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貝と羊の中国人ー新潮新書 169 [ユーラシア・東]

imagesBB.jpg貝と羊の中国人 
著者  加藤徹   
出版年 2006.6
出版者 新潮社  新潮新書  169
ページ数 255p
ISBN 4-10-610169-6
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館
内容紹介
財、貨、賭、買...。義、美、善、養...。貝のつく漢字と羊のつく漢字から、中国人の深層が垣間見える。多神教的で有形の財貨を好んだ殷人の貝の文化。一神教的で無形の主義を重んじた周人の羊の文化。「ホンネ」と「タテマエ」を巧みに使い分ける中国人の祖型は、三千年前の殷周革命にあった。漢字、語法、流民、人口、英雄、領土、国名など、あらゆる角度から、斬新かつ大胆な切り口で、中国と中国人の本質に迫る。
著者紹介
1963(昭和38)年東京都生まれ。広島大学大学院総合科学研究科助教授。東京大学文学部中国語中国文学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。90~91年、中国政府奨学金高級進修生として、北京大学中文係に留学。2002年、『京劇 「政治の国」の俳優群像』で、第24回サントリー学芸賞芸術・文学部門を受賞。その他の著書に『漢文力』『西太后』『漢文の素養』など。
書評
「中国史は、一言でいえば、士大夫という階級が文明を乗っ取る過程の歴史であった」(123ページ)という記述がこの本のエッセンスを凝縮している。
著者によれば、士大夫という中高級官僚群が権力も富も文化もすべてを支配してしまう体制がこの国のここ2000年ぐらいの間に次第に出来上がってきた。この階級は科挙という制度を経れば、基本的には誰でもなることができる立場であったため、だれもがこの地位を目指し、権力と富と文化の独占を望み、能力と力のある者がそれを果たした。
したがって時代は変わり、王朝は代わり、地域は変わっても、士大夫がすべてを握っているという状況は何も変わっていない。そのため中国はいつになっても、権力の象徴的な皇帝と、世の中を牛耳る士大夫、その他大勢という構造から抜け出ることができない。
現在には、著者は触れていない

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