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沈黙の子どもたちー2019--㈡ [軍事]

沈黙の子どもたち  軍はなぜ市民を大量殺害したか 著者 山崎 雅弘
出版者 晶文社 ページ数 294p 出版年 2019.6 ISBN 4-7949-7092-3

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目次
第1章 ゲルニカ(スペイン)―市街地へのじゅうたん爆撃による市民の大量死

    【市民殺害の情景】
     ゲルニカに対する波状の航空攻撃
     スペイン内戦の勃発とドイツ・イタリア・ソ連の軍事介入
     大量の市民の死者を生み出す「無差別爆撃」時代の幕開け
     ルポ ゲルニカ スペイン
 
第2章 上海・南京(中国)―兵站軽視と疑心暗鬼が生み出した市民の大量死
    【市民殺害の情景】
    軍による市民殺害の具体的事実の記述
    中国人市民の大量殺害が発生するに至った経緯
    中国人市民の大量殺害は軍事行動として正当化できるか
    ルポ 上海・南京 中国
 
第3章 アウシュヴィッツ(ポーランド)―人間の尊厳を否定された市民
    【市民殺害の情景】
    アウシュヴィッツ強制収容所で何が行われたのか 
    アウシュヴィッツ強制収容所の創設と拡張
    ユダヤ人迫害からホロコーストへの道のり
    ホロコーストを実行した側の人間たち
    ルポ アウシュヴィッツ ポーランド
 
第4章 シンガポール(シンガポール)―軍司令部の命令による市民殺害
    【市民殺害の情景】
    日本軍による中国系市民の選別と大量殺害
    日本軍はなぜシンガポールで中国系市民を殺したのか
    山下奉文とフィリピンにおける日本軍の市民大量殺害
    ルポ シンガポール シンガポール
 
第5章 リディツェ(チェコ)―ナチ要人暗殺の報復で行われた市民の大量殺害
    【市民殺害の情景】
    「金髪の野獣」とよばれた男の死とその報復
    ハイドリヒ暗殺計画が立案された背景
    ハイドリヒ暗殺は計画立案者に何をもたらしたか
    ルポ リディツェ チェコ
 
第6章 沖縄(日本)―「国を守る」はずの自国の軍人に殺された市民の大量死
    【市民殺害の情景】
    さまざまな形で行われた日本軍人の県民殺害
    太平洋戦争末期の沖縄戦とそこに巻き込まれた市民
    上海、南京、シンガポール、マニラ、そして沖縄
    ルポ 沖縄 日本
 
第7章 広島・長崎(日本)―歴史上ただ二つの核攻撃による市民の大量死
    【市民殺害の情景】
    広島と長崎を焼き破壊した熱戦と衝撃波
    アメリカはなぜ原子爆弾を開発したのか
    原爆投下が「本土上陸の犠牲者百万人を救った」という伝説
    ルポ 広島・長崎 日本
 
最終章 戦後の反省―ドイツと日本は、市民大量殺害とどう向き合ったか
    ドイツ連邦軍における「抗命権」とは
    いかなる命令であっても拒絶を許さない自衛隊
 
主要参考文献
あとがき

最終章では、ヨーロッパとアジアでの事実上の「第二次大戦の発起国」であったドイツと日本が、戦後の再軍備(日本の場合は自衛隊創設)に際して、これらの反省に基づく法整備を行ったか否かについても光を当てている。
 ドイツの場合、軍大法の中に「非人道的な命令を軍人が拒絶しても罪に問わない」とする「抗命権」を認めているが、自衛隊法には、同種の法的担保がない。第二次世界大戦の悲劇を膜り返さないという覚悟の点て、ドイツと日本では大きな違いが存在する。

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