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絵画記録 パレスチナの子どもたち----1988年日本パレスチナ医療協会 追加 2014 ガザ南部ハンユニスの児童館 [ユーラシア・近東]

絵画記録 パレスチナの子どもたち  著者 日本パレスチナ医療協会 /編  
出版者 ほるぷ出版  出版年 1988.8  大きさ 26cm
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新潟市立図書館収蔵 /369/パ/  ISBN   4-593-53336-8
目次
たたかい
脱出:さくの中で
キャンプ
私たちの町・村
解説
年表
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内容説明


  一九八七年の一二月ごろから、イスラエルに占領されているヨルダン川西岸とガザ地区で、パレスチナの民衆が投石などで一斉に蜂起する「インティファーダ」が発展した。そのさなかに、パレスチナから三人の子どもが仲間たちと描いた一七一点の絵を携えて来日した。各地のユネスコ協会がそれらの作品の展示会を開催するなかで大きな反響を呼び、一冊の画集「パレスチナの子どもたち」(日本パレスチナ医療協会・編、ほるぷ出版)に結実した。
 画集は、子どもたちの作品約五〇点を「たたかい」「脱出」「さくの中で」「キャンプ」「わたしたちの町・村」のジャンルに分けて紹介している。子どもたちの絵から、当時のパレスチナのたたかいに子どもたちも参加していた様子やその思いが伝わってくる。
 友だちが殺されたり、鎖につながれた様子を描いた作品は、イスラエル軍が反抗するものには子どもであっても、容赦なく攻撃していたことへの純真な告発でもある。
子どもたちは、父母からイスラエルの武力による土地とりあげによって手押し車やロバに荷物を積み子どもを抱いて脱出し山河や砂漠を渡り避難してきた苦難の道のりについて、また自分たちの村の誇るべき豊かな自然やお祭りや結婚式などについて、聞いて育った。そのイメージを想像力豊かに表現している。
 それらの絵には、自分たちの土地をとり戻して平和が実現することを固く信じ、安心して遊べる社会を夢みる子どもたちの心底からの感情がにじみ出ている。有刺鉄線の柵で囲われイスラエル兵の監視のもとでの難民キャンプの光景を描いた作品との対比が印象的である。
 今、これらの絵を描いた子どもたちが親となり、その子どもたちとともに無慈悲な殺害の標的にさらされている。壁の中で生まれ育った子どもたちが、壁の中で殺害される状況をこれ以上許してはならない。三五年前の子どもたちが絵に託した心情は、幾重にも力強さを増して今に蘇ってくる.
#ガザに即時停戦を。
イスラエルの空爆が続くガザ南部ハンユニスの児童館で、2014年のガザ攻撃の後で子供たちが描いた戦争の絵を共有します。児童館で子供たちの戦争トラウマへの対処として絵を描かせていました。その年の死者は50日間で2200人。今回2023年は75日で2万人を超える惨状。子供たちのことを考えるといたたまれません。
子供たちの絵には平和な絵もあります。いまの状況を見ると、子供たちが描いた平和の絵を見るのもつらい。
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クレプトクラシー 資金洗浄の巨大な闇:--2022 [経済]

クレプトクラシー 資金洗浄の巨大な闇: 世界最大のマネーロンダリング天国アメリカ 


ケイシー・ミシェル (著), 秋山 勝 (翻訳)


出版社 ‏ : ‎ 草思社 (2022/8/31)

発売日 ‏ : ‎ 2022/8/31

単行本 ‏ : ‎ 488ページ

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4794225986

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烏賀陽弘道

権力の座にある人間が公有財産を私物化して、私腹を肥やす政治体制のことを「クレプトクラシー」(泥棒国家)と言います。旧ソ連や腐敗した独裁国に使われる言葉ですが、昨今の安倍・二階派の様子を見るにつけ、日本もクレプトクラシーだったのだと得心します。


自国の国庫や国民から盗んだ金であり、税収の収奪や賄賂などで得た違法の金である。

彼らはその金を「洗浄」して合法的な資産に変えようとするが、

その最強の受け入れ拠点はなんとアメリカだった。その額は毎年数十億ドル。

アメリカはなぜ、いかにして世界最大のマネーロンダリング天国となったか。

その仕組みが構築されてきた過程を詳細に分析し、

現代世界の奥底を流れるものの巨大な闇を暴く衝撃の書!




目次

第1部 定住強盗

(唯一の奇跡;アメリカ人のようにやってみませんか;すべてをコントロールして、何ひとつ所有しない;首まで浸かる;納税者に対する侮辱)

第2部 富裕な有名人のライフスタイル

(シャベルでキャビアをすくう;メンサが認めた天才;鯉の医者;アメリカ合衆国VS「スリラー」のジャケット)

第3部 アメリカで暗躍する者たち

(優良投資家;西部開拓時代にも法律はあった;ぽっかり空いた穴;呪われた工場)

第4部 匿名の合衆国

(新興財閥はただの隠れ蓑;骨の髄まで腐っている;解禁;アメリカン・クレプトクラシー)


著者について
ケイシー・ミシェル(Casey Michel)
ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人ジャーナリスト。ライス大学を経て、コロンビア大学でロシア・東欧・ユーラシアに関する研究で修士号を取得。マネーロンダリングをはじめオフショア口座、ペーパーカンパニー、国外からの政治介入を関する調査報道を行い、『ワシントン・ポスト』『フォーリン・アフェアーズ』『アトランティック』などの主要メディアに寄稿している。ワシントンの非営利シンクタンクであるハドソン研究所のクレプトクラシー・イニシアティブの諮問委員会のメンバーでもある。
秋山 勝(あきやま・まさる)
立教大学卒。日本文藝家協会会員。出版社勤務を経て翻訳の仕事に。訳書に、マイク・アイザック『ウーバー戦記』、サイラグル・サウトバイ『重要証人』、パンカジ・ミシュラ『怒りの時代』、リチャード・ローズ『エネルギー400年史』、ジャレド・ダイアモンド『若い読者のための第三のチンパンジー』、ジェイミー・バートレット『操られる民主主義』(以上、草思社)、ティム・ウー『巨大企業の呪い』、ジェニファー・ウェルシュ『歴史の逆襲』(以上、 朝日新聞出版)など。

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ブッダという男 ――初期仏典を読みとく  清水 俊史 [隣の異教]

ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書 1763)  – 2023/12/7

(著) 清水 俊史 シミズ トシフミ

万人の平等を唱えた平和主義者ブッダは、人々の期待が生んだ神話に過ぎない――誤謬と偏見を排し、その実像に迫る!

 ブッダは本当に差別を否定し、万人の平等を唱えた平和論者だったのか? 近代の仏教研究は仏典から神話的装飾を取り除くことで、ブッダを平和主義者で、階級差別や男女差別を批判し、業や輪廻を否定した先駆的人物として描き出してきた。だがそれは近代的価値観を当てはめ、本来の内容を曲解したものにすぎない。では、ブッダの真の偉大さは一体どこにあるのか。これまでの理解を批判的に検証し、初期仏典を丹念に読みとくことでその先駆性を導き出す革新的ブッダ論。

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はじめに
 今日、全世界に五億人の信者を擁するといわれる仏教。この宗教は、ブッダと呼ばれるただ一人の男を出発点としている。そもそもブッダという男は何者であり、何を悟り、何を語っだのであろうか。本書の目的はこれを明らかにすることである。
 その考察資科となるのは、言うまでもなく仏典である。だが仏典には、「ブッダが瞬間移動した」なとというような、さまさまな神話的記述が存在する。こうした描写はかつては字義通りに受け入れられていたが、近代に入り実証主義的な科学的知識や物の見方が浸透するにつれて、歴史的事実として信じることが次第に困難になっていった。ここにおいて、仏典から歴史を抽出して、かつてこの地上を歩んだブッダの真の姿を明らかにするという新たな課題が浮上する。瞬間移動や空中浮遊などの超常現象が実際に起こったとは信じがたい以上、そのような装飾の背後に見え隠れしている歴史的事実としてのブッダを知りたいと願うのは当然のことだろう。これか仏典の記述を批判的に検討する学問としての仏教学の登場である。以後、およそ一五〇年もの長きにわたり、あまたの学者たちがブッダという男の探究に心血を注ぎ、数えきれないほどの専門書や一般書か刊行されてきた、まさにブッダ研究は、仏教学におけるもっとも重要な主戦場であった。
 だが、この試みは、中村元ナカムラハジメ が仏典から神話的装飾を取り除くことで描き出した”人間ブッダ”を一つの到達点とした後、方向性を見失いつつあるようにみえる。現在も、毎年のように十人十色のブッダ像が仏教学者たちによって提示されているが、それらが総合されて新しい研究の潮流が生み出されることもなければ、次の研究の基盤になることもない。そのような停滞期を迎えている。学者たちの多くが、ブッダを研究することにもはや手詰まりを感じていると言えるだろう。
 
 筆者は、・・ブッダの歴史性を明らかにしようとする際に、最大の障害は、我々の内側にある「ブッダの教えは現代においても有意義であってぽしい」という抗いかたい衝動である。
結果として彼が二五〇〇年前に生きたインド人であったという事実を疎かにして、現代を生きる理想的人格として復元してしまうという過ちを犯してしまっている。
  これを受け、本書の第一部では、これまでの仏教学者が語る「歴史のブッダ」は、現代に創作された”神話”にすきなかったとを明らかにする。
 続く第二部では、現代の専門書や一船書においてカ説される「ブッダは戦争や暴力を否定する平和論者」とか「ブッダは男女差別を否定するジェンダー平等を説いた」などの言説を再検討し、初期仏典から読み出されるブッダの実像を再構築する。
  そして第三部では、ブッダの教えがそれまでのインドをどのように否定したのかという観点から、ブッダの先駆性を歴史のなかに位置づける。
清水 俊史(しみず・としふみ):2013年、佛教大学大学院博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員PD、佛教大学総合研究所特別研究員などをつとめる。
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【目次】
はじめに
第一部ブッダを知る方法
第1章 ブッダとは何者だったのか
「歴史のブッダ」を問い直す
/「神話のブッダ」を問い直す
/これからの「ブッダ」を問い直す
第2章 初期仏典をどう読むか
 初期仏典とは何か
/批判的に読むということ
/先入観なく読むということ
/傲慢なブッダ、謙遜するブッダ
/韻文優先説と人間ブッダ
第二部 ブッダを疑う
第3章 ブッダは平和主義者だったのか
 「善なる殺人」は肯定されるのか
/暴力や戦争はどのように否定されるのか
/征服を助言するブッダ
/ブッダの生命観
/殺人鬼アングリマーラ
/父殺しの王アジャータサットゥ
/解釈としての平和主義
第4章 ブッダは業と輪廻を否定したのか
 神話を事実である「かのやうに」捉える
/無我と縁起
/無記と輪廻
/中道と輪廻
/ブッダの輪廻観
第5章 ブッダは階級差別を否定したのか
 ブッダの近代性・合理性
/平等を説く資料と、差別を容認する資料
/沙門宗教という文脈
/聖と俗の平等
/理想と現実
/アンベードカルの社会改革
第6章 ブッダは男女平等を主張したのか
 仏教と女性差別
/女性を蔑視するブッダ
/女性の〝本性〞
/平等の限界と現実
/ブッダの男女観
第7章 ブッダという男をどう見るか
 現代人ブッダ論
/イエス研究との奇妙な類似点
/「歴史のブッダ」と「神話のブッダ」
第三部 ブッダの先駆性
第8章 仏教誕生の思想背景
 生天と解脱
/バラモン教と沙門宗教
/沙門宗教としての仏教
第9章 六師外道とブッダ
 道徳否定論
/唯物論
/要素論
/決定論
/宿作因論と苦行論
/懐疑論/沙門ブッダの特徴
第10章 ブッダの宇宙
 梵天と解脱
/生天と祭祀
/瞑想と悟り
/現象世界と解脱
第11章 無我の発見
 個体存在の分析
/バラモン教や唯物論者との違い
/ブッダは「真の自己」を認めたのか
/経験的自己と超越的自己
/なぜブッダは自己原理の有無に沈黙したのか
/ブッダの無我説
第12章 縁起の発見
 縁起の順観と逆観
/煩悩・業・苦
/ジャイナ教の縁起説
/ブッダの縁起説
終章 ブッダという男
参考文献/あとがき
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