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外来植物が変えた江戸時代--その④ [明治以前・国内]

外来植物が変えた江戸時代  里湖・里海の資源と都市消費
著者 佐野 静代 /著  
ISBN978-4-642-05929-9
新潟市立図書館収蔵  新津館    NDC分類(9版)662.1
佐野 静代氏の論文 2018年3月
 近世における「水田漁猟」の展開と河川流域の環境変化
抄録: 
本稿では環境史の視点から、近世畿内の水田で行われた魚漁と水鳥猟、すなわち「水田漁猟」の実態を解2018明することを試みた。丘陵上の溜池での魚漁は、天保期には入札制と養魚が行われる段階にあったが、これは淀川・大和川上流の山地荒廃に伴い、丘陵谷口に位置する溜池で土砂流入が問題となり、その修築費用をまかなうために取られた方策であった。
一方、淀川沿岸の低湿田での「魚鳥漁猟」については、堀上田との関わりが重視された。淀川の築堤と上流山地からの土砂流出は、淀川自体の河床上昇をもたらし、付近の水田に悪水滞留・湛水田化を引き起こした。その対応として、既存田の堀上田への転換が十九世紀前半の摂津・山城でみられたが、これは米の収穫率の向上以外に、堀潰れでの魚鳥漁猟を目的としていた可能性が高い。
その背景には、京・大坂での「生洲」を中心とする魚鳥の商品需要があり、近世後期の「水田漁猟」が都市消費と直結していたことは重視される。
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