ミミズの農業改革 [農から見つめる]
ミミズの農業改革 金子 信博 /[かねこ・のぶひろ] 著
出版者 みすず書房 出版年 2023.12
ページ数 204,12p 大きさ 20cm
ISBN 978-4-622-09640-5
新潟市立図書館収蔵本 亀田館 /613/カ/
内容紹介
土壌生態系は長い間土を維持してきたが、人が農耕によって土に介入し始めると土壌劣化が始まった。耕さない農業は可能なのだろうか。ミミズをはじめとする土壌生態系と作物を共存させる、これからの再生型農業を提案する。
本書の趣旨は単純明快、「日本の風土に合い、環境負荷が少なく担い手も確保できる、真に持続可能な農法の開発」である。一般の農業では、有機農法にせよ環境再生型の農法にせよ、土壌劣化が避けられない。その進行をくいとめるにはどうすべきか。
「落葉分解」「窒素動態」「耐水性団粒」「半閉鎖系」など、土壌学・生態学の術語やデータが頻出する。それでも 晦渋かいじゅう 難解ではない。ズブの門外漢でも、所説についていけるし納得もできる。 「どこに着目するかによって見え方が異なる」のが学問の要諦。ミミズの目から出た結論は、土壌中の生態系を維持し、耕さずに土壌劣化を回避する「不耕起・草生栽培」の提言である。
目次
はじめに
第一部 土とは何か――人のいない世界について
第1章 土、身近なる未知
第2章 落ち葉のバランス
第3章 足元に潜む生物群X
第4章 ミミズは不可視の要石である
第二部 人の介入で何が起きるか――現在の主流農業の問題点
第5章 沈黙するミミズたち
第6章 なぜ農業に生物多様性が必要なのか
第7章 数百万年の土壌劣化、百年の土壌劣化
第8章 無肥料栽培でどこまで育つ?
第9章 暗中模索する人びと
第三部 農業をどう転換させるか
第10章 ミミズの農業改革
第11章 無理のない転換のために
おわりに 土を守ることは、自分を守ること
参考文献
索引
著者紹介
金子 信博 /[かねこ・のぶひろ] 1959年生まれ。 京都大学大学院農学研究科林学専攻修士課程修了。福島大学食農学類教授。農学博士。専門は土壌生態学、森林生態学。著書に「土壌生態学入門」など。
2024-05-09 11:00
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