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資本主義だけ残った--;;マルクス主義的論点: [経済]

20210820_181956_.jpg資本主義だけ残った
副書名 世界を制するシステムの未来
著者名 ブランコ・ミラノヴィッチ 
訳者名 西川 美樹 /  

マルクス主義的論点

共産主義に関する著者ブランコ・ミラノヴィッチ の定義は、「共産主義とは、後進かつ植民地化された社会に、封建主義を廃止し、経済的政治的独立を回復し、独自の資本主義を構築することを可能とした社会システムである」。

 二重の移行、外部の影響力から国家を政治的に解放し、社会変革(土地改革、封建的な特権の廃止、広範囲な教育、両性の平等)を導入する。それには、職業的活動家からなる中央集権的な反帝国主義政党が最も適していた。

 そして、そうした体制が土着の資本主義の発展の舞台を整えた。反帝国主義政党の役割は非植民地国家におけるブルジョワジーのそれと機能上は同じだった。


「資本主義だけ残った」の付録1で、ロシア革命の最も重要な成果は、第三世界における左翼共産主義の中に反帝国主義闘争と社会革命を統合したことだと主張した。1920年バクーでの東方諸民族大会とコミンテルン第二回大会で、レーニンは「資本主義は、一握の《先進国》の手によって、植民地による圧政と金融によって世界の圧倒的大多数の成長を押さえつける世界システムに成り上がった」 、「この大会において我々は、資本主義先進国の革命的プロレタリアートと、プロレタリアートが一切あるいはほとんどいないような国の革命的大衆、すなわち植民地化された東側諸国の抑圧された大衆との連合を目の当たりにしているのだ。」と表明された「東の転回」は決定的重要性を持つものだった。


歴史システムとしての資本主義
巻末に簡潔に記したとおり、資本主義が別のシステムにとって代わられると想像することはできる。それは資本が労働に比して豊富になり、賃労働者が消滅する場合だ。すなわち、賃労働者が消滅し、社会との関係としての資本も雇用労働者が消えることで消滅する。
富の獲得が人生の第一の目標という価値などに変化が訪れると予見できる。
今日の資本主義は一定の、明らかに乗り越えられない限界に直面している。すなわち、資源の枯渇と低生産性成長(長期停滞仮説)とによって、一方では増大する格差に対する社会の拒絶により、資本主義は限界付けられている。
資本の希少性は、人口の低成長ないしゼロ成長と一緒になって起こる資本蓄積と技術変化によって克服できる。これら2つの変化によって私たちの知る資本主義は終わりを迎えるだろう。


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