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麦の自然史 =佐藤洋一郎/編著 -- 北海道大学出版会 -- 2010 [視座をホモサピエンス]

麦の自然史 =人と自然が育んだムギ農耕

著者1 佐藤洋一郎 /編著, 加藤鎌司 /編著  
麦の自然史L.jpg出版年 2010.3
出版者 北海道大学出版会
一般件名
ページ数 10,400p
大きさ 21cm
ISBN 978-4-8329-8190-4
県立図書館収蔵 /616/Sa85/
新潟市図書館収蔵 豊栄館 NDC分類(9版) 616.3
内容紹介
地球環境問題が深刻化する今、麦というものをどう考え、生産し続ければよいか。人が麦を栽培し始めてから現在までの人と麦の関係を多様な視点から考える。
●編者紹介
佐藤洋一郎(さとう よういちろう)
1952年生まれ
京都大学大学院農学研究科修士課程修了
総合地球環境学研究所副所長・教授 農学博士
序章執筆
主 著 塩の文明誌(共著,NHKブックス,2009),イネの歴史(学術選書,2008),よみがえる緑のシルクロード(岩波ジュニア新書,2006),稲の日本史(角川選書,2002)など
加藤 鎌司(かとう けんじ)
1958年生まれ
京都大学大学院農学研究科修士課程修了
岡山大学大学院自然科学研究科(農学系)教授 農学博士
第6章・コラム3「日本での麺類の起源と歴史」執筆
●本書の特徴
本書は、人類にとって最重要作物の一つである麦についての、栽培植物学、植物遺伝学、考古学など幅広い分野から纏めた学術教養書である。本書は5部15章から構成されている。
 第I部では本書を読み進めるにあたっての基礎知識を概説する。第1章では、日欧二つの地域での違いを紹介し、「ムギ」とは何かを明らかにする。河原太八:京都大学大学院農学研究科准教授・執筆
第2章では、古文書の調査から明らかになったムギの歴史を紹介する。渡部 武:東海大学文学部特認教授・執筆
第II部では麦作農耕の起源について解説する。
第3章では、栽培コムギや野生コムギの間での交雑と染色体数の倍加により倍数性進化をとげたコムギの祖先種や起源地について紹介する。森 直樹:神戸大学大学院農学研究科准教授・執筆
第4章では、どんな環境で農耕が始められたのか? どのように発展したのか? 農耕によってムギや環境はどう変わったのか? について解説する。丹野研一:山口大学農学部助教・執筆
第5章では、遺跡から出土した石器の分析を通して西アジアの初期農耕について紹介する。有村 誠:東京文化財研究所文化遺産国際協力センター特別研究員・執筆
第Ⅲ部では、その伝播の歴史をシルクロードを舞台に雄大に解説する。
第6章では、シルクロード周辺地域(トルコ~中国)のコムギを用いた分子遺伝研究から明らかになったコムギの伝播経路を、現地でのフィールド調査も含めて紹介する。加藤 鎌司;岡山大学大学院自然科学研究科(農学系)教授・執筆
第7章では、中国新疆で発見された小河墓遺跡出土種子のDNA分析によりシルクロードを伝播したコムギの具体像を再現した成果を紹介する。西田英隆:岡山大学大学院自然科学研究科助教・執筆)
第8章では、各種の遺伝研究や最近のDNA解析の結果も踏まえて、オオムギの進化と伝播について紹介する。武田和義:岡山大学名誉教授・執筆
第9章では、コムギ畑の随伴雑草であるライムギがコムギ栽培の拡大とともに中央アジア各地に広がり、寒い地域においてコムギに代わる作物として進化したことを紹介する。辻本 壽:鳥取大学農学部教授・執筆
第10章では、日本人には馴染みの薄いエンバクの紹介から始まり、その起源と進化を紹介する。森川利信:大阪府立大学大学院生命環境科学研究科准教授・執筆
第11章では、ムギに擬態するドクムギの、栽培ムギおよびそれを栽培する人間との関わりを紹介し、世界各地で採集したドクムギの遺伝的解析からその起源や伝播経路を推定する。富永 達:京都大学大学院農学研究科教授・執筆
第Ⅳ部で文化としての麦の利用を紹介する。
第12章では、世界各地でのパンづくりを支えている酵母から、人とコムギ、環境との関わりを紹介する。長野宏子:岐阜大学教育学部教授・執筆
第13章では、ヨーロッパスペルタコムギなどの皮性コムギが未だに栽培されている地域における、民族・文化との深い関わりと作物および品種多様性との関係を紹介する。大田正次:福井県立大学生物資源学部教授・執筆
第Ⅴ部では多様性の危機を訴える。
第14章では、栽培植物とその近縁植物の関係、遺伝資源としての重要性、そしてその保全について紹介する。コムギとその近縁種について、どのような種があるかや、収集と保存の歴史についても述べる。河原太八:京都大学大学院農学研究科准教授・執筆
第15章では、自生地における野生種の多様性、遺伝子交流の事例を、日本の野生ムギ類も交えて紹介し、生息地そのものを遺伝資源としてとらえ保存する自生地保存の重要性を訴える。笹沼恒男:山形大学農学部准教授・執筆

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