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新型コロナウイルスは変異を繰り返すことで「強毒化」に向かう傾向を持つ--総研大からのプレスリリース [生き物]

新型コロナウイルスは変異を繰り返すことで「強毒化」に向かう傾向を持つ--総研大からのプレスリリース


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しばしば、いわゆる専門家から「ウイルスも共存を目指して弱毒化する」というような、まるでウイルスに意思があるかのごときコメントがなされます。しかし、実際にはウイルスの突然変異には「なんの意思も介在せず」、ただランダムに起こるにすぎません。
その結果、宿主の奪い合いにおいて既存株よりも有利になった時、優勢株が入れ替わるだけです。
SARS-CoV-2も、武漢株→D614G株→アルファ株→デルタ株→オミクロン株と優勢株は入れ替わってきました。

その過程で優勢株を決定づける因子として、感染力と免疫逃避能の大きく2つあり、その総合力で決まる事も分かってきたわけです。例えばミュー株やベータ株はともに非常に高い免疫逃避能を持っていましたが、結局は優勢株になる事はありませんでした。

今回の研究では数理モデルを用いて検討を行い、ウイルスが免疫機構を逃避し続けることで「宿主にとってより重篤な症状をもたらす方向へ、進化の行き先がシフトする一般的傾向がある」事を示したようです。あくまで数理モデルが示す傾向(確率)であって、「弱毒化するか強毒化するか」はその都度、偶然に決まるという点は変わりません。
ちなみに、オミクロン株についてはこれまでのデルタ株までの流れとは系統樹的に全く異なっており、別の場所で進化してヒトに入ってきた事が確実です。デルタ株から変異して弱毒化したわけではありません。

そして当然ながら、オミクロン株はSARS-CoV-2が感染し続ける限り、今後も変異し続けます。
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influenzersさんのツィーターを参考にしました。

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