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沈黙の子どもたちー2019 [軍事]

沈黙の子どもたち  軍はなぜ市民を大量殺害したか

著者 山崎 雅弘 /ヤマザキまさひろ  
出版者 晶文社 ページ数 294p
出版年 2019.6
ISBN 4-7949-7092-3

新潟県立図書館収蔵 /209.7/Y48/

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内容紹介
アウシュヴィッツ、南京、ゲルニカ、沖縄、広島・長崎…。軍による市民の大量殺害はなぜ起きたのか。戦争や紛争による市民の犠牲者をなくすことはできるのか。様々な資料と現地取材をもとに、市民の大量殺害を引き起こす軍事組織の「内在的論理」を明らかにし、悲劇の原因と構造を読み解くノンフィクション。未来を戦争に奪われる子どもたちをこれ以上生み出さないために、様々な資料と現地取材をもとに、市民の大量殺害を引き起こす軍事組織の内在的論理を解明し、悲劇の原因と構造を読み解く。

 

著者
山崎雅弘[ヤマザキまさひろ]  1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。軍事面だけでなく、政治や民族、文化、宗教など、様々な角度から過去の戦争や紛争に光を当て、俯瞰的に分析・概説する記事を、1999年より雑誌『歴史群像』(学研)で連載中。また、同様の手法で現代日本の政治問題を分析する原稿を、新聞、雑誌、ネット媒体に寄稿
 (本データが、
この書籍刊行当時に掲載されていた)


内容紹介

軍人以外の被災者が軍人の死者よりも少なかった以前の戦争とは異なり、軍人よりも多くの市民が直接的・間接的に標的となって命を失う現代型の戦争、第二次世界大戦。この巨大な戦争のあと、新たな戦争のたびに市民の大量死が引き起こされることが常態化。


 割合は、軍人が三割(ニー
万人から二六〇〇万人)に対し、市民が七割(四八〇〇万人から五九〇〇万人)であったと見られている。市民の死者の数字には、ナチスードイツによるユダヤ大の大量虐殺、いわゆる「ホロコースト」の犠牲者もふくまれる。

 そして、無慈悲に殺された市民の中には、たくさんの子どもたちが含まれていた。

 

 本当なら、小さな手にお気に入りの人形やおもちゃを握りしめ、家族や周囲の人たちに愛されながら、はしゃぎ、走り回り、見守る大人を和ませる笑顔を輝かせて遊びに勲中しているはずの子どもたちが、灰色の空の下で不安におびえ、恐怖に震え、あまりに短すぎる人生に突然終止符を打たれてしまう。小さい休が地面に倒れ、二度と動かなくなる。

 

 いまこの瞬間にも、シリアなどの紛争地では、大勢の子ともたちが死の危機に直面し、一日が終わるごとに新たな犠牲者の遺体が収容され、新たな家族の涙が流されている。

それぞれの事例にどんな 「理」が存在したのかを、さまざまな方向から光を当てて探求する。
 日本の軍(またはそれに準じる組織)が将来、戦争や紛争の当事国として、第二次世界大戦時に旧日本軍が行ったのと同じ行動を篠り返さないために、日本の市民は当時の事例から何を学ぶ必要があるのか。
 手頃な「悪者」を特定して糾弾するのではなく、特定の問題行動を引き起こした「合理性」や、その根底にある価値判断の優先順位、つまり 「何を価値あるものと見なし、何をそれよりも下に置くのか」という思考の土台部分まで掘り進まなければ、我々が過去から学ぶべき本当の根源には、おそらくたとり看けない。
 一人一人の市民が、この難しい問題を考える材料として、本書の内容を参考にしていただければ幸いである。

目次 に続く




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