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外来植物が変えた江戸時代--その③ [明治以前・国内]

外来植物が変えた江戸時代  里湖・里海の資源と都市消費
著者 佐野 静代 /著  
ISBN978-4-642-05929-9
新潟市立図書館収蔵  新津館    NDC分類(9版)662.1
 
 里湖・里海と呼ばれる地域が、木綿やサトウキビ、サツマイモなど外来の商品作物栽培との関係でどのように利用され、変容したのかを丹念に検証。干鰯をはじめ水辺から獲得される底泥・水草・海草・海藻・貝類の肥料としての利用ぶり。それが陸上から河川を通じて流入した栄養塩をふたたび陸上へもどす役割をもっていたところ。こんなに海中・湖中の産物が肥料として利用されていた。
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瀬戸内海の島々の「段々畑」成立の事情。「瀬戸の花嫁」で「段々畑と~さよならするのよ~」と歌われる美しい段々畑は、18世紀にサツマイモがこの地域に持ち込まれ、新たに斜面を切り開いた段々畑で栽培されるようになった。その畑にアマモなど海草が大量にすきこまれた。
農作物が商品になると大量に安定的に作らなくてはならないので施肥が不可欠。里山里湖里海の“在来な”草木や海藻海草を肥料にした。その商品とは木綿やサトウキビなど“外来植物”。52頁、里山研究では人為的な施肥は「適度な撹乱」と肯定される。さらに商品作物のためなら外来植物の移入も認めている。101頁、 海の塩分をふくむ藻は田には不向き、主に畑にまいた。178 頁、ソテツは窒素固定ができる救荒食。191頁、 『東汀随筆続編』ウニ等の海肥やしは甘薯に最適。
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