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ドレスデン爆撃1945(2022刊)memo-米国の「精密爆撃」 [軍事]

ドレスデン爆撃1945 シンクレア・マッケイ /著 若林 美佐知 /訳  白水社 2022年出版 より

 第23章 テロの意味  316頁 より 米国の「精密爆撃」


 米国陸軍航空軍は無防備な人々ではなく、特定の鉄道操車場を目標にしていたと明言するよう、大変な努力を払って調整された。  米国機乗組員が今も遂行しているのは「精密爆擊」であると、アメリカ国民が理解することが重要だった。「精密に」選ばれた目標が住宅地と人口密度が高い地域に隣接していても、彼と高位軍人たちは、そう理解してもらえると信じていたかもしれない。だが重要なのは、ナチという敵かどんなに野蛮でも、アメリカは倫理面で同レベルに落ちはしないと、国民が認識していたことである。
 これは航空機乗組員の士気を維持するだけでなく、戦後に予想される権力闘争に備えるためにも肝要だった。ヨーロッパで、とりわけ敗戦ドイツで権威を確立するにはアメリカは真摯に、哀悼の念を持ちながら、科学於な計算に基づいて、ナチズムという悪を除去するために必要なことはするが、高潔な国家だと見なされなくてはならない。そこで、報道面だけではあったが、英国からも距離が置かれた。空の戦いは相変わらず続き、次にあげる町の場合、死者の割合はいっそう高かった。

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米国陸軍航空軍の「精密爆擊」を担ったB-17
考察
ドイツ側の高度10000mまで達する対空砲火を避けて、実用上昇限度以下の高度11000mから狙いを定め爆弾を投下すると、約47秒自由落下する。41秒後・高度約2700の爆弾に、水平方向で風速2mの「そよ風」が5秒間吹き付けてきた。爆弾は、投下時に狙い定めた地点から約25m離れた場所に落下する。これが米国の「精密爆撃」。
その落下地点は、住宅地のアパートや人口密度が高い地域の住宅かもしれない。

タグ:爆撃
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