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クリーンミート==ポール・シャピロ/著 -- 日経BP -- 2020.1 [食から見る]

714SlAjpAIL.jpgクリーンミート ;Clean meat

副タイトル 培養肉が世界を変える /div>
著者 ポール・シャピロ Paul Shapiro/著,
訳者 鈴木 素子   
出版者 日経BP
ページ数 364p
大きさ 19cm
ISBN 978-4-8222-8861-7
新潟市立図書館収蔵 豊栄館
県立図書館収蔵  NDC分類(9版) 648.2
内容紹介
クリーンミートとは、細胞から人工培養でつくる食肉のこと。培養技術で肉をつくれば、動物を飼育して殺すよりも多くの資源を節減できる。細胞農業で畜産業を根本から改革しようと立ち上がった人々を描くノンフィクション。
大量の水と土地と時間をつかって穀物を収穫し、食肉にするための動物に与えて育て、殺し、人間が消費する。地球環境にとっても動物にとっても問題がある。培養技術で肉をつくれば、成長ホルモン、農薬、大腸菌、食品添加物に汚染せず安全性も高く、はるかに多くの資源を節減できるうえ、気候変動に与える影響もずっと少なくてすむ。2013年に世界初の培養ハンバーグがつくられ、その後もスタートアップが技術開発を進めている。
シリコンバレー、ニューヨーク、オランダ、日本など世界の起業家たちがこのクレイジーな事業に大真面目に取り組み、先を見据えた投資家たちが資金を投入している。フードテックの最前線に迫る!
目次
第1章 培養肉をつくる
第2章 科学の進歩で動物を救う
第3章 グーグル創業者からの支援を武器にする
第4章 培養レザーで先陣を切る
第5章 クリーンミート、アメリカ上陸
第6章 プロジェクト・ジェイク
第7章 食品(と物議)を醸す
第8章 未来を味わう
著者紹介
ポール・シャピロ(Paul Shapiro)
動物の体外で育った本物の肉を食べた人の数が、まだ宇宙へ行った人よりも少なかったころ、初めてクリーンミートを口にした。クリーンミートを食べた最初の人類に数えられると同時に、動物愛護の組織「Compassion Over Killing」の設立者。また、最近「動物愛護の殿堂」入りを果たした。日刊紙から学術雑誌に至るまでさまざまな媒体で、動物に関する記事を多数発表している。
鈴木 素子(すずき もとこ)
埼玉大学教養学部卒。訳書に『ノマド―漂流する高齢労働者たち』(春秋社)、『GET UP !座りっぱなしが死を招く』(KADOKAWA)、『ファストファッション―クローゼットの中の憂鬱』(春秋社)、『HYGGE バツ2 アラフィフこじらせキャリアウーマンの人生再生物語』(大和書房)など。
関連
楽しく悩んで、食の未来を変える~「培養肉」研究の最前線~
東京大学大学院 知能機械情報学 生産技術研究所(兼務)教授 竹内昌治(たけうち・しょうじ)さん
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「肉の代用品」自体は新しい考え方ではない。豆腐ステーキや大豆ミート、そして日本人になじみの深い精進料理でも、肉や魚に見立てた料理が振舞われている。2013年に世界で初めて培養肉でハンバーガーをオランダ・マーストリヒト大学のマーク・ポスト教授がつくり、試食会を開催した。味や価格には課題が残り、肉の代わりとなるほど普及してない。
試食会で出された培養肉バーガー1個・100gでの値段は、研究費込みで約3500万円。培養法や培養液の改良を重ねることで、従来のハンバーガー以下の値段を目指し、筋細胞と脂肪細胞のバランスを適切にすることによって、味・香り・触感を高める努力がなされている。
竹内昌治・東大教授・さんら研究チームは、科学技術振興機構(JST)の支援を受け研究を進めている。2019年3月に世界初の立体的な培養肉「サイコロステーキ状の培養肉」(1.0cm×0.8cm×0.7cm)を発表。
培養肉の研究には、再生医療の知見が大きく貢献している。体外で細胞から組織をつくる「ティッシュエンジニアリング」と呼ばれる技術は、再生医療の分野で1990年代から盛んに研究されてきた。逆に、培養肉など体外で立体的な組織を作る研究は、食用だけでなく創薬分野での利用も期待される。薬の開発には膨大なコストがかかっており、その過程では動物実験が行われるなど倫理的な問題も見逃せない。その点、人の細胞から作った立体組織で薬効をテストすることができれば、コストも倫理的な問題もクリアできる可能性がある。

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