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緑の牢獄 沖縄西表炭坑に眠る台湾の記憶 ー-発刊2021/3/13 [ユーラシア・東]

91qUwd7RFcL.jpg緑の牢獄 沖縄西表炭坑に眠る台湾の記憶 

黄インイク (著), 片岡力 (編集), 黒木夏兒 (翻訳)
出版社 : 五月書房新社
 ; 四六版 : 336ページ
発売日 : 2021/3/13
ISBN-13 : 978-4909542328
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内容説明
歴史の狭間に埋もれていた衝撃の史実。
かつて 10 歳で台湾から炭鉱のある沖縄・西表島へ渡り、以後 80 年以上島に住み続けた一人の老女。彼女の人生の最期を追いかけて浮かび上がる、家族の記憶と忘れ去られた炭鉱の知られざる歴史。
現代日本人が最も注目する二つの場。それは台湾と沖縄。日本人が思い出さなければいけない歴史の原点がここにある。
台湾注目の異才、黄インイク監督のドキュメンタリー映画『緑の牢獄』2021年製作。沖縄西表島に生きた台湾人女性のストーリー!
出版社からのコメント
台湾の若き異才、黄インイク監督の最新作「緑の牢獄」。 本書は映画では描き切れなかった記録の集大成である。 映画同様の妥協を許さぬ文章製造過程を経て、本書は執筆された。 よくある映画のオマケ本の類ではないことを強調しておきたい!
目次
序 波きらめく日々
第1章 白浜
第2章 西表炭坑
第3章 台湾
第4章 失われた部分
第5章 証拠
第6章 歴史の再現
著者等紹介
黄インイク[コウ インイク]
1988年生まれ。台湾・台東市出身。台湾・政治大学テレビ放送学科卒業、東京造形大学大学院映画専攻修了。大学時代からドキュメンタリーの自主制作を開始。2013年より植民地時代の台湾から八重山諸島に移住した“越境者”たちとその現在を横断的に描く「狂山之海」シリーズを企画。第一作『海の彼方』(2016)は日本と台湾で一般公開し、大阪アジアン映画祭、台北映画祭ほか、新藤兼人賞「プロデューサー賞」受賞。第二作『緑の牢獄』(2021)は企画段階から注目され、ベルリン国際映画祭、スイス・ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭などに入選し、日本、台湾とフランスでの一般公開を控える
黒木夏兒[クロキなつこ]
1974年生まれ、横浜育ち。初の台湾旅行時に一目惚れしたBL小説『ロスト・コントロール―虚無仮説』で2013年に翻訳デビュー。同一作者による『示見の眼』シリーズは個人で受権し現在電子書籍で展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
五月書房新社 〒155-0033 東京都世田谷区代田1-22-6 
【書評】地上の楽園の裏面史:黄インイク著『緑の牢獄 沖縄西表炭坑に眠る台湾の記憶』
一青 妙 HITOTO Tae ひとと たえ
かつて西表島に炭鉱があった。密林のなかで、日本人だけでなく、台湾人の労働者も集まり、「黒いダイヤ」石炭を掘り出す「ヤマ」の仕事に従事した。「自然の楽園」のイメージが強い西表島だが、密林のなかで、過酷な労働を強いた炭鉱は「緑の牢獄」とも呼ばれた。閉山から半世紀以上を経て、そのベールを剥がすルポルタージュが現れた。
「西表島」と聞いて、何を連想するだろうか。
おそらく大半の人は、特別天然記念物である「イリオモテヤマネコ」を思い浮かべるのではないだろうか。
西表島は石垣島の西側にあり、八重山諸島で最大面積を持つ。島は原始林に覆い尽くされ、2400人ほどの住民がごく僅かな平地に暮らす。
産業の軸は観光業。空港のない島への移動はフェリーに限られる。亜熱帯気候のため、年間を通しマリンスポーツやトレッキングなどを楽しむ人が多く訪れている。近年は大型リゾートホテルも建設され、都会の暮らしに飽きた観光客が非日常を堪能できるリゾート地としても人気が高い。
外界と隔絶した桁外れの自然の豊かさゆえに「東洋のガラパゴス」とも称賛される西表島が、なぜ「緑の牢獄」と呼ばれたのか。名前の由来となったのは、戦前の明治期に開発された「西表炭坑」だという。
]忘れられた炭鉱の生き証人[
本書は、西表炭鉱と関わってきた生き証人であるひとりの老女——橋間良子さんを通し、かつて西表島にありながら、ほとんど忘れ去られてしまった炭鉱の歴史を丹念に描いたノンフィクションである。
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