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「脱炭素」/05、地球温暖化~Ⅽ-氷河 [視座をホモサピエンス]

氷河と二酸化炭素。 地球環境変動を大局的に理解する必要がある   「鎌田浩毅の役に立つ地学」より覚え書き
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地球は、陸上に氷河が全く存在しない、かった「無氷河時代」と、氷河があった「氷河時代」とに大きく分けられる。氷河時代は二つに分かれる。
氷河が占める面積が拡大し、陸地の約30%が氷河におおわれる「氷期」。氷期は、地球全体で4℃~5℃程度気温が低下した。氷期には地球上の水が氷として大量に固定されるために、海水面が最大で150m程度低くなることがある。このようなときの日本列島は、ユーラシア大陸の東アジア部とほとんど陸続きになる。
また、氷期と氷期の間は、温暖な時期で、氷河が縮小し「間氷期」と呼ばれる。
最後の氷期は約1万年前に終わり、現在は陸地の10%が氷河におおわれている。次の氷期までの間の間氷期であると考えられている。
氷期と間氷期は繰り返され、今から259万年前に始まる「第四紀」時代には、「ギュンツ」「ミンデル」「リス」「ウルム」と呼ばれる四つの氷期があった。こうした気候変動には周期性が認められ、地学的に極めて重要な意味を持つ。具体的には「2万6000年」「4万1000年」「10万年」という三つの周期である。
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セルビアの学者ミランコビッチ(Milankovitch 1879~1958年)は、地球の自転軸の傾きや公転軌道の変化が、太陽からの日射・太陽エネルギー量の増減変化を招き、増大が温暖化・間氷期の、減小が氷期の原因となるという説を唱えた(1940年)。
最初の2万6000年の周期は、地球の自転軸がコマが軸の周りに円を描くように自転軸が振れ動く「歳差運動」によって生じたものである。
次の4万1000年の周期は、地軸の傾きの変化が生み出したものである。21.5°~24.5°の間で変化する。現在は、23.5°傾いている。
最後の10万年の周期は、地球公転軌道の「離心率」の変化に対応する。なお、離心率とは惑星が回る軌道の形がどれくらい円からずれて細長いかを表す数値である。0.005~0.0543(現在は0.0167)と変化する。
コンピュータなどなかったミランコビッチの時代、彼は大変な手計算を行い、上のような周期性の説を出した。当時は積極的な証拠がなかった。1970年代から始まった深海底の堆積物の研究、放射性同位元素を用いた年代測定の精度の向上、酸素同位体比を用いた古海水温の推定などによって、たしかにミランコビッチの予想通りの周期での気候の変動が見られ、ミランコビッチ説が見直された。

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 過去40万年間の地球と太陽の距離と、平均気温の変化との関係を見ると、両者に関係があることが分かる。すなわち、地球と太陽の距離が大きい時には、地上に届く太陽エネルギーが減少するため、平均気温が低下する。反対に距離が小さい時には太陽エネルギーが増加するため平均気温が上昇する。こうした変動によって氷期と間氷期の繰り返しが生じたのである。
 また、離心率が大きい間氷期には、海面の上昇が起きるため、特徴的な「海進」堆積(たいせき)物が地層として残される。南極大陸に発達する氷床で行われたボーリング調査では、3000メートルを超えるコア(円柱状の氷のサンプル)に過去の氷期と間氷期の繰り返しが明瞭に記録されていた。その結果、今から79万年前までに8回の氷期・間氷期の繰り返しが確認されたのである。こうして過去100万年前まで寒暖の変動が復元されている。
地球の活動では、火山の大噴火で放出される火山灰や火山ガスで、急激な気温低下を引き起こしてる。次はこれを観る

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