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黄禍論 -百年の系譜--2020年刊 [移民・難民]

4065209218.jpg黄禍論   百年の系譜
著者 廣部 泉 //ひろべ いずみ  
出版者 講談社
講談社選書メチエ  734
ページ数 237p
大きさ 19cm
出版年 2020.9
ISBN 978-4-06-520921-9
県立図書館収蔵 NDC分類(9版) 316.853
内容紹介
日本と中国が同盟し、西洋が征服される-。日露戦争を契機に生まれ、アメリカの根底に刻まれた強迫観念。政治・外交に影を落とし続ける「人種主義的思考」とは何か。100年以上にわたる「黄色い禍」という言説の系譜を辿る。
アメリカが取り憑かれ続けてきた強迫観念―「アジア人が攻めてくる!」
中国が日本と結び、西洋世界へと牙を剥く。驚異的な人口のパワーに、欧米は飲み込まれてしまう……
こうした「黄色い禍」という強迫的観念は、日露戦争で日本がロシアに勝利したことをきっかけに生まれた。
そしてこの「人種主義的思考」は、西海岸に多くの日系移民が押し寄せたアメリカにおいてはとりわけ強く刻まれ、形を変えながら現在に至るまで、社会・政治のなかに脈々と息づき続けている。
「我々は白人種と交わることのない人々から同質な人々を作り出すことはできない」
―ウィルソン(第28代米大統領・国際連盟提唱者)が署名したアジア人移民排斥を訴える文書
「黒人はアフリカに、黄色人はアジアに、そして白人はヨーロッパとアメリカにいるべきだと強く思うんだ」
―トルーマン(第33代米大統領)が妻に送ったラブレター
コロナ禍によって黄禍論的思考はいまだ欧米社会に根を張っていることが明らかとなり、アメリカでは人種をめぐる対立がいまもってなお深刻であることが露となったいま、トランプ大統領を生み出したアメリカ社会に100年以上根づく「人種主義的思考」の歴史をひもとかなければならない。
国際連盟設立時における人種差別撤廃案の廃案、対日戦争計画策定、日系移民排斥、そして戦後の日米貿易摩擦…政治・外交に影を落とし続ける「人種主義的思考」とは何か。百年以上にわたる「黄色い禍」という言説の系譜を辿る。
目次
第1章 東洋人の群れ―「日中同盟」の悪夢
第2章 幻の「人種平等」―国際連盟設立と人種差別撤廃案、そして「排日移民法」
第3章 汎アジア主義の興隆と破綻
第4章 戦争と人種主義
第5章 消えない恐怖―冷戦下の日米関係
第6章 よみがえる黄禍論
著者紹介
廣部 泉(広部 泉、ひろべ いずみ)
1965年生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了。Ph.D.(歴史学)。明治大学政治経済学部教授。著書に「グルー」「人種戦争という寓話」など。


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