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ロシア、米国、中国などにある重要な鉱物ー02 [経済]

白金族金属(PGM)
PMGは同じ鉱石に含まれ、6つの金属、金属そのものまたは錯体に、触媒として有用
パラジウム・46Pd、プラチナ・78Pt・白金、ロジウム・45Rhです。その他はオスミウム・76Os、イリジウム・77Ir、ルテニウム・77Ir
パラジウムの主な用途は触媒としてです。世界のパラジウムとプラチナの供給量の半分は、触媒コンバーターに使用されています。触媒コンバーターは、自動車(一酸化炭素、二酸化窒素)やその他の自動車からの有毒な燃焼排気ガスを二酸化炭素と水に変換します。それらは事実上すべての現代の車両に見られ、汚染を減らすために不可欠です。他の2つの主要なPMG、プラチナとロジウムも同じ目的で使用されます。より厳しい排気規制は、これらのPGMのより多くの量を要求します。
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Hondaホンダの白金族金属(PGM: Platinum Group Metals)事業の図より
事実上すべての電子機器やその他のさまざまなデバイスや業界で使用されています。それらは少量で電極のコーティングに使用されます。電子産業に不可欠で強い需要があります。例えば、プラチナとルテニウムは、コンピューターのハードディスクドライブの磁気コンポーネントに必要です。
医療業界では、たとえば、パラジウムは歯冠に使用されます。PGMは化学療法薬や放射線療法に使用されます。。
米国地質調査所によると、世界は2019年に約21万キログラムのパラジウムを生産しました。ロシアはその40パーセントを生産しました。
希土類元素(rare earth element: REE)
17種類の鉱物のコレクションです。それらは絶対に珍しいことではありませんが、それらを抽出するのに経済的にするのに十分な濃度で見つけることはまれです。
REEは、電気自動車、携帯用電子機器、磁石(電子機器に頻繁に必要)、風力タービンの発電機、および軍用ハードウェアのエンジンに使用されます。たとえば、バージニア級原子力潜水艦は4.2トンの希土類を必要とすると考えられており、F-35戦闘機は427kgを必要とします。
【21Sc・スカンジウム、39Yイットリウム・、ランタノイド、、57La・ランタン、58Ce・セリウム、59Pr・プラセオジム、60 Nd・ネオジム、61Pm・プロメチウム、62Sm・サマリウム、63Eu・ユウロピウム、64Gd・ガドリニウム、65Tb・テルビウム、
66Dy・ジスプロシウム、67Ho・ホルミウム、68Er・エルビウム、69Tm・ツリウム、70Yb・イッテルビウム、71Lu・ルテチウム】
【スカンジウムおよび天然に存在しないプロメチウム以外の元素は、ゼノタイムやイオン吸着鉱などの同じ鉱石中に相伴って産出し、単体として分離することが難しい。そのため、混合物であるミッシュメタル・misch metal で利用】
【酸化物状態での希土類の混合物を混合希土と呼び、混合希土を還元・精製したものがミッシュメタルである。各希土類元素ごとの分離コストが省けるため比較的安価で製造できる。】
中国は希土類の60%を抽出し、90%近くを処理しています
ロシアは世界のREE埋蔵量の約10%を占めており、ランキングでは中国、ベトナム、ブラジルに次ぐ4番目
ロシアのREE鉱床の極端な気候、REEを処理するために必要な技術、およびREEプロジェクトの高い資本集約度は、これまでのところ、ロシアのREE開発を妨げてきました。
ロシアをより小さな州に分割し、米国や他の帝国主義国による緊密な経済的管理を行うことで、それらのREEプロジェクトを開発するために必要な投資と「低い地政学的および経済的リスク」を提供できます。
続く

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ロシア、米国、中国などにある重要な鉱物ー01 [経済]

国土面積の上位は、ロシア 約1,710万km2(平方キロメートル)、カナダ 約998万、アメリカ合衆国 約963万km2、中華人民共和国(中国) 約960万km2、ブラジル 約851万km。ロシアは2つの大陸にまたがっており、全世界の陸地の11パーセントを占めています。
その陸地には、重要な鉱物や資源が数多くあります。米国は、現在重要と見られる50の鉱物のリストがある。アルミニウムやプラチナのように、比較的よく知られているもの。世界経済にとってますます重要になっているが、ほとんど知られていネオジム、希土類、ロジウムなど。そのリストにある5つの鉱物しか米国内で生産していません。40は75%以上が輸入で内29は100%輸入。

2020年9月、米トランプ政権は、重要な鉱物の確保において国家緊急事態を宣言した大​​統領令13953に署名しました。2022年3月31日、バイデン政権はこれらの鉱物の「信頼できる」供給を確保するために、国防の名の下に、政府が民間投資を管理し、指示することを可能にする朝鮮戦争にさかのぼる戦時中の命令「国防生産法」を発動しました。

ニッケル
ロシアは、世界最大のニッケル抽出国の1つです。通常、インドネシア、フィリピンに続き、南アフリカとほぼ同点で3位または4位にランクされています。ロシアには690万トンのニッケル埋蔵量があり、これは世界全体の7パーセントに相当します。高品質の埋蔵により、純度99.8%以上「Class 1」・クラス1ニッケルの20%を生産
【純度99%未満が「Class 2」】
ニッケル生産 毎年約250万トンの3分の2はステンレス鋼に費やされ、た、タービンブレード(ジェットエンジン、海運業界、発電所向け)、電子機器(ラップトップ、電話、デジタルカメラ)、および高精度測定ツールの製造に使用されるさまざまなより洗練された合金を形成します。硫酸ニッケル粉末はリチウムイオン電池の重要な構成要素であり、電池の陰極の主要部分を形成します。
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ロシアの役割は、戦争勃発後のニッケル価格の高騰に反映されています。ニッケルは2021年に1トンあたり2万ドル未満で取引されていました。現在、1トンあたり3万ドルをわずかに下回っています。戦争の最初の数週間で、価格は一時的に100パーセント上昇しました。
ロシアの主要な生産源であるコラ半島は、フィンランドの北極圏の国境近くにあります。この地域は、銅とパラジウムの実質的な生産地でもあります。

続く


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新華社が報じたロシアのラブロフ外相インタビュー⓶ [経済]

新華社が報じたロシアのラブロフ外相との書面によるインタビュー 



インディペンデント・ウェブ・ジャーナル・IWJが新華社記事を仮訳 の続き

新華社による「今回の制裁はロシアにどのような影響を与えると考えますか? 対応策は?」との質問
に、ラブロフ外相は、 「米国、英国、カナダ、EU諸国は、ロシア経済を『窒息』させ、競争力を弱め、ロシアの継続的発展を阻害するという目標の、反ロシア制裁を採っている。」「これは、インフレや失業率の上昇など、米国や欧州の多くの国々の経済状況の悪化し自国の一般国民を苦しめ始めています。 この反ロシア路線は、成り立たないばかりか、展望もないことは明らかです」答え、 そして、ブルームバーグが報じたように https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-30/RB4ZAXDWLU6801
「ロシア経済の安定確保に向けて特別経済対応措置を今後も推進、強化する」と答え、その「特別経済対応措置」は具体的に、「脱ドル、脱オフショア、輸入代替、技術的自立の強化に注力します。今後も外的な課題に適応し、有望で競争力のある産業への開発計画を強化していきます。」
参考「オフショア」の意味は、主に「海外に業務委託を行う」ことを指し、システムやソフトウェアといった開発に関する仕事を、海外の企業や子会社などに任せること
「ロシアは、国際市場における責任あるプレーヤーとして、農産品、肥料、エネルギー、その他の主要製品の輸出に関して、国際契約上の義務を忠実に履行し続けるでしょう。ロシアは反ロシア制裁によって引き起こされうる食糧危機を深く懸念しており、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、中東の国々の社会経済発展にとって、食糧を含む社会財の供給が重要であることをよく認識しています」。
 新華社の「『新しい冷戦』との報道をどう思うか?」という質問に対し、ラブロフ外相は「現在の国際情勢は『人類の運命の支配者』を自称する米国を中心とした西側諸国による米国中心の世界秩序モデルの押し付けだ」、「欧米の一部の少数民族」が「第二次世界大戦後の国連を中心とする国際システムや国際法にもとづく国際秩序を、『自分たちのルールをベースにした秩序』に置き換えようとしている」と批判。
 「今日の世界は多極化しており、意思決定の中心が複数存在しています。アジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々が急速に発展しているのを目の当たりにしているのです。各国は、開発方法を選択する自由、統合プロジェクトに参加する自由など、真の選択の自由を示しました。」「ウクライナでの我々の特別軍事作戦(戦争)は、人種差別的・排他的感情と表裏一体の欧米の新植民地主義的抑圧から世界を解放することにも貢献しました。」
新華社は「現時点での交渉の主な障害は何でしょうか? 両者の平和条約締結の見通しをどのように見ていますか? ロシアは今後、ウクライナとどのような二国間関係を築いていこうとしているのでしょうか?」と質問。
ラブロフ外相は、答えて「交渉がなかなか進まない中でも、交渉を継続することに賛成です」。「現在、ロシアとウクライナの代表団は、ほぼ毎日、ビデオ会議で条約の草案について議論しています。この文書には、ウクライナの永世中立、非核、非同盟、非武装の地位や、安全保障など、紛争後の多くの要素が含まれているはずです。その他、脱ナチス、新しい地政学的現実の認識、制裁解除、ロシア語の地位などが交渉の課題となっています。
 ウクライナとの和解は、欧州および世界の軍事的・政治的緊張の緩和に大きく貢献します。その一つとして、ロシアや中国を含む国連安全保障理事会の常任理事国をメンバーとする保証国組織の設立が考えられます。交渉の進捗状況について、中国の外交官と情報を共有しています。中国をはじめとするBRICSのパートナーの、ウクライナに対するバランスのとれた姿勢に感謝しています。」
※参考 米国の投資銀行、ゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニール氏が2001年11月30日付の投資家向けリポートで「BRICs」という言葉を使った。有力な新興国群の代名詞的呼称という位置付けで、ブラジル、ロシア、インド、中国(チャイナ)のアルファベットの頭文字を取った。最後の「s」は小文字だったが、南アフリカ(South Africa)が加わって2011年から「BRICS」に変わった。
新華社は「交渉の足かせになっているものは何か」と質問しました。ラブロフ外相は次のように答えています。
 「例えば、キエフ政権を支持する西側諸国の好戦的なレトリックや扇動的な行動などです。ウクライナに武器や傭兵を送り込むことで、かえって『最後のウクライナ人まで戦え』と煽っています。
 私は、ウクライナの治安機関が、西側の助けを借りて、交渉プロセスを複雑にすることなどを目的として、ブチャで残忍で血生臭い挑発行為を行ったことを指摘したい。
 キエフ政権が『遠隔地のアドバイザー』の利益ではなく、ウクライナ国民の利益に従う場合にのみ、(ロシアとウクライナの)合意が可能になると私は考えています。
 ロシアとウクライナの関係については、ロシアは、平和で、自由で、中立的で、繁栄した、友好的なウクライナを望んでいます。現在のウクライナ指導者の反ロシア政策にもかかわらず、私たちは何世紀にもわたって、あらゆる側面を包含してきたロシア人とウクライナ人の文化的、精神的、経済的、親族的絆を覚えており、必ずやそれを回復させるでしょう」
 以上が新華社の記事のIWJによる仮訳です。
西側メディアは、ロシアや中国が権威主義的な国家だから、その報道はすべてプロパガンダだと決めつけ、相手がどういう考えで行動しているかを報じようとしません。単純な善悪二元論、思考停止に陥らせています。


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新華社が報じたロシアのラブロフ外相インタビュー① [経済]

新華社が報じたロシアのラブロフ外相との書面によるインタビュー 



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インディペンデント・ウェブ・ジャーナル・IWJが新華社記事を仮訳してみると、ロシアのラブロフ外相は経済制裁に対して「脱ドル、脱オフショア、輸入代替、技術的自立の強化」で対応すると語っていた!! さらに停戦交渉については「中露を含む国連安全保障理事会の常任理事国をメンバーとする保障国組織の設立」構想にも言及!!

新華社は1問目に「ウクライナの危機の本質をどう考えていますか? この問題を解決するために、国際社会は何ができるのか?」と聞いている。

ラブロフ外相は、「ウクライナの危機を語るとき、まず、冷戦終結後、米国を中心とする西側諸国が一極集中の世界をつくるという長期にわたる破壊的な道を歩んできたことを語る必要がある」とし「米国やNATO諸国が、ウクライナをロシア封じ込めのための道具として、何年も前から反ロシア感情を煽り、キエフの政権に西側につくかモスクワにつくかという選択を迫っていた」と述べ、2014年のユーロ・マイダンについて「ウクライナで起きた違憲クーデターを先導し、支援したのは欧米諸国だ」と非難しています。

その上でラブロフ外相は米国やNATO諸国が、「キエフ政権に、ミンスク合意にもとづく危機の政治的解決をうながす代わりに、政権を武装させ、ウクライナ軍と民族主義大隊を訓練し武装させ、ウクライナ領土の『軍事・政治的発展』を全面的に行っているのです。彼らはキエフ政権が暴力的な反ロシア路線を追求することを奨励した。実際、彼らはウクライナの民族主義者を扇動して、交渉プロセスを妨害し、『ドンバス問題』を力ずくで解決しようとするのです」



ラブロフ外相は「NATO諸国はキエフ政権への支持を公然と表明し、ロシアが政治的合意によって軍事作戦を終了させるのを阻止するためにあらゆる手段を講じています。あらゆる種類の武器がポーランドや他のNATO諸国を経由してウクライナに入ってきています。これらはすべて『侵略との戦い』という口実で行われていますが、実際には米国とEUは『最後のウクライナ人まで』ロシアと戦うことに熱心で、国際関係の独立した主体としてのウクライナの運命には無関心なのです。」

「米国とNATOがウクライナ危機の解決に本気で関心があるのなら、まずは目を覚まして、ウクライナへの兵器・弾薬の供給を止めるべきだ」と述べた。 https://www.afpbb.com/articles/-/3402867


新華社による「ロシアは、民間人保護のためにどのような努力をしているのか?」という質問に、ラブロフ外相の答えは「ロシア軍は地元住民にあらゆる支援・援助を行っている」と2月24日以降、ウクライナから100万人以上がロシアへ避難した、ウクライナ市民280万人がロシアへの避難を希望している


と述べ、「ハリコフやマリウポリ方面の人道的回廊は、危険地域から人々を避難させるために毎日開かれているが、キエフ政権は民族主義大隊の支配地域から民間人を解放しないように命じている」。「ウクライナ側は外国船舶を封鎖し、内水面や領海を航行する船舶に砲撃を加えるという脅しを続けている。また、ウクライナ海軍は海岸沿いや港湾水域、領海に機雷を仕掛けている」と指摘しています。


続く

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GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略=2019年4月ーー⓶ [経済]

GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略

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 田中 道昭 たなかミチアキ /著    出版者 日本経済新聞出版社  出版年 2019.4
ISBN 978-4-532-32265-6
新潟市立図書館収蔵 NDC分類(9版) 007.35
著者紹介 上智大学卒業。シカゴ大学経営大学院MBA。
立教大学ビジネススクール(大学院ビジネスデザイン研究科)教授。株式会社マージングポイント代表取締役社長。


構成】 続き
●第4章 グーグル×バイドゥ~検索サービスから事業を拡大。狙うはAIの社会実装
 本章のねらい――222
[Google]
01 グーグルの事業の実態は?
  「検索の会社」からさまざまに事業を拡大――223
02 グーグルの5ファクターは?
   「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――234
03 存在価値を定義した「Googleが掲げる10の事実」――強さの源泉①
  「どのような存在を目指すのか」の行動指針――224
04 グーグルの開発力の秘密「OKR」――強さの源泉⓶
 「さまざまな組織が目標に向かって前進するのに役立つシンプルなプロセに」――252
05 グーグルの価値観の象徴「マインドフルネス」――強さの源泉③
   「サーチ・インサイド・ユアセルフ」――256
[Baidu]
06 バイドゥの事業の実態は?
  中国の検索市場でー人勝ちではある――259
07 バイドゥの5ファクターは?
   「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――263
08 「デュアーOS」によるエコシステム形成、そしてスマートシティへ
   「人々の生活にAIを」がコンセプト――270
   大きなエコシステムを形成していく――272
   スマートシティ建設について各地方政府と協力――274
09 世界でもっとも自動運転車の社会実装が進んでいる会社
   中国政府から「AI×自動運転」事業を国策として受託――276
   自動運転バスを2018年から社会実装化――278
●第5章 GAFA×BATHの総合分析と米中の新冷戦
01 「5ファクターメソッド」による分析のまとめ
   「ミッションが事業を定義し、イノベーションを起こす」――282
02 「ROAマップ」による分析
   業種や企業の特徴を端的に表す手法――286
   ROAマップ全体から8社を総合分析する――292
03  8社への強い逆風は今後どう影響するか
   対応次第では存亡の危機も?――297
04  世界が米中で分断されるとどうなるか――新冷戦の本質
   今後を占うもっとも重要な要素――301
   米中で二極化され分断した世界はどのようになっていくか――302
   存亡の危機のカギを握るもの――307
●終章 GAFA×BATH時代、日本への示唆
・日本に求められる目的設定のリセット――312
・戦略の要諦――316
内容紹介 につづく

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GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略=2019年4月ーー① [経済]

GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略

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 田中 道昭 たなかミチアキ /著 
 出版者 日本経済新聞出版社
出版年 2019.4
ページ数 319p
ISBN 978-4-532-32265-6
新潟市立図書館収蔵 NDC分類(9版) 007.35
著者紹介 上智大学卒業。シカゴ大学経営大学院MBA。
立教大学ビジネススクール(大学院ビジネスデザイン研究科)教授。株式会社マージングポイント代表取締役社長。

内容紹介 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)とBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)。米中テクノロジー(メガテック)企業8社の戦略と未来図を、最新動向を交えて平易に解説する。

構成】
はじめに―――003
●序章「5ファクターメソッド」でメガテックを分析する
全体像の把握に最適なアプローチ
知っているようで知らない”メカテックの全体像――024
既存のフレームワークだけではメカテックは分析できない――025
「孫子の兵法」を戦略分析に応用する「5フアクターメソッド」――026
●第1章アマゾン×アリババ~~アマゾン経済圏とアリババ経済圏の戦い
本章の狙い――032
01 アマゾンの事業の実態は?
 ECから「エブリシングカンハニー」ヘ――033
 近年の注目サ―ビスから見えてくるもの――034
 「君の仕事は、いままでしてきた事業をぶちのめすことだ」――042
 プラットフォーム構築で独占状態をつくり出す――044
02 アマゾンの5ファクターは?
 「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――046
03 アマゾンの進化を読み解く3つのカギ
  ①顧客第一主義、②高度化するニ-ズへの対応、③大胆なビジョン×高速pDCA――054
04 「マーケティング4・0」とアマゾン
 オンラインとオフラインの完全統合
[Alibaba]
05 アリババの事業の実態は?
  中国の新たな社会インフラ企業――071
06 アリババの5ファクターは?
  「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――086
07 “神様"ジャック・マーの退任の意味
  中国政府との蜜月の終わり?――097
08 アリババが先行するOMOを深く読み解く
   アマゾン以上の先進性――101
  ※OMOは「Online Merges with Offline」の略称で、日本語に直訳すると「オンラインとオフラインを併合する」という意味になります。
●第2章アップル×ファーウェイ
~プラットフォーマーとハードウエアメーカー。「ショック」をどう越えるか
本章の狙い――110
[Apple]
01 アップルの事業の実態は?
   ものづくり十プラットフォームの構築者――111
02 アップルの5ファクターは?
   「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――115
03 「ブランド論」としてのアップル
プレミアムブランドとしてのずば抜けた価値――125
04 プライバシー重視への強いこだわり
  「アップルはAIにおいて出遅れている」?――128
05 メディカルビジネスのプラットフォーマーに
  アップルウォッチはもはや医療機器――131
[HUAWEI]
06 ファーウェイの事業の実態は?
  「ファーウェイ・シヨック」だけでは見えないもの――136
07 ファーウェイの5ファクターは?
   「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――141
08 他社にはない3つの特徴――150
   ・独自の社員持ち株制度  株主=社員
   ・輪番CEO制度  3人の副会長が6ヶ月任期で輪番  創業者レン・ジンフェイに拒否権
   ・ファーウェイ基本法
09 メガテックの争いの中で今後の立ち位置は?
   プラットフォームビジスのレイヤー構造から分析――155
10 チャイナリスクと「ファーウェイ・ショック」後の世界
   熱心な情報開示の意図――158
  「ファーウェイーショツク」の根底にあるもの――161
●第3章 フェイスブック×テンセント~目的としてのSNSか、手段としてのSNSか
本章の狙い――166
[Facebook]
01 フェイスブックの事業の実態は?
  把握しづらい企業の全体像――167
  マーケティング・プラットフォームとしての圧倒的存在を目指す――174
02 フェイスブックの5ファクターは?
   「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――177
03 「ハッカーウエー」を標榜する理由
   経営者の大胆さを具現――186
04 メディアとしてのフェイスブック
   米大統領選挙の結果を左右した7――190
05 相次ぐ個人情報漏洩問題。打開策は?
 「つながる時代」から「データの時代」への対応――194
[Tencent]
06 テンセントの事業の実態は?
  テクノロジーの総合百貨店――197
07 テンセントの5ファクターは?
   「道」「天」「地」「将」「法」で戦略分析――202
08 テンセントのAI戦略
 「AI×医療」「AI×自動運転」に注力――209
09 テンセントをプラットフォーマーにする「ミニプログラム」
   スマホアプリの概念を変える存在に?――213
   使用頻度と顧客接点が勝者の条件――216
10 「新小売」におけるアリババとテンセントの戦い
   「ニユーリテール」か「スマート・リ-ル」か――217

ー続くー

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GAFA next stage ガーファ ネクストステージ―四騎士+Xの次なる支配戦略=2021年12月 [経済]

GAFA next stage ガーファ ネクストステージ―四騎士+Xの次なる支配戦略
3ab954b5-.jpg著者 スコット・ギャロウェイ Scott Galloway
訳者 渡会 圭子
東洋経済新報社
=2021年12月3日
ISBN‎ 978-4492503355

コロナで肥え太った巨大帝国が「再び」世界を変える!
彼らは何を壊し、何を創るのか? 私たちは彼らの世界でどう生きるのか?

【GAFA+Xが狙う「次なる獲物」は、あなたの業界かもしれない】
GAFAは今後5年で収益を1兆ドル増やす必要がある。
そのためには新しい市場への参入が求められ、さまざまな領域に入り込んでいくことになる。
ウサギの肉で都市を満たすことはできない。もっと大きな獲物が必要だ。(本文より)


洋原書の発売日は2020年10月。書かれてから1年後においては見事に色褪せ、古臭く、新たな学びを得ることが難しくなってしまっているかな?
==============================
目次
イントロダクション
 新型コロナは「時間の流れ」を変えた 005
 「GAFA+X」はパンデミックでより強大になった  008
 極小のウイルスが「特大の加速装置」になったわけ  010
 危機はチャンスをもたらすが、それが平等とはかぎらない  015
 痛みは「弱者にアウトソーシング」された  019
第1章 新型コロナとGAFA+X
 強者はもっと強くなり、弱者はもっと弱くなる。あるいは死ぬ  023
 危機を生き残れた企業がやったこと  032
 ポスト・コロナで勃興する新ビジネス  039
 「他人を搾取するビジネス」は危機にも最強  041
 パンデミックはすべてを「分散化」させる  044
   医療・・リモート診療や処方》
  飲食、、家で働く、、幼稚園から高校3年までの教育を、学校での対面型になれば、親は家で在宅ワーク・在宅勤務
 
「ブランド時代」が終わり、「プロダクト時代」がやってくる  055
 プロダクト時代を支配する「赤」と「青」のビジネスモデル  064
 「赤」と「青」に分岐するGAFA+X  067
第2章 四騎士GAFA+X
 加速する「GAFA+X」の支配  077
 「GAFA+X」の3つの力の根源  082  
  イノベーション、不明瞭化、搾取
 搾取:GAFA+Xだけが持つ最強の装置「フライホイール」  084
  フライホール・・弾み車
 メディアはGAFA+Xの次なる主戦場  092
 テック企業が大きくなれば問題も大きくなる  100
 GAFA+Xに対抗する  104
 GAFA分割は、ひとえに「競争促進」のため  108
   セッション203、FASTA-SESTA
 GAFAが自らにかけた「成長」という呪い  111
 最強の騎士アマゾン  112
 青の騎士アップル  125
 赤の2大巨頭、グーグルとフェイスブック  132
第3章 台頭するディスラプターズ   ディスラプション(disruption)とは、破裂や崩壊を意味する言葉
 ディスラプタビリティ・インデックス  139
  付加価値に比してどれだけ価格が伸びたか
  ブランドへの依存度
  消費者の不満
  「偽のイノベーション」の存在
 「過熱」の一途をたどるスタートアップ業界  145
 ユニコーンの誕生  149
 カリスマ的創業者が語る「ヨガバブル」というたわごと  156
 カネ余りとGAFAがディスラプターに力を与える  165
 「最強のディスラプター」が持つ8つの特徴  169
 勃興するディスラプターズ  175
  観光・ホテル:エアビーアンドビー
  寝具:ブルックリネン
  旅行:カーニバル
  保険:レモネード
  動画配信:ネットフリックス
  医療:ワン・メディカル
  フィットネス:ペロトン
  金融:ロビンフッド、パブリック
  小売:ショッピファイ
  音楽:スポティファイ
  自動車:テスラ
  SNS:ツイッター、ティックトック
  配車サービス:ウーバー
  メガネ:ワービーパーカー
  シェアオフィス:ウィワーク
  SNS:ティックトック
  最大の獲物:大学
第4章 大学はディスラプターの餌食
 ディスラプションの機は熟している  202
 大学に大変革を起こす力  209
 パンデミックがディスラプションの引き金を引いた  213
 大学を襲うディスラプションの大波  223
 大学の改善に向けた提言  233
第5章 GAFA+Xの暴走に対抗する
 あまりにも無力になった政府  241
 資本主義の功罪  243
 資本主義のブレーキを握る政府の役割  248
 資本主義(社会の階段を上る場合)+社会主義(社会の階段を降りる場合)=縁故主義  254
 縁故主義と不公平  264
 アメリカで生まれた「新たなカースト制」  271
 搾取経済  284
 政府のことを真剣に考えよ  293
 政府がパンデミックですべきだったこと  302
 GAFA+Xとの闘い  309
 いましなければならないこと  313
謝辞  319 


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メガ・リスク時代の「日本再生」戦略-「分散革命ニューディール」という希望 ー2020年 [経済]

メガ・リスク時代の「日本再生」戦略cAEM00p.jpgメガ・リスク時代の「日本再生」戦略
副書名 「分散革命ニューディール」という希望

筑摩選書  番号 0195
著者 飯田 哲也 /[いいだテツナリ]  
著者 金子 勝 /[かねこマサル]
出版者 筑摩書房
出版年 2020.9
ページ数 214p 大きさ 19cm
ISBN 978-4-480-01714-7
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート 2階技術 /501.6/イイ/ 

著者 飯田 哲也[いいだテツナリ] 1959山口県生まれ。京都大学大学院原子核工学修了。東京大学先端研博士課程満期退学。原子力産業従事後に「原子力ムラ」を脱出、北欧での研究を経て、2000年に認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)を設立。FIT法起草、市民ファンドやグリーン電力証書の構想と導入、ご当地電力立上げなど、自然エネルギー社会変革の第一人者。著書多数

著者 金子 勝[カネコマサル]
1952年東京都生まれ。経済学者。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京大学社会科学研究所助手、法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て、立教大学経済学研究科特任教授、慶應義塾大学名誉教授。財政学、地方財政論、制度経済学を専攻。著書多数

内容紹介
メガ・リスクに満ちた令和の安全・安心と、産業衰退からの反転をどう実現するか? 再生可能エネルギーを軸とする、地域分散ネットワーク型の経済社会へと転換することで、「ガラパゴス・ニッポン」から脱却できることを説く。
パンデミック、地球温暖化、デジタル化の遅れといった巨大リスクに覆われ、迷走する「ガラパゴス・ニッポン」。いかに脱却するかの青写真を提示した希望の書!
巨大リスクに直面する現代日本。いつ収束するのか見通せない新型コロナウイルスの世界的流行。記録的な豪雨による深刻な水害など地球規模の気候変動。情報通信分野の立ち遅れと情報セキュリティの不備―。衰退する一方の産業をどう立て直し、雇用創出をどう実現するか?私たちの暮らしを守るには何が必要か?世界的な潮流となっている再生可能エネルギーを軸とする、地域分散ネットワーク型の経済社会へと転換することで、「ガラパゴス・ニッポン」から脱却できると説く希望の書!

目次
序章 分散革命ニューディールを! 金子勝
 1 新しいリスクと分散革命・・・012
   新型コロナウイルスのりスク/気候変動のリスク/情報通信技術の遅れとリスク

 2 新型コロナ大恐慌・・・019
   アメリカ経済の大打撃/アベノミクスの終焉
 3 感染防止か経済化というジレンマ・・・026
   検査制限の誤り/感染防止か経済かというジレンマ/危機管理の鉄則/分散革命の時代へ

第1章 不可逆的な大転換  飯田哲也・・・0
 1 再生可能エネルギーの「常識」の非常識
   無尽蔵かつほぼ水遠のエネルギー/文明論的なエネルギーの大転換
 2 世界の再生可能エネルギーの現在と未来・・・050
   エネルギーにおけるコペルニクス的転回/再生可能エネルギー普及を可能にした「技術学習効果」/「柔軟性」と蓄電池の登場/世界最大バッテリーを作った南オーストラリア州/新しいエネルギー地政学/再生可能エネルギー100%の潮流
 3 日本の再生可能エネルギーの現在・・・075
   固定価格買取制度がもたらした光と影/世界の趨勢から取り残される
 4 自然エネルギー先進国・デンマーク)
   欧米で沸き起こるコロナ後のグリーン・リカバリー/「エネルギー・デモクラシー」の哲学/風力発電大国・デンマーク/地域熱供給とコジェネレーションによる『柔軟性』/小規模・地域分散型エネルギー体制への大転換

第2章 ガラパゴス化と希望のタネ 金子勝/飯田哲也・・・105
 1 世界的なトレンドに逆行する日本・・・110
  「原子力ルネサンス」という失敗/「ベースロード電源」とガラパゴス化/スピード感に欠ける竜カシスフム改革/原発ゼロを進める3つの原則
 2 「ご当地エネルギー」で日本を変える)
第3章 来るべき社会へ
(苦境にあえぐ日本経済;エネルギー転換で経済・社会を変える)
第4章 いま、私たちにできること
(周縁から「恐竜」を倒す;電力会社の筆頭株主運動;福島再生可能エネルギー100%を目指す「現代の自由民権運動」;私たちにできること)
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中露の非ドル化--2021年6月15日   田中 宇 [経済]

数年、中国とロシアは決済の非ドル化を3段階で進めてきた。ワシントン・ポストによると、第1段階は、中露間の貿易におけるドル決済を減らしてゼロにしていき、人民元とルーブルの相互通貨決済に替えていった。第2段階は人民元の国際化を推進して世界の30か国との人民元決済の体制を作った。同時に中露は米国債やドルの保有量も減らした。2014年からはデジタル人民元の利用拡大を進めた。そして第3段階は今年、中露がイランなど他の非米諸国とも連携してSWIFTに替わる国際銀行間送金のシステムを作っていくことだ。
 (China and Russia announced a joint pledge to push back against dollar hegemony)
中共は、人々の消費を増やすためにデジタル人民元に「有効期限」を設けるかもしれない言われている。紙幣には有効期限などないから、中国の人々はデジタル元を敬遠している。デジタル元の利用が急拡大していくのかどうか怪しいところがある。しかし少なくとも、デジタル元を中国の法定通貨として正式に使用開始すると、一帯一路など非米諸国の政府機関や企業や個人がデジタル元を使用・備蓄できるようになり、アジア、アフリカ、中南米などでのデジタル元の利用が急増し、その分ドルの使用と備蓄が減り、ドルの基軸性=米国の覇権が低下する。米国が敵性諸国をSWIFT・送金情報システム(本部ベルギー)・から締め出してドル使用を禁じる制裁をやるほど、世界的にドルが敬遠されてデジタル元が使われ、ドルを使った制裁策が効かなくなる。デジタル人民元の出現は、覇権面で画期的だ。 
(China Will Use "Coercive Power" To Force Digital Yuan On Population)
デジタル元ー日本経済新聞;2019年12月3日02.jpg
そのような展開になっても、金融市場では、ドルの為替低下や米国債の金利上昇、バブル崩壊が起こらないかもしれない。為替や金利や株価は、金融市場での民間の需給と無関係に、米連銀など米欧日の中央銀行群によるQE策(通貨の過剰発行による買い支え)によって維持されている。QEが行き詰まるまで、ドルや米国債や米国中心の債券金融システムは崩壊しない。中国やロシアなど、世界の半分を占める非米諸国がドルや米国債を持たなくなっても、米欧側でQEが続いていたら、ドルや米国覇権の崩壊は起こらない。私はリーマン危機後のQEが数年で行き詰まると予測してきたが、10年以上経ってもQEが何とか続いている(行き詰まり感はかなりあるが)。 
(強まるインフレ、行き詰まるQE)
QEはまだしばらく続くかもしれないが、同時に、世界が米国側(ドル圏)と非米側(デジタル元圏)に2分される「通貨の2極化」も進みそうだ。ドル圏=米覇権の範囲は世界の半分に減っていく。通貨の2極化は、多極化の一つの形態である。インドやサウジアラビアなど、中国以外の非米諸国がデジタル通貨を作って国際化すると、通貨の多極化になる。ドル=米覇権の崩壊より先に多極化が進む。私はこれまで、ドルと米覇権の崩壊が先で、それが多極化につながるというシナリオを描いてきたが、順序が逆になるかもしれない(インフレ激化でQEが間もなく行き詰まり、多極化より先にドル崩壊になる可能性もある)。ドイツなどEUが対米従属をやめるとユーロも多極側に入る。日本は多分いないふりを続ける。
 (米国覇権が崩れ、多極型の世界体制ができる) 
(基軸通貨の多極化を提案した英中銀の意図)


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いよいよEV電気自動車の時代、バッテリーのリサイクルが鍵に [経済]

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いよいよ電気自動車の時代、バッテリーのリサイクルが鍵に  クリーンな車への移行が、不正な採掘を増長させかねない  2021.06.11
電気自動車EV製造の成長にともなって、バッテリーに必要な金属をどうやって手に入れるかという新たな課題が生じている。
 EVの数は2020年の1000万台から2030年には1億4500万台に増えると予想されているから、バッテリーに用いられ・含まれるリチウム、ニッケル、コバルト、銅などの鉱物需要が急増するのは必至だ。現在、ロシアやインドネシア、コンゴ民主共和国などの地中から採掘されてる。環境監視が行き届かない、労働基準が曖昧、地域社会との対立があるなど問題も多く抱えている。
 電気自動車EV用バッテリーは複雑な技術の塊だが、原理は携帯電話で使われているリチウムイオン電池と同じ。個々の電池は、リチウムやコバルトなどでできた正極、黒鉛でできた負極、それらを分けるセパレーター、電解液で構成されており、負極に蓄えられていたリチウムイオンが正極に移動することで電流が発生する。 携帯電話ならこのような電池1つで十分だが、車を走らせるには数多くの電池をひとつに束ねる必要があり、総重量は数百キロに達する。
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今後数十年の間に廃棄されるバッテリーは数百万トンに上るとみられる。国際エネルギー機関(IEA)の推定によると、2019年に使用されていたすべてのEVからは、最終的に50万トンの電池廃棄物が発生する。2040年までには、エジプト、ギザの大ピラミッドの質量の1.3倍に相当する800万トン弱の電池廃棄物、1300ギガワット時(GWh)相当になるとIEAは見積もっている。
その電池廃棄物の中には貴重なリチウム、ニッケル、コバルト、銅などの鉱物物質は含まれている。リサイクル・再利用したい。最近出された報告書によれば、仮に使用済みのEV用バッテリーが100%回収されてリサイクルされ、金属、とりわけリチウムの回収率が100%であるとしたら、2040年までのEV産業におけるリチウム需要の25%、コバルトとニッケル需要の35%を、リサイクルによって満たせる。
現状のリサイクル方式は、放電したバッテリーを切り刻んで炉に放り込み、大量のエネルギーを投入し溶融、排出される有毒ガスや廃棄物を回収し、後に残された銅、ニッケル、コバルトなどの合金を精錬する。これで2040年までのEV産業における金属需要のうち、最大12%が賄われるとIEAは見積もっている。リチウム需要の25%、コバルトとニッケル需要の35%を、リサイクルによって満たせるはずが、国際エネルギー機関(IEA)の推定では最大12%と見積もられている。
この率を上げるにはリサイクル時にもっと簡単に分解できるようなバッテリー設計の基準や、バッテリー回収計画、埋め立てによる処分を禁止する法律、リサイクルを目的とする有害な電池廃棄物の海外輸送をしやすくする規則の整備など、政府が確固たる政策としてEV用バッテリーのリサイクルを支援する。
しかし米国では、リチウムイオン電池のメーカーに廃棄物の処理を義務付けている州はたった3つしかない。

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