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超孤独死社会-特殊清掃の現場をたどる 菅野 久美子 /著  ① [明治以後・国内]

超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる   菅野 久美子 /著  

出版者 毎日新聞出版

出版年 2019.3

ページ数 284p   大きさ 19cm

ISBN 978-4-620-32576-7


新潟市立図書館収蔵本  中央ホンポート館 /368/カン/  ほか

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内容紹介
孤独死。救済の手立てはあるのか?   孤独死など、凄惨な死の現場の原状回復を手がける特殊清掃人のたちの生き様や苦悩をクローズアップしながら、生と死、現代日本が抱える孤立の問題に向き合う。
 特殊清掃という仕事は、遺体発見が遅れたせいで腐敗が進みダメージを受けた部屋や、殺人事件や死亡事故、あるいは自殺などが発生した凄惨な現場の原状回復を手がける仕事だ。そして、この特殊清掃の仕事のほとんどを占めるのが孤独死である。孤独死の増加に比例して特殊清掃の事業者はうなぎ登りに増え、2013年からの5年間で15倍になった。
孤独死について、厚労省は明確に定義していないし、実態調査もおこなっていない。
 東京都23区内で発生した亡くなった時点で病死なら「自然死」、それ以外の不自然死・「異状死」・死因不明の急性死や事故死などについて、死体の検案及び解剖を行いその死因を明らかにしている東京都監察医務院では、「異状死のうち、自宅で死亡した一人暮らしの死」を孤独死と定義し、数をカウントしている。その孤独死が、東京23区内で、1987年には男性788人、女性335人。それが約30年後の2015年には、男性4995人、女性2683人。東京23区・人口973万人だけで年間8000人近い人0.08%が孤独死している。全国の人口12614万人だから約10万人が孤独死と推計。この内65歳以上の高齢者は6.8万人=年間。(警察庁が全国で2024令和6年1~3月に自宅で死亡した独り暮らしの高齢者が1万7034人[暫定]だったことから 1年間の死者数は単純計算で約6万8000人と推計)。
支援のみで解決できぬ「孤独死」 長周新聞第9114号
 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、二〇五〇年には六五歳以上の一人暮らし世帯は一〇八四万世帯へと増加し、六五歳以上の独居率は男性で二六.一%、女性で二九・三%に達すると見込まれている。
 頼れる身寄りのない高齢者の入院や施没入所のさいの保証人、行政手続きなど生前の困り事から、葬儀や納骨、遺品整理なと死後の対応まで、政府が支援制度の検討を始めた。関係者からは「ようやく・・・」という声か漏れる一方、社協やケアマネに丸投げして終わらないことを願う声も強い。
 「弧独死」という言粟か登場してからおよそ二〇年。一人暮らしの高齢者目身はもちろん、地域や介護関係者、不動産業界などでなどで長く問題になってきたことだ。ケアマネージャーがなかばボランティアで制度の隙間を担い、大家は身寄りを見つけるのに奔走し、見つからなければ対応せざるを得ないので、「高齢者に家を貸すのはお断り」という流れが強まる要因にもなってきた。かりに兄弟が近くにいても互いに高齢者で、他者を支える余力がない場合も多い。
 そうしたなかで増えてきたのがエンディングサポートをおこなう民間事業者だ。しかし、「高齢者を支えたい」という理念を持った業者もいれば、死後の財産処分の行方をチェックする人かいないので信用するのか困難な業者も…。契約するには100万円単位の預かり金が必要な場合も少なくない。
低賃金・不安定雇用で人間を使い捨てしてきた結果、高齢者も現役世代も若者も孤立化が深刻だ。その社会の在り方を変えていくことこそ、最大の課題といえる。
 
続く


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土地規制法  長州新聞第9102、9105号  その03 [経済]

長州新聞第9102、9105号 より    その03

 

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 こうした土地規制法を成立させ約六〇〇ヵ所近い規制区域を指定して周辺住民を監視する動きは.戦時中の住民監視法である要塞地帯法や軍機保護法の復活にほかならない。戦時中、軍事施設周辺の住民を規制していた「要塞地帯法」は、軍事施設周辺の地域を「要塞地帯」と指定し、立ち入り、模写、測量、築造物の変更、地形改造、樹木伐採等禁止し、違反すれば処罰(罰金刑や検挙)できる法律だった。
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 また、軍事秘密守る為に作られた「軍機保護法」は軍事施設の測量、模写、撮影などをとり締まる法律で軍事秘密を収集すれば六ヵ月~10年以下の懲役、外国に漏洩すれば死刑か懲役(四年以上)と規定していた。土地規制法はこうした戦時中の住民弾圧・監視体制の再来といえる。それは現在が『戦後』ではなく「新たな戦前」であることを物語っている。 
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(おわり)     

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土地規制法  長州新聞第9102、9105号  その02 [経済]

長州新聞第9102、9105号 より  その02

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 国会審議の場でも「自衛隊の調査」について「(土地所有者や借家人の)思想信条、職歴、活動歴、交友関係などを調査することは法律上禁止されていないのか」と問われた内閣官房が「自衛隊の調査は対象も手法も何ら制限はない」と公言している。
 こうした「注視区域」の調査で国側が「不正利用行為(電波妨害や盗聴、電気・ガス・水道などライフラインの遮断、侵入を目的とした地下坑道の掘削等)がある」とみなせぱ、即刻、土地や建物の利用中止勧告・命令を出すことかできると規定。この「利用中止勧告・命令」に従わなければ「二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金刑に処し、又はこれを併科する」ことも規定した。
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 なお内閣官房は参院内閣委員会で、基地や原発からおおむね1㎞圏内と規定した「注視区域」について、必要な場合には「距離の是非について検討する」と公言し、将来的に範囲を拡大する可能性も明らかにしている。また全国に「注視区域」が広がり、政府だけでは管理できなくなることを想定して「自治体、住民から土地の利用状況に関する情報提供を受け付ける窓口の設置を検討している」(内閣官房)とも公言。土地規制法成立とセットで住民内部から密告、通報、摘発を活発化させる体制作りにも着手した。
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 加えて土地規制法は「注視区域」のうち、司令部機能のある自衛隊基地など「特に重要な土地」や「国境付近の離島」については「特別注視区域」と見なし、より厳しく規制すると規定している。この「特別注視区域」では新たに土地を売買する場合、内閣総理大臣に売り手も買い手も氏名や利用目的を事前に届け出なければならない。もし届け出をしなかったり、虚偽申告などの違反とみなした場合は「六月(六力月)以下の懲役又は罰金一〇〇万円以下の罰金刑に処する」と規定している。しかもこの「国境付近の離島」は重要施設の規定と異なり「施設の周囲1㎞」という距離の制限がない。そのため島全体を「注視区域」や「特別注視区域」に指定できる仕組みだった。
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続く

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ミミズの農業改革 [農から見つめる]

ミミズの農業改革   金子 信博 /[かねこ・のぶひろ]  著
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出版者 みすず書房   出版年 2023.12
ページ数 204,12p  大きさ 20cm
ISBN 978-4-622-09640-5
新潟市立図書館収蔵本  亀田館 /613/カ/
内容紹介
  土壌生態系は長い間土を維持してきたが、人が農耕によって土に介入し始めると土壌劣化が始まった。耕さない農業は可能なのだろうか。ミミズをはじめとする土壌生態系と作物を共存させる、これからの再生型農業を提案する。
 本書の趣旨は単純明快、「日本の風土に合い、環境負荷が少なく担い手も確保できる、真に持続可能な農法の開発」である。一般の農業では、有機農法にせよ環境再生型の農法にせよ、土壌劣化が避けられない。その進行をくいとめるにはどうすべきか。
「落葉分解」「窒素動態」「耐水性団粒」「半閉鎖系」など、土壌学・生態学の術語やデータが頻出する。それでも 晦渋かいじゅう 難解ではない。ズブの門外漢でも、所説についていけるし納得もできる。 「どこに着目するかによって見え方が異なる」のが学問の要諦。ミミズの目から出た結論は、土壌中の生態系を維持し、耕さずに土壌劣化を回避する「不耕起・草生栽培」の提言である。
目次
はじめに
第一部 土とは何か――人のいない世界について
第1章 土、身近なる未知
第2章 落ち葉のバランス
第3章 足元に潜む生物群X
第4章 ミミズは不可視の要石である
第二部 人の介入で何が起きるか――現在の主流農業の問題点
第5章 沈黙するミミズたち
第6章 なぜ農業に生物多様性が必要なのか
第7章 数百万年の土壌劣化、百年の土壌劣化
第8章 無肥料栽培でどこまで育つ?
第9章 暗中模索する人びと
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第三部 農業をどう転換させるか
第10章 ミミズの農業改革
第11章 無理のない転換のために
おわりに 土を守ることは、自分を守ること
参考文献
索引
著者紹介
金子 信博 /[かねこ・のぶひろ] 1959年生まれ。 京都大学大学院農学研究科林学専攻修士課程修了。福島大学食農学類教授。農学博士。専門は土壌生態学、森林生態学。著書に「土壌生態学入門」など。
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なぜガザは戦場になるのか - イスラエルとパレスチナ 攻防の裏側 -高橋 和夫 [軍事]

なぜガザは戦場になるのか - イスラエルとパレスチナ 攻防の裏側 -   高橋 和夫 著

 ワニブックスPLUS新書  発売 2024年02月08日頃

  ISBN  978‐4847067006

256p
内容紹介
激化するイスラエルのガザ地区への攻撃。
発端となったハマスからの攻撃は、なぜ10月7日だったのかーー
ハマスを突き動かした日本人が知らない「絶望」の歴史。今世紀最大規模の虐殺が起きているガザ。「負の歴史」の積み重ね
長年中東研究を行ってきた著者が、これまでの歴史と最新情報から、こうした事態に陥った原因を解説。
・そもそもハマスとは何者なのか
・主要メディアではほぼ紹介されないパレスチナの「本当の地図」
・ハマスを育ててきた国はイランなのか、イスラエルなのか
・イスラエル建国の歴史
・反イスラエルでも一枚岩にならないイスラム教国家
・アメリカが解決のカギを握り続けている理由
・ガザの状況を中国、ロシアはどう見ているのか
・本当は日本だからこそできること
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目次
第1章 10月7日の衝撃ーーー013
  ガザという圧力釜ーー 014
  マスメディアの誤解ーー 017
  不正確な地図ーー 018
  50年前の奇襲ーー 022
  ガザのハマス指導者ーー 025
  イスラエルとハマスの読み違しーー 028
、 ”戦後”の3つの選択肢ーー 032
  第二のナクバーー 034
  指導者たちの”寿命”ーー 037
  イランの関与ーー 039
  戦争は拡大するのかーー 042
第2章 ガザとハマスーーー045
  ハマスの母体・ムスリム同胞団ーー 046
  「ハマス」という名称が意味するものーー047
  福祉組織としての一面ーー049
  ガザの難民ーー092
  ガザ封鎖ーー054
  ハマスは民衆に支持されているのかーー058
  ハマスを育てたイスラエルーー061
第3章 パレスチナ問題の歴史ーーー065
  「2000年来の宗教対立」ではないーー066
  シオニズムの誕生ーー068
  帝国主義と社会主義ーー071
  第一次世界大戦とイギリスの「三枚舌」ーー073
  ナチスの台頭とユダヤ人移民ーー076
  第二次世界大戦と対イギリス闘争ーー079
  イスラエル建国とナクバーー082
  世界はパレスチナ人の悲劇を”見なかった”ーー086
  スエズ動乱ーー089
  第三次中東戦争と占領ーー091
  アラファトとPLOーー092
  第四次中東戦争の教訓ーー095...核分裂爆弾
  キャンプ・デービッド合意ーー097
  レバノン戦争ーー099
  奪われる土地、増える入植者ーー101
  インティファーダーー105・・投石
  オスロ合意の課題ーー107
  アラファトの手の内と足元ーー111
  ネタニヤフという男ーー115
  ハマスとの因縁ーー119
  最終地位交渉の決裂ーー123
  オスロ合意の算数ーー 128
  第二次インティファーダとアラファトの死ーー129
  分離壁とガザからの撤退ーー 132
  オバマと入植の凍結要求ーー 136
  トランプのエルサレム承認ーー139
  揺れるバイデン政権ーー142
  難民キャンプらしくない難民キャンプーー144
  先送りされた課題ーー145
第4章 イスラエルという国ーーー151
  ハマスヘの恐怖と憎悪ーー152
  肥大化するイスラエル軍ーー155
  戦場から議場へーー158
  ハイテク産業の国ーー160
  3階建ての家ーー163
  イスラエル国籍のアラブ人ーー167
  キヤスティングボートを握る宗教政党ーー169
  占領地か解放地かーー171
  入植地というやっかいな問題ーー173
  イスラエル社会が右に振れる要因ーー175
  人口動態とアパルトヘイトーー178
第5章 揺れ動くアメリカーーー183
  ユダヤ・ロビー 影響力の秘密ーー184・・
  11分後の承認ーー 189
  イスラエルを撤退させた米大統領ーー190
  もう一つの親イスラエル勢力ーー194・・基督教原理主義・福音派
  イスラエルを批判するユダヤ・ロピー ーー197
  世代交代ーー200`
  ガザからミシガンへーー202
  政治家の変化ーー209
第6章 イランとヒズボラーーー211
  なぜイランはハマスを支援するのか?ーー212
  ヒズボラのミサイルーー215
  日本が学ぶべき軍事的教訓ーー216・・アイアン・ドーム飽和攻撃
  ヒズボラとは何か?ーー・219
  生きた余教の博物館ーー221
  イスラエル車への抵抗ーー223
  自爆は「自殺」か?ーー226
  イランとイスラエルとの緊張ーー227・・・原子爆弾向けには最低20%以上、実用上90%以上の濃縮度が必要とされている。
第7章 国際社会と日本ーーー231
  カギを握る小国・カタールーー232
  複雑な立場のエジプトーー235
  対照的な欧州の反応ーー238
  ロシア・中国にとっては都合がいい状況かーー241
  依存度98%の日本ーー243
  日本にできることーー244
  ガザを支援するNGOーー248
あとがきーーー251
著者情報
高橋和夫(タカハシカズオ)
放送大学名誉教授。福岡県北九州市生まれ。大阪外国語大学外国語学部ペルシア語科卒。アメリカ合衆国コロンビア大学国際関係論修士、クウェート大学客員研究員、放送大学教員などを経て2018年4月より先端技術安全保障研究所会長、


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あさいちーー福音館書店 [経済]

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新潟市立図書館収蔵本

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新潟市中央区の信濃川河口近くにある、古くからの町「沼垂(ぬったり)」。
我が家から徒歩で10分ほどの朝市の場
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1959年、新潟地震前の様子


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