SSブログ

新華社が報じたロシアのラブロフ外相インタビュー⓶ [経済]

新華社が報じたロシアのラブロフ外相との書面によるインタビュー 



インディペンデント・ウェブ・ジャーナル・IWJが新華社記事を仮訳 の続き

新華社による「今回の制裁はロシアにどのような影響を与えると考えますか? 対応策は?」との質問
に、ラブロフ外相は、 「米国、英国、カナダ、EU諸国は、ロシア経済を『窒息』させ、競争力を弱め、ロシアの継続的発展を阻害するという目標の、反ロシア制裁を採っている。」「これは、インフレや失業率の上昇など、米国や欧州の多くの国々の経済状況の悪化し自国の一般国民を苦しめ始めています。 この反ロシア路線は、成り立たないばかりか、展望もないことは明らかです」答え、 そして、ブルームバーグが報じたように https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-30/RB4ZAXDWLU6801
「ロシア経済の安定確保に向けて特別経済対応措置を今後も推進、強化する」と答え、その「特別経済対応措置」は具体的に、「脱ドル、脱オフショア、輸入代替、技術的自立の強化に注力します。今後も外的な課題に適応し、有望で競争力のある産業への開発計画を強化していきます。」
参考「オフショア」の意味は、主に「海外に業務委託を行う」ことを指し、システムやソフトウェアといった開発に関する仕事を、海外の企業や子会社などに任せること
「ロシアは、国際市場における責任あるプレーヤーとして、農産品、肥料、エネルギー、その他の主要製品の輸出に関して、国際契約上の義務を忠実に履行し続けるでしょう。ロシアは反ロシア制裁によって引き起こされうる食糧危機を深く懸念しており、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、中東の国々の社会経済発展にとって、食糧を含む社会財の供給が重要であることをよく認識しています」。
 新華社の「『新しい冷戦』との報道をどう思うか?」という質問に対し、ラブロフ外相は「現在の国際情勢は『人類の運命の支配者』を自称する米国を中心とした西側諸国による米国中心の世界秩序モデルの押し付けだ」、「欧米の一部の少数民族」が「第二次世界大戦後の国連を中心とする国際システムや国際法にもとづく国際秩序を、『自分たちのルールをベースにした秩序』に置き換えようとしている」と批判。
 「今日の世界は多極化しており、意思決定の中心が複数存在しています。アジア、アフリカ、ラテンアメリカの国々が急速に発展しているのを目の当たりにしているのです。各国は、開発方法を選択する自由、統合プロジェクトに参加する自由など、真の選択の自由を示しました。」「ウクライナでの我々の特別軍事作戦(戦争)は、人種差別的・排他的感情と表裏一体の欧米の新植民地主義的抑圧から世界を解放することにも貢献しました。」
新華社は「現時点での交渉の主な障害は何でしょうか? 両者の平和条約締結の見通しをどのように見ていますか? ロシアは今後、ウクライナとどのような二国間関係を築いていこうとしているのでしょうか?」と質問。
ラブロフ外相は、答えて「交渉がなかなか進まない中でも、交渉を継続することに賛成です」。「現在、ロシアとウクライナの代表団は、ほぼ毎日、ビデオ会議で条約の草案について議論しています。この文書には、ウクライナの永世中立、非核、非同盟、非武装の地位や、安全保障など、紛争後の多くの要素が含まれているはずです。その他、脱ナチス、新しい地政学的現実の認識、制裁解除、ロシア語の地位などが交渉の課題となっています。
 ウクライナとの和解は、欧州および世界の軍事的・政治的緊張の緩和に大きく貢献します。その一つとして、ロシアや中国を含む国連安全保障理事会の常任理事国をメンバーとする保証国組織の設立が考えられます。交渉の進捗状況について、中国の外交官と情報を共有しています。中国をはじめとするBRICSのパートナーの、ウクライナに対するバランスのとれた姿勢に感謝しています。」
※参考 米国の投資銀行、ゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニール氏が2001年11月30日付の投資家向けリポートで「BRICs」という言葉を使った。有力な新興国群の代名詞的呼称という位置付けで、ブラジル、ロシア、インド、中国(チャイナ)のアルファベットの頭文字を取った。最後の「s」は小文字だったが、南アフリカ(South Africa)が加わって2011年から「BRICS」に変わった。
新華社は「交渉の足かせになっているものは何か」と質問しました。ラブロフ外相は次のように答えています。
 「例えば、キエフ政権を支持する西側諸国の好戦的なレトリックや扇動的な行動などです。ウクライナに武器や傭兵を送り込むことで、かえって『最後のウクライナ人まで戦え』と煽っています。
 私は、ウクライナの治安機関が、西側の助けを借りて、交渉プロセスを複雑にすることなどを目的として、ブチャで残忍で血生臭い挑発行為を行ったことを指摘したい。
 キエフ政権が『遠隔地のアドバイザー』の利益ではなく、ウクライナ国民の利益に従う場合にのみ、(ロシアとウクライナの)合意が可能になると私は考えています。
 ロシアとウクライナの関係については、ロシアは、平和で、自由で、中立的で、繁栄した、友好的なウクライナを望んでいます。現在のウクライナ指導者の反ロシア政策にもかかわらず、私たちは何世紀にもわたって、あらゆる側面を包含してきたロシア人とウクライナ人の文化的、精神的、経済的、親族的絆を覚えており、必ずやそれを回復させるでしょう」
 以上が新華社の記事のIWJによる仮訳です。
西側メディアは、ロシアや中国が権威主義的な国家だから、その報道はすべてプロパガンダだと決めつけ、相手がどういう考えで行動しているかを報じようとしません。単純な善悪二元論、思考停止に陥らせています。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

Facebook コメント