SSブログ

リスク化する日本社会 -ウルリッヒ・ベックとの対話--ベックが福島第一原発の事故を論じた貴重な論考・序文も収録--岩波書店 ㈡ [福島第一原子力発電所事故(2011)]

リスク化する日本社会71Jdoy4GvTL.jpgリスク化する日本社会 
副タイトル1 ウルリッヒ・ベックとの対話
著者1 ウルリッヒ ベック /編, 鈴木宗徳 /編, 伊藤美登里 /編, 三上剛史 /ほか著  
出版年 2011.7
出版者 岩波書店
一般件名 社会学 , リスク
ページ数 15,274p
大きさ 19cm
ISBN 978-4-00-025567-7
新潟県立図書館収蔵
内容紹介
様々な危機や不安に直面する日本社会にとって、人々の生活や人生上のリスクを安定化する装置がどのようなものであるべきかが問われている。本書は、リスク社会論の第一人者との対話から、そのためのヒントを探る試みである。「個人化」「第二の近代」「コスモポリタン化」といったベック理論の重要概念に批判的な検討を加えながら、社会理論の役割、リスクの時代の家族と社会保障、日本と東アジアにおける多元的近代をめぐって議論が展開される。2010年秋の連続シンポジウムの記録に、ベックが福島第一原発の事故を論じた貴重な論考・序文も収録
■編者 鈴木宗徳からのメッセージ
リスク社会論の始祖の目を通して日本社会を見る
 ウルリッヒ・ベックのリスク社会論は,社会学者であれば誰しもその重要性に気づきながら,これまで充分に紹介・検討されてきたとは言えません.アンソニー・ギデンズ,ジグムント・バウマン,リチャード・セネット,ロベール・カステルなど,近代社会が新たな段階に入ったことを強調する一群の社会学者の著作を読めば,彼らがどれだけベックから影響を受けていたかは,すぐに分かります.リスク,不確実性,不安….ベックこそ,そうした時代の空気をいち早くつかみ,社会学の課題として定式化した始祖であると言ってよいでしょう.そして,彼の思想形成にもっとも大きな影響を与えたのが,妻であるエリーザベト・ベック=ゲルンスハイムです.
 本書は,そのベック夫妻を迎えて2010年秋に行われた,来日シンポジウムの記録です.遅すぎた初来日講演でしたが,その成果はわれわれの期待を超えるものでした.末尾におかれたベックによるリプライ,「個人化する日本社会のゆくえ」を読んでいただければ,彼が日本側の報告者に対しどれだけ真摯に応答してくれたかが,分かるでしょう.福島第一原発事故について書き下ろしてくれた「この機会に」も見逃せません.リスク社会論や個人化論の考え方を通して日本社会の現在を見つめたい方に,広く読んでいただければと思います.
内容一覧
タイトル 著者名 ページ
はじめに
鈴木宗徳
伊藤美登里
この機会に――福島,あるいは世界リスク社会における日本の未来 ウルリッヒ ベック/著 1‐12
I 再帰的近代化の中の個人と社会――社会理論の現在
第1章 個人化の多様性――ヨーロッパの視座と東アジアの視座 ウルリッヒ ベック/著 15‐35
第2章 個人化論の位相――「第二の近代」というフレーム 三上剛史/著 37‐51
第3章 2010年代の日本における個人化とベックの理論 樫村愛子/著 53‐69
II リスクの時代の家族と社会保障――ベック理論との対話
第4章 リスク社会における家族と社会保障 ウルリッヒ ベック/著 73‐87
第5章 個人化とグローバル化の
時代における家族 エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム/著 89‐101
第6章 個人化と家族主義――東アジアとヨーロッパ,そして日本 落合恵美子/著 103‐125
第7章 日本における個人化の現象――福祉国家をとおしてみる 武川正吾/著 127‐139
III 日本と東アジアにおける多元的近代
第8章 第二の近代の多様性とコスモポリタン的構想 ウルリッヒ ベック/著 143‐161
第9章 東アジアにおける第二の近代の
社会変容とリスク予防ガバナンス
――ウルリッヒ・ベックとの対話
韓相震/著 163‐218
第10章 社会学理論,第二の近代,「日本」
――アジア的パースペクティヴとコスモポリタン化をめぐるベックとの対話
油井清光/著 219‐243
IV 個人化する日本社会のゆくえ
――コメントに対するコメント
ウルリッヒ ベック/著 245‐274
著者紹介
著者 ウルリッヒ ベック (Ulrich Beck)1944年生まれ。元ミュンヘン大学教授。社会学者。リスク社会論の第一人者。リスク社会論の第一人者として大きな影響力を持つ。福島第一原発事故を受けて設置されたドイツ政府の「安全なエネルギー供給のための倫理委員会」委員も務める
エリーザベト・ベック=ゲルンスハイム(Elisabeth Beck-Gernsheim)
 1946年生まれ.元エアランゲン―ニュルンベルク大学教授.家族社会学.ウルリッヒ・ベックとの共著Individualization(個人化),Das ganz normale Chaos der Liebe(愛という全く普通のカオス)など著書多数.邦訳書に『子どもをもつという選択』,『出生率はなぜ下がったか』(以上,勁草書房)がある.
著者 鈴木宗徳(すずき・むねのり) 1968年生まれ。法政大学社会学部准教授。理論社会学。
   伊藤美登里(いとう・みどり) 1965年生まれ。大妻女子大学人間関係学部教授。社会学史、知識社会学

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

Facebook コメント