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兵庫・食肉センター> 屠畜人 [食から見る]

 兵庫県内で4月、牛の屠畜(とちく)人に会い、手を見せてもらった。職人と称される人の手は、その仕事の本質、その人のキャリア、くせまでも想起させる。「他人(ひと)様に見せるもんとちゃう」。職人たちは口をそろえながらも、拒まず、むしろ「見てくれ」と言わんばかりに差し出してきた。
 屠畜人 仕立てる誇り イメージ.jpg
40代の屠畜人の手。皮や肉をつかむため指は前かがみで太く、関節は大きい。
ナイフで受傷した複数の縫い痕が残る(兵庫県内で)
 ハンバーグ、すき焼き、しょうが焼き、唐揚げ。人気のおかずは、牛、豚、鶏の「食肉」から調理される。戦後日本人のタンパク源として、現代は世界遺産「和食」の食材としても欠かせない。
 体重500キロを超える和牛がどうやったら食卓に上るのか。農家が育てた「命」は、屠(ほふ)られて初めて「食べ物」になり、枝肉として取引され、ロースやバラなどとしてスーパーや精肉店に並ぶ。利用が禁じられている脳や脊髄を除く食用以外の部位は、バッグや靴、医薬品、化粧品の原材料になる。
 文字通り屠畜人が命を屠り、誰もが「いただいている」構図だ。


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