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同盟は家臣ではない--2023 [対USA]

同盟は家臣ではない
著 孫崎享(まごさき・うける)
青灯社 
サイズ 46判/ページ数 239p/高さ 19cm
(2023/08発売)商品コード 9784862281265
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著者について
孫崎 享 (まごさき・うける)1943年、旧満州生まれ。東京大学法学部を中退後、外務省に入省。英国、ソ連、イラク、カナダに駐在。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学校教授などを歴任。現在、東アジア共同体研究所所長。
〈主な著書『戦後史の正体』(22万部のベストセラー。創元社)、『日本外交 現場からの証言』(山本七平賞受賞。中公新書)、『日米同盟の正体』(講談社現代新書)、『日米開戦の正体』『朝鮮戦争の正体』(祥伝社)、『アメリカに潰された政治家たち』河出書房新社)、『平和を創る道の探求』(かもがわ出版)ほか。

内容紹介  従来の外交・安全保障政策は、「米国を喜ばすため」のもの。
 No.1外交論者が切れ味よく、日本の針路を示す。
 
◇「米軍が守ってくれる」は幻想。「核の傘などない」ことを思い知るべきである。
◆ 圧倒的反撃能力のある中国・ロシア・北朝鮮に「敵基地攻撃」論は通用しない。
◇ 日本国憲法は「押しつけ」ではなかった。当時の幣原首相の思いとは。
◆ 台湾有事なら、沖縄や本土の基地、市街地が中国によって攻撃される可能性がある。
◇ 外交努力によって中国、ロシア、北朝鮮からの武力攻撃を防げる。
 -台湾、尖閣問題は、過去の合意を守っていけば軍事紛争にはならない。
 -「自分たちが脅かされている」と感じさせなければ、ロシアは日本を攻撃しない。
 -「国家や指導者を排除する軍事行動に参画しない」と言えば、北朝鮮の軍事的
   脅威はなくなる。
◆ 米国依存の統治システム(政・財・官・学界・メディア)を覚醒させるリアルな考察。

・ロシアには、「自分たちが脅かされている」と感じさせなければ、日本を軍事的に攻撃することはない。
・「北朝鮮の国家や指導者を排除する軍事行動に参画しない」と言えば、北朝鮮の軍事的脅威はなくなる。
・中国との台湾、尖閣問題は、過去の合意を守っていけば軍事紛争にはならない。
 
 目次
 
第一章:安全保障を考える時の視点
(1)福田赳夫の視点(人命は地球より重い)、
(2)与謝野晶子の視点(旅順の城はほろぶとも、ほろびずとても、何事ぞ)
(3)日露戦争の際のトルストイ、
(4)日露戦争の際の夏目漱石の視点、
(5)宮沢賢治の視点、(北に喧嘩や訴訟があればつまらないからやめろといい」
(6)喧嘩両成敗の知恵、
(7)孫子。
(8)マクナマラの知恵
(9)シェリングの知恵
(10)枝村大使の知恵
(11)歴史に学ぶ
(12)「トゥキディデスの罠」の視点
(13)「地球が火星人の侵攻を受けたら、ソ連とアメリカはどう対応するか」
(14)アメリカとは何か
(15)アイゼンハワー大統領の国民への離任演説
総括
 
第二章 最近の動向
(1)反撃能力、敵基地攻撃をどう考えるか
(2)中国と北朝鮮に敵基地攻撃を行ったらどうなるか
(3)今一度孫子に学ぶ
(4)三手先を読む知恵
(5)柳谷健介氏の助言「二の矢三の矢」
(6)二手目の読みで失敗した例①真珠湾攻撃
(7)二手目の読みで失敗した例➁ウクライナ戦争を起こしたロシア
(8-1)平和国家・憲法の基礎「戦争をしない」は幣原喜重郎首相のイニシアティブ
(8-2)自衛隊の契機は、朝鮮戦争時に日本に武力集団を作らせ派遣する構想
(9)今西錦司の知恵「棲み分け」
(10)吉見俊哉の「敗者論」―日本にもし希望があるとすれば、「敗者」を生き抜く創造性―。
 
第三章 ウクライナ問題への対応がリベラル勢力崩壊の原因
(1)ウクライナ戦争への対応が軍事力強化に弾み
(2)ウクライナ問題が日本の安全保障政策を変えた
(3)安倍元首相はどの様な発言をしていたか
 安倍「侵略前、彼らがウクライナを包囲していたとき、戦争を回避することは可能だったかもしれません。ゼレンスキーが、彼の国が NATO に加盟しないことを約束し、東部の 2州に高度な自治権を与えることができた。安倍氏への評価「主要7カ国(G7)を中心とする西側民主主義陣営が結束してロシアに経済制裁を科し、ウクライナへの軍事支援を強化する中で、それに同調する日本の岸田文雄首相に背後から弓を引くに等しい」知米派の政府関係者は憤り。
 
(4)安倍元首相の発言は何故日本でかき消されたか
(5)和平のインセンティブ
(6)私の考える提言
(7)私の提言への批判
(8)ウクライナ問題の理解のために・その①NATO拡大の問題
(9)ウクライナ問題の理解のために・その②東部2州の問題
(10)ウクライナ問題の理解のために・その③
(11)ロシア人は何故プーチンを捨てなかったのか
(12)主義を守ることと命を守ることの選択
(13)国際的な和平の必要性を説く動き①、ミリー統合参謀本部議長
「ウクライナ全土からすべてのロシア人を物理的に追い出すことができるかという実際的な問題は。軍事的にこれを行うのは非常に困難であり、莫大な血と財宝が必要。」
(14)国際的な和平の必要性を説く動き➁イーロン・マスク提案
(15)国際的な和平の必要性を説く動き➂トルコ等
(16)国際的な和平の必要性を説く動き④森元首相の発言
(17)核戦争の危険
(18)日本の言論空間の完全崩壊
(19)バイデン政権の実行力:バイデン政権には「目的が認められるなら、それを実行する手段は如何なるものであれ容認される」という考えが極めて強いことであるーノルドストリームー
 
第四章 世界の新潮流:米国・欧州支配の時代は終わる
(1)CIAが示す世界のGDP比較:量で中国が米国を凌罵する
(2)アジア新興国の経済成長はG7諸国などを上回る
(3)中国経済は質でも米国を追い起すことが予測される その1
(4)中国経済は質でも米国を追い起すことが予測される その2
(5)中国経済は質でも米国を追い起すことが予測される その3:特許数
(6)中国経済は質でも米国を追い起すことが予測される その4:米国内の警戒感
(7)アメリカは中国に抜かれないという主張
(8)中国の発展に合わせ発展するASEAN諸国
(9)中国との学術協力を縮小する愚
(10)中国に輸出制限する愚 その①
(11)中国に輸出制限する愚 その②自動車関係
(12)「ローマは一日にしてならず」→「ローマは二週問でできる?」
(13)中国は物づくり、金融は米国が一般的観念。だが実は中国は金融でも強くなった
(14)「通貨の武器化」で劣勢の中国は現時点で米中対立の激化は出来ない
(15)「ドル覇権の崩壊」と米国覇権の崩壊① IMFの見方
(16)「ドル覇権の崩壊」と米国覇権の崩壊② イエレン財務艮官の懸念
(17)覇権争い№1が№2に抜かれると感じた時、戦争が起こる
(18)米国民にとってどの国が敵か
(19)米中対立激化の中で、中国は米国に何を訴えているか
 
第五章 台湾海峡で米中が戦えば米国が負ける
(1)ランド研究所の見解
(2)アリソン、クリストフの指摘[18のウォーゲームの全てでアメリカは敗れている]
(3)「中国の侵攻は撃退可能、米軍の損害も甚大」--台湾有事シミュレーション
(4)米国の狙いは台湾と日本が中国と軍事紛令を行うこと、ウクライナのパターン
(5)米国が中国にどのような約束をしてきたか
(6)日本は中国との間にどのような約東をしたか
(7)いかなる時に台湾を巡り軍事紛争が起こるか
(8)台湾世論動向
(9)尖閣諸島の法的位置づけ① 国際的にみれば尖閣は[日本固有の領土]ではない 
(10)尖閣諸島の法的位置づけ② 連合国の対応
(11)尖閣諸島の法的位置づけ③ 米国の対応(主権は係争中)
(12)尖閣諸島は「主権は係争中だが管轄は日本」という解決① 米国の対応
(13)尖閣諸島は「主権は係争中だが管轄は日本」という解決② 栗山元外務次官の説明
(14)尖閣諸島は「主権は係争中だが管轄は日本」という解決③ 橋本恕の説明 ハシモト ヒロシ
(15)尖閣諸島は「主権は係争中だが管轄は日本」という解決④ 読売新聞社説
(16)日中間に紛争を作りたい人々
(17)日中漁業協定の存在
 
第六章 日本はなぜ国益追及でなく、対米隷属の道を歩む国になったか
(1)今や、国益的思考を喪失した国
(2)終戦直後より日本社会に脈々と続く、命、地位と引き換えの対米協力
(3)朝鮮戦争時の対米協力:「戦争をしない」「民主主義」「自由主義」が崩壊
(4)ソ連崩壊後の米国の「敵国」と日本参戦の方針
(5)細川政権が漬される
(6)次の標的は福田康夫首租
(7)民主党政権誕生の直前に小沢一郎氏が、民主党政権発足後は鳩山氏が標的に
(8)米国は再度「ロシア」「中国」を主敵とする「新冷戦」に
(9)「新冷戦」の中、米国は岸田政権を重用
 
第七章 平和を構築する
(1)酉側諸国がロシア・中国を敵とする『新冷戦』は長続きするのか
(2)米中衝突論:「トウキディデスの罠」のグレアム・アリソンの解決策
(3)「核兵器の使用」が米口、米中の全面対決を防ぐほぽ唯一の手段
(4)アメリカの狙いは何か
(5)尖閣諸島での衝突時、日米安保条約があっても米国は戦う義務は負っでいない
(6)「核の傘」はない
(7-1)約束を守ること、それは平和の第一歩である(ウクライナ問題)
(7-2)約束を守ること、それは平和の第一歩である(台湾問題)
(8-1)新しい枠組みの模索:その① 南極条約の知恵の拝借
(8-2)新しい枠組みの模索:その② 尖閣諸島。その周辺廊域を国際自然保護区に
(9)経済での相互依存関係の強化は戦争を避ける道、それをさせないバイデン政権
(10)世界は軍産複合体を超えられるか
終章  日本のこれからの安全保障について
原則1:「同盟は、家臣ではない」。先ず国益から論ずるという姿勢をとろう。
原則2:「米国を恐れるな」
原則3:「日本はロシア、中国、北朝鮮の軍事大国に囲まれている。いくら努力してもこれに対抗できる軍事国家にはなれない」
原則4:「小敵の堅ケン は人敵の擒トリコ なり」
原則5: 米国が軍事的に日本を防衛するのは、自国の利益と一体の時に行うのであり、条約があるからではない」
原則6:「台湾海峡を巡り米中衝突の際は、米軍は中国軍に負ける」
原則7:「戦いに入れば.武器の高度化によって、戦いで得るものと、戦いで失うものと比較で.勝敗と関係なく、後者が圧倒的に大きい」
原則8:「外交は『自己の主張においての100点中、50点取るのか理想」という妥協の精神を持てば妥協の道は常にある」
原則9:「過去の合意の順守をする気持ちで臨めば、大方の問題はすでに武力勧争に行かないような枠組みが設定されている」
原則10:「『好戦的』で『不確定』な北朝鮮に対してすら、攻撃させない道かある」
原則11:「ロシア、中国、北朝鮮とは外交努力をすれば武力攻撃を受けることはない」
原則12:「『ジャパン・アズ・ナンバーワン』と恐れられた時代に回帰しよう」

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