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近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム 書誌情報 [隣の異教]

近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム.jpg近代日本の植民地主義とジェンタイル・シオニズム
  内村鑑三・矢内原忠雄・中田重治におけるナショナリズムと世界認識
著者 役重 善洋 [ヤクシゲ ヨシヒロ]  

出版年 2018.3
出版者 インパクト出版会
ページ数 398p
大きさ 22cm
ISBN 978-4-7554-0284-5
県立図書館収蔵
著者等紹介
役重善洋[ヤクシゲ ヨシヒロ]
京都大学大学院人間・環境学研究科修了。大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。博士(人間・環境学、京都大学)。パレスチナの平和を考える会事務局長。専門は、政治思想研究など(この書籍が刊行された当時に掲載されていた情報)
内容紹介
シオニズムという呼名は、反ユダヤ主義が盛んだった19世紀末ヨーロッパで、1890年代に、オーストリアのナータン・ビルンバウムにより考案され、ユダヤ人自ら国家を建設し諸外国に承認させることをシオニズムとしてオーストリア人のテオドール・ヘルツルが訴えた。テオドール・ヘルツルは、1897年バーゼルで第1回シオニスト会議を主宰した。その後に、ユダヤ人によるパレスティナでの民族的国家建設運動を指すようになった。
名前の由来は旧約聖書のゼカリヤ書の8章3節にある「主はこう仰せられる。『わたしはシオンに帰り、エルサレムのただ中に住もう。エルサレムは真実の町と呼ばれ、万軍の主の山は聖なる山と呼ばれよう。』」から来ている。
伝統的なユダヤ教徒は、メシアによるイスラエルの再建というヤハウェの約束を信じてきたから、シオニズムをユダヤ教のメシア信仰に対する裏切りであると評価し、反対する者が多かった。
ジェンタイル・シオニズムとは、非ユダヤ人―主にキリスト教徒―によって支持・支援された、ユダヤ人によるパレスティナでの民族的国家建設運動・シオニズムを指す。
内村鑑三、矢内原忠雄ら日本人クリスチャン知識人のシオニズム運動への共鳴は、グローバルな帝国主義の中でどのような意味を持ったのか。占領された側の抵抗の歴史と重ね合わせながら考察する。
 推薦・板垣雄三。2018年度キリスト教史学会賞受賞。

目次
序論
第一章 植民地主義・民族・キリスト教
第二章 内村鑑三におけるシオニズム論と植民地主義
第三章 矢内原忠雄の再臨信仰とシオニズム
第四章 エルサレム宣教会議と植民地主義
第五章 中田重治のユダヤ人観と日本ホーリネス教会の満州伝道
結論
第一章は、植民地主義・民族・キリスト教それぞれの関係について、世界史的状況、とくに海外の状況について概説的に述べている。 
第二章では、内村鑑三のキリスト教理解の特徴を挙げ、内村におけるシオニズムの影響を解き明かす。 
第三章では矢内原忠雄におけるキリスト教理解を扱っている。 
第四章は欧米の教会や超教派キリスト教組織の立場、彼らのユダヤ観とイスラム観、植民地観を明らかにし、またそのそれぞれが日本における植民地観にどう影響しているか、両者のどこがどう似ているか、について論ずる。
《エキュメニズム(英: Ecumenism)とは、キリスト教の教派を超えた結束を目指す主義、キリスト教の教会一致促進運動のことである。 世界教会主義(せかいきょうかいしゅぎ)ともいう。 転じて、キリスト教相互のみならず、より幅広くキリスト教を含む諸宗教間の対話と協力を目指す運動のことを指す場合もある。》
 
第五章は中田重治のキリスト教理解、「満州」を通過して遥かパレスチナまで至る、というシオニズムの影響を受けた思想を、「満州」と「パレスチナ」という一見無関係な二つの土地を同一線上展開し、中田は「満州」伝道に力を入れていた。シオニズムからの影響を記述する。
《ホーリネス (Holiness) とは、もともとは、ヘブル語の「聖」の意味する概念から、(神によって)聖化を指す語であり、特にこれを強調する教派の呼称とされることが多い。 日本では中田重治を指導者とした信仰・運動・教派・教会について呼ばれる。》

続ける。

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