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ウンコの教室 ─環境と社会の未来を考えるー2022年刊 [農から見つめる]

FalBb.jpgウンコの教室 ─環境と社会の未来を考える
湯澤 規子 著
出版社 筑摩書房  :ちくまプリマー新書:409
刊行日: 2022/08/04ページ数:224
ISBN:978-4-480-68434-9
学校のトイレに行けない問題からSDGsまで、ウンコから考える未来。衣食住に「便」を入れると見えるものとは。文理、歴史の壁を越えた探究の旅に出かけよう。

目次

はじめに
衣食住に「便」を足す /清濁入り混じる世界の魅力/ Lifeの研究  混沌の面白さ
 Ⅰ ウンコと未来
第一章 ウンコから世界を知ることはできる ?
「野外排泄をゼロに」という目標 /縁の下の力持ち /未来を考える視点 /ウンコは何者か? /自分から他者へ /学校の教科書にウンコが出てこないワケ /生産と消費と分解と /ウンコで学ぶとウンコを学ぶ /未来のウンコを描いた漫画
Ⅱ  ウンコと社会
第二章 学校でウンコがしにくいのはなぜ ?
我慢とトイレと心と便秘 /湿式トイレと乾式トイレ /学校のトイレについて子どもたちが感じていること /学校でウンコをしないワケ /学校のトイレにまっわる五つの K /学校のトイレについての研究/建築士の視点から見た現実 /理想のトイレとは ? /和式便器と洋式便器をめぐる問題―トイレについての統計データ /トイレの練習―和式便所は未知の世界 /洋式便器の普及一自宅と学校のギヤツプ
第三章   トイレとウンコの海外事情はどうなっている? 
二一世紀の「学校のトイレ」ルポ―日本編 /「男子が個至に入りにくい」問題など /二一世紀の「学校のトイレ」ルポ―アメリカ編 /休み時間とトイレの関係 /トイレという場所について /あらためて日本の学校のトイレを考えてみる /安全に管理されたトイレを使える地域と使えない地域 /トイレから社会を変革する /ケニアのフライング・トイレット
Ⅲ   ウンコと環境
第四章 ウンコは役に立つ?
ヨーロツパの「夜の土」とニ一世紀の「バイオソリッド」 /フラーの宇宙船地球号 /窒素・リン・カリウムという物質 /下水汚泥のリサイクル /江戸時代の農書をひもとく―大蔵永常の『農稼肥培論』 /江戸の下肥と「環」の世界 /生きることと死ぬこと /ウンコを肥料にする技術——宮崎安貞の『農業全書』 /自分に連なる世界から
第五章  「食べること」と「出すこと」はつながっている ?
下水処理のその先は ? /二一世紀の下肥利用は可能か? /「食べること」と「出すこと」 /小さなレストランと下水道をつなげる? /下水道は資源の宝庫 / BISTRO下水道の実践地域を歩く /連携が生み出す新しい循環世界 /ガストロノミーを支える「食べること」と「出すこと」
 
第六章 サラブレッドのウンコはどこへ行く ?
馬糞と畑と食堂と /サラブレッドのウンコはどこへ行くのか /土づくり職人の技 /シアトルの動物園のウンコとごみ箱―自然の隠れた半分 /シアトルの「 Zoo Doo」 / Loop (環 )の取り組み /イタリアの環境教育と土の話 /イタリアのウンコ祭り
Ⅳ   ウンコと生きる
第七章 健康で文化的な生活に必要なものとは ?
南極のフィールドワークで常々思っていたこと /健康で文化的な生活とは /災害とトイレ /「もしもの時」に備える /災害時に不可欠なモノやコトを知る /介護の現場で考える /最後のウンコ /時代をさきがける「排泄」をめぐる議論
第八章  「ウンコと生きる」が意味するものとは ?
拓かれていく「排泄」に関する実践と議論 /常に健やかなる人 /一括りにできない個性 /体や心と向き合うパランスと社会復帰について /入れることと出すことの循環 /自己肯定感の低さと向き合うには―言 葉のカ
むすびにかえて ― 「わたし」が「誰か」と生きる社会を考えること
「下から目線」の八つの問い /ウンコについて朗らかに話せる社会
あとがき  


著者紹介

湯澤 規子 ユザワ ノリコ
1974年大阪府生まれ。法政大学人間環境学部教授。筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。明治大学経営学部専任講師、筑波大学生命環境系准教授を経て、現職。「生きる」をテーマに地理学、歴史学、経済学の視点から、当たり前の日常を問い直すフィールドワークを重ねている。主な著書に『在来産業と家族の地域史――ライフヒストリーからみた小規模家族経営と結城紬生産』(古今書院、経済地理学会著作賞、地理空間会学術賞、日本農業史学会学会賞)、
胃袋の近代――食と人びとの日常史』(名古屋大学出版会、生協総研賞、人文地理学会学会賞)https://hatakeno-archive.blog.ss-blog.jp/2019-01-31
7袋のポテトチップス――食べるを語る、胃袋の戦後史』(晶文社)
https://hatakeno-archive.blog.ss-blog.jp/2019-03-25-1
『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか――人糞地理学ことはじめ――』(筑摩書房)、
『うんこでつながる世界とわたし』(農山漁村文化協会)、
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『ウン小話――世界一たのしくてまじめでちょっとクサい授業』(ホーム社)などがある。
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書評・レビュー うかびあがる「みえにくくさせていく現代社会」
という問い  檜垣立哉 が掲載しています

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