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いよいよEV電気自動車の時代、バッテリーのリサイクルが鍵に [経済]

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いよいよ電気自動車の時代、バッテリーのリサイクルが鍵に  クリーンな車への移行が、不正な採掘を増長させかねない  2021.06.11
電気自動車EV製造の成長にともなって、バッテリーに必要な金属をどうやって手に入れるかという新たな課題が生じている。
 EVの数は2020年の1000万台から2030年には1億4500万台に増えると予想されているから、バッテリーに用いられ・含まれるリチウム、ニッケル、コバルト、銅などの鉱物需要が急増するのは必至だ。現在、ロシアやインドネシア、コンゴ民主共和国などの地中から採掘されてる。環境監視が行き届かない、労働基準が曖昧、地域社会との対立があるなど問題も多く抱えている。
 電気自動車EV用バッテリーは複雑な技術の塊だが、原理は携帯電話で使われているリチウムイオン電池と同じ。個々の電池は、リチウムやコバルトなどでできた正極、黒鉛でできた負極、それらを分けるセパレーター、電解液で構成されており、負極に蓄えられていたリチウムイオンが正極に移動することで電流が発生する。 携帯電話ならこのような電池1つで十分だが、車を走らせるには数多くの電池をひとつに束ねる必要があり、総重量は数百キロに達する。
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今後数十年の間に廃棄されるバッテリーは数百万トンに上るとみられる。国際エネルギー機関(IEA)の推定によると、2019年に使用されていたすべてのEVからは、最終的に50万トンの電池廃棄物が発生する。2040年までには、エジプト、ギザの大ピラミッドの質量の1.3倍に相当する800万トン弱の電池廃棄物、1300ギガワット時(GWh)相当になるとIEAは見積もっている。
その電池廃棄物の中には貴重なリチウム、ニッケル、コバルト、銅などの鉱物物質は含まれている。リサイクル・再利用したい。最近出された報告書によれば、仮に使用済みのEV用バッテリーが100%回収されてリサイクルされ、金属、とりわけリチウムの回収率が100%であるとしたら、2040年までのEV産業におけるリチウム需要の25%、コバルトとニッケル需要の35%を、リサイクルによって満たせる。
現状のリサイクル方式は、放電したバッテリーを切り刻んで炉に放り込み、大量のエネルギーを投入し溶融、排出される有毒ガスや廃棄物を回収し、後に残された銅、ニッケル、コバルトなどの合金を精錬する。これで2040年までのEV産業における金属需要のうち、最大12%が賄われるとIEAは見積もっている。リチウム需要の25%、コバルトとニッケル需要の35%を、リサイクルによって満たせるはずが、国際エネルギー機関(IEA)の推定では最大12%と見積もられている。
この率を上げるにはリサイクル時にもっと簡単に分解できるようなバッテリー設計の基準や、バッテリー回収計画、埋め立てによる処分を禁止する法律、リサイクルを目的とする有害な電池廃棄物の海外輸送をしやすくする規則の整備など、政府が確固たる政策としてEV用バッテリーのリサイクルを支援する。
しかし米国では、リチウムイオン電池のメーカーに廃棄物の処理を義務付けている州はたった3つしかない。

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