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日本の軍隊 --兵士たちの近代史ーー2002 [明治以後・国内]

-81%B.jpg日本の軍隊 --兵士たちの近代史

著 吉田 裕 /ヨシダゆたか
出版者 岩波書店
岩波新書 新赤版 番号 816
ページ数 228p
ISBN 4-00-430816-X
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 NDC分類(9版) 392.1
内容紹介
1873年の徴兵令の制定以来,文明開化の推進力となり,全国に近代秩序を浸透させた日本の軍隊.それが反近代的な皇軍へと変貌を遂げたのは,なぜか.日本の民衆にとって,軍隊経験とは,どのような意味があったのか.豊富な史料をもとに,「天皇の軍隊」の内実を解明することで,日本の近代を描き出す.
徴兵→農村社会→階層移動としての主に陸軍を分析して「天皇制ファシズム」が誰によって、何故支持されたかを喝破した。
第一次大戦1918年後まで徴兵検査受検者の識字能力驚いた。陸軍省と文部省調べで30%が読み書き出来ない。尋常小未就学も10%近くいるんだ。1910年代でこれは驚いた。陸軍が農村下層を「救済」する「人生道場」と言われた所以。上等兵進級は34%程度しかいない。大格差社会が浮彫り。
昭和初期までの農村での階層移動における陸軍の役割は、上等兵か曹長満期→故郷に錦→常会・青年団・在郷軍人会→地方議員や自治体官吏という地方農村中心的人材の輩出。徴兵→下士官→陸士→少尉見習士官までいくと予備役→議員確定。村の顔役になる。陸軍徴兵の階層移動が天皇制ファシズムを支えた。
目次
序 章 分析の視角
第一章 近代社会の形成と軍隊
 1 時間・身体・言語
 2 軍隊と「文明開化」
 3 社会の規律化・組織化
-19%B.jpg第二章 軍隊の民衆的基盤
 1 「人生儀礼」としての兵役
 2 軍隊の持つ平等性
 3 社会的な上昇の通路としての軍隊
 4 農村の貧しさ
 5 「忠良」な兵士の供給源
第三章 総力戦の時代へ
 1 軍部の成立
 2 軍改革への着手
 3 軍改革の限界
第四章 十五年戦争と兵士
 1 国軍から皇軍へ
 2 大量動員とその矛盾
あとがき
著者紹介
吉田 裕(よしだ ゆたか)
1954年埼玉県に生まれる
1977年東京教育大学文学部卒業
専攻―日本近現代史
現在―一橋大学名誉教授
著書―『天皇の軍隊と南京事件』(青木書店)
   『昭和天皇の終戦史』(岩波新書)
   『アジア・太平洋戦争』(岩波新書)
   『日本人の戦争観』(岩波現代文庫)
   『兵士たちの戦後史』(岩波現代文庫)
   『現代歴史学と戦争責任』(青木書店)
   『日本軍兵士――アジア・太平洋戦争の現実』(中公新書) ほか

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