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アヘンー第二次大戦中と敗戦後の繋がり [満州・大東亜]

マーシャルの研究 (Marshal - 1991 ) は【戦中に昭和通商がタングステンを中国の広東地方から取得する際に、阿片が交換物資として利用されており、そもそも東アジアにおいて阿片が貨幣代わりに使用されていた点を指摘ており、興味深い。戦後においても、阿片とタングステンがアメリカの東アジア政策において重要な役割を演じていたことを指摘している。】

熊野 直樹(くまの なおき)が2014年と2016年の「法政研究」で公表した研究で【戦時中「満州国」からナチス・ドイツが輸入した阿片 (ナチ阿片 )は、当時奉天と神戸の保税倉庫に保管されていたが、神戸の阿片は G H Qによって押収され、結果的に通商産業省に売り渡された。その購入代金は G H Q の最高司令官管理するナショナル・シティー・バンク・オブ・ニューヨークの「三ヵ国受託勘定 (ドル )」へ東京銀行を通じて支払われたことを G H Q / S C A P(連合国軍最高司令官総司令部)文書によって明らかにしている。

 一方、奉天のナチ阿片はドイツ滞貨としてドイツ降伏・1945年5月の後、関東軍によつ購入された。関東軍によって購入された阿片や戦時中日本政府が中国から獲得した阿片は、戦後、 G H Qによって押収された。

 中華民国が G H Qから略奪財産として返還させた阿片を日本政府に売却することで、事実上日本から賠償金一億円を取り立てていたことを明らかにしている。戦後も国際連合の規制対象であった阿片が日華賠償問題において中間賠償の補填して売買されており、阿片が戦争賠償において施設賠償の補填として利用されていたことを指摘している。戦中戦後において阿片は国際政治上、依然として重要な役割を演じていたのであった。】

熊野 直樹が2017年の「法政研究」(九州大学大学院法学研究院および比較社会文化研究院の法学・政治学関係教員と学生によって構成される九州大学法政学会が発行する学術雑誌)で公表した研究で【戦時中の日本の麻薬政策に関連して、コカインの原料であるコカの葉をナチス•ドイツと日本とが直接取引していた史実を明らかにした。・・・ナチス・ドイツは日本から直接コカの葉を輸入しており、日本側の生産地は硫黄島、沖縄、台湾であった。ドイツ降伏後、コカの葉は日本がドイツ滞貨として買い取ったが、そのコカの葉の戦後のゆくえについても明らかにしている。】




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