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SOY!大いなる豆の物語 [農から見つめる]

51NpJv56sQL.jpgSOY!大いなる豆の物語 
著者 瀬川深 /セガワしん
出版年 2015.3
出版者 筑摩書房
ページ数 508p
ISBN 978-4-480-80456-3

新潟市立図書館収蔵 NDC分類(9版) 913.6

内容紹介 バイトとゲ-ム作りで日々を過ごす原陽一郎27歳。ある日届いた封書には穀物メジャ-の刻印が。自らのル-ツを東北に探ると大豆をキイに巨大な物語が顕現する。

有名大学は卒業したものの就職したIT企業を一年半で退社した原陽一郎。バイトと、友人と始めたゲーム制作で食いつなぐ彼のもとに、ある日、仰々しい紋章入りの封筒が届く。それはとある穀物メジャーのCEO、コウイチロウ・ハラの遺産管財人となることを依頼する手紙であった。南米ハラ家のルーツは果たして陽一郎につながるのか。陽一郎の謎解きの旅は、東北地方から満州へ、パラグアイへ、明治から現代へと大きく展開し、世界のすべてを塗りかえ、彼の人生もまた大きく変わっていく。彼を、彼らを動かしたもの、それこそが大豆だった。豆に導かれ、時空をまたいで展開する壮大な物語と、そこに連なる、ある情けない男の崩壊と再生を描く。

著者ツイート
 ちなみに当時の満州に移民した日本人、特段満州国民になったわけでもなく、というか確か満州にはまともな国籍法が存在してなかった。

 満州移民の悲劇を矮小化するつもりなどないけど、国策移民で鉦や太鼓で送り出した「開拓」の実態は結局旧来の満州農民の農地収奪だったとか、「移民」したところで満州国民という意識など醸成されもしなかったとか、いろいろな出鱈目や矛盾が最後に噴出して一番弱い層を襲った感が強いですね……

 満州移民は開国以来綿綿と続けられてきた移民政策の総仕上げというか矛盾先送りの集大成みたいな面があって調べるほどゲンナリした気分になるのですが、この満州と南米移民を混ぜ合わせて大豆という作物の歴史を描いた小説が拙作「SOY!大いなる豆の物語」になります。たまには宣伝しよう、読んでね!https://twitter.com/segawashin/status/1505507937170915329

著者紹介

瀬川深 /セガワしん 1974年岩手県生まれ。小説家・小児科医。イェ-ル大学医学部研究員(神経生物学)。「mit Tuba」で第23回太宰治賞受賞。他の著書に「ミサキラヂオ」「ゲノムの国の恋人」など。

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