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大政翼賛会のメディアミックス--大塚 英志 著 [メディア]

大政翼賛会のメディアミックス01.jpg大政翼賛会のメディアミックス
「翼賛一家」と参加するファシズム
著者  大塚 英志 /オオツカえいじ  
出版年 2018.12
出版者 平凡社
新潟市立図書館収蔵 坂井輪館/726/オ/

内容紹介

戦時下、大政翼賛会主導で生み出された「翼賛一家」という漫画が、いかに動員ツールとして機能したか、メディアミックスの事例とともに紹介する。「自由な表現」が可能になった現代への視座にも富んだ、刺激的な論考。
みんな動員された──。
長谷川町子が描き、古川ロッパが歌い、手塚治虫が二次創作し、みんなが投稿した「ニコニコ」メディアミックスの正体とは?
戦時下、「翼賛一家」というキャラクターが生みだされた。多くの新聞、雑誌にまんがが連載され、単行本もいくつか出版されるが、「翼賛一家」の展開はそれだけではない。それは、レコード化、ラジオドラマ化、小説化もされる国策メディアミックスであり、読者からの参加を募ることによって、大衆の内面を動員するツールだったのだ。
 「町内」という世界観や銃後の心得を人々に教え込み、やがては植民地政策の一環として台湾へも進出する「翼賛一家」とは一体何だったのか──。 「自由な表現」が可能になった現在、私たちは無自覚に「表現させられて」はいないのか。現代への視座にも富んだ刺激的論考!
目次
序章 「翼賛一家」というまんががあった
第1章 メディアミックスする大政翼賛会
第2章 「町内」という世界
第3章 創作する「素人」たち
第4章 隣組からニコニコ共栄圏へ(資料提供・蔡錦佳)
第5章 手塚治虫は「翼賛一家」を描いたのか
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付論 文化工作とメディアミックス
  1 「漫画を描く読者」の成立……鈴木麻記
  2 一九三〇年代中国漫画のメディアミックス……徐園
  3 可東みの助の運命……大塚英志

敗戦を前に内省するみの助、敗戦後五人の子供のうち二人の幼子と妻とともに自死したみの助は著者にとって重い存在である。みの助が長男の加東康一に宛てた遺書にいう「敗戦を境に変わり果ててしまった日本、そして日本人に絶望した」
メディアの読者が「創作する大衆」として参画していったこと。そして、それが、大政翼賛会のそもそもの戦略であったという指摘。さらに、手塚治虫も、長谷川町子も、その投稿者だったという事実。
空襲による死を描き、戦後の作品にも通じるリアリズムを追求した手塚治虫
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