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戦争とフォーディズム 〔戦間期日本の政治・経済・社会・文化〕 – 2022/ [軍事]

613zsMUhrqL-縮.jpg戦争とフォーディズム 〔戦間期日本の政治・経済・社会・文化〕??
竹村 民郎 たけむら・たみお
四六上製 512頁 口絵8頁
出版社 藤原書店 (
発売日 2022/5/27
ISBN-13  978-4865783476
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 219.6/タケ

■本書は、近現代における戦争とフォーディズムの関係を見据えつつ、第一次世界大戦によって明らかになったそれらの関係の構造的変化に、戦間期日本の指導者層がいかに対処したかを論じたものである。結論から言えば、幾人かを例外として、彼らの大半はその変化を捉えそこない、日本の国家体制を誤った方向に導いてしまった、というのが私の見立てである。
■問題は既に明らかなように、フォーディズムと戦争の歴史的推移の中にある。そしてこの場合の出発点は何よりも、二〇世紀の戦争の姿を予見した「戦争論」とフォーディズムとの関連を正しく理解することであろう。
■本書ではルーデンドルフ(Erich Ludendorff, 1865-1937)『総力戦』(Der totale Krieg, 1935)を一つの手がかりにして、大日本帝国の「総力戦」と「フォーディズム」の関係について論じたい。ルーデンドルフの著書はクラウゼヴィッツ批判から生まれた二十世紀の戦争の形態を予見した古典的名著である。
(「序文」より)
【目次】
序文
第一部石原莞爾における世界最終戦争への視角
第一章フォーディズム、統制経済、軍の合理化
第二章 「世界最終戦争論」とフォーディズム
第三章東亜連盟論および熱河作戦にあらわれた航空機、戦車、自動車、歩兵の複合
第四章帝国の産軍複合体構想とフォーディズム
補論石原莞爾の王道主義についての歴史的究明

第二部理研コンツェルンと兵器生産
第一章農村解体の危機と農村の工業化
第二章農村の工業化
第三章高賃金・低コストの経済
第四章 「科学主義工業」と航空機生産
第五章原爆計画と科学動員の展開

第三部帝国陸軍の合理化とフォーディズム
第一章帝国の危機におけるヴェルサイユ派の分裂
第二章国家総動員体制成立期における陸軍省動員課長永田鉄山の役割
第三章軍用自動車保護法制定期における日本フォード・日本GMの優位
第四章フォーディズムの受容と文武官僚の役割
第五章思想革命としてのフォーディズム
第六章帝国における装甲機械化兵団運用理論と戦車テクノロジー

第四部世界大恐慌への対応としての帝国における産業合理化
第一章岸信介の生い立ちから農商務省入省まで
第二章岸信介はドイツ産業合理化調査で何を見たのか
第三章産業合理化運動の環としてのフォーディズム
第四章商工省に現われたテクノクラシーの相剋
第五章石橋湛山の産業合理化批判

第五部帝国が支配した港都大連
第一章視聴化された満蒙
第二章公娼制度の定着と婦人救済運動

むすび
本書関連年表/人名索引

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