の所得確保を目指し支援/半農半Xの先駆け島根県/国から年間150万円の交付金/半農半蔵人で生計を立てる

●第六章 都会人が知らない田舎暮らしのトリセツ

1 住居  

空き家バンクとは何か/空き家の改修に1000万円以上/下水道普及率が5割以下の県も

2 生活費  

プロパンガスは都市ガスの1・8倍/同じ県内でも5倍以上違う水道代/中古車は予算30万円で十分

3 生活インフラ  

4分の1の市町村に高校はない/リモートワークなら実測30Mbps 以上を

●終章 第三の日本


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