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「移民国家」としての日本ー岩波新書・新赤版 1947 [移民・難民]

「移民国家」としての日本ー岩波新書・新赤版 1947
著者 宮島 喬  みやじま たかし

新規入国・出国外国人数ー.jpg

目次

はじめに

第1章 「移民国家」日本へ――なぜ、いかにして、を考える
第2章 外国人労働者の受け入れと日本
第3章 外国人労働者の就労の現在
第4章 定住、外国人労働者から移民へ
第5章 差別、反差別、移民支援
第6章 多文化共生の社会への条件
 1 少子高齢化と移民の受け入れ
 2 多文化共生の社会をめざす

 エピローグ


はじめに より

新型コロナウィルス ( COVID‑19 )の感染拡大の2年間(2020〜21年)は脇に置き、過去5年間をとってみると、日本への新規入国外国人(観光や商用等のための入国者は除く)は年平均で43万人を超えた。この数は〃先輩移民国〃であるイギリスのそれと肩を並べる。また在留外国人の数は、2019年現在、293万人となり、今日的なイミグレーション(人の受け入れ)政策の出発点となった1990年、その年の 在留外国人数の約3倍である。
次の四つほどの要因または背景は指摘したつもりである。

日本の産業構造と人口構造の変化の引起こした労働力不足 

/国際的経済環境の変化、特に南 (発展途上諸国 )と北 (先進諸国 )の経済格差の拡大 
/中小資本や第一次産業の労働者確保のための労働力導入政策の要請 
/補充人口の受け入れを必然化する少子高齢化と生産年齢人口( 1 5〜 6 4歳 )の減少、である。
ただ、ここに、欧米諸国ではあげられる南から北への庇護移動 (難民)の増加という要因があがってこないのはなぜか。これは問うべき点である。 
 では、こうして進んだ外国人労働者の受け入れは、フェアに行われたのだろうか。そこにさまざまな問題があったし、現にある。
この間、就労外国人の行動も変わった。出稼ぎ的な、短期稼働的な働き方、滞在の仕方をやめ、長期滞在または定住を志向する労働者が増える。それは本書で強調したい変化であり、「永住者」という在留資格を得る外国人が百数十万人に達している。「外国人労働者から定住移民へ」、これはヨーロッパで前世紀末までに起こっていたことだが、日本もそれを追っている。その「移民化」過程をどう理解するか、それは日本社会の変動を読み解くカギの一っと考える。



参照

2005 年の国連の推計では、ヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本など先進諸国での平均値としては、人口比においておよそ10%が移民である。しかし、日本の外国人登録者数は、全人口の2%に満たない。
日本は島国で、周りを海に囲まれているため難民などが陸伝いに来ることはない。そのため、移民に対する意識が低くなっている。


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