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近東、オリエントの奴隷制度 [ユーラシア・近東]


アラブ・中東社会・オリエント世界におけるイスラム成立・七世紀以前の奴隷

★ ドイツの歴史学者ミュラーによると、イスラム以前のオリエント世界の奴隷制では、戦争捕虜、女奴隷の子供、債務を返済できない者、売却された子供、罪人、略奪された者などが奴隷とされた。また、イスラム以前のメッカでは香辛料や織物、貴金属などの貴重品と並んで奴隷の売買も盛んであり、既に奴隷売買の慣行が存在していた。

イスラム成立時である七世紀から二〇世紀初頭まで千年以上にわたって奴隷制・奴隷売買は続いた

イスラムには奴隷制はどのように継受されたのだろうか。

イスラム社会第一の法源であるクルアーン(コーラン)において、例えば第二章一七八節では、次のように述べられている。

「信仰する者よ、あなたがたには殺害に対する報復が定められた。自由人には自由人、奴隷には奴隷、婦人には婦人と」

 こうした章句により、奴隷の存在はアッラーに認められたものとされていた。預言者ムハンマドの言行録であるハディースでも、奴隷に対する親切な取り扱いが繰り返し説かれた。

 変化してマムルーク朝期に至り、そして二〇世紀初頭に廃止に至った・・・


波戸愛美(はと まなみ)著

『アラビアン・ナイトの中の女奴隷──裏から見た中世の中東社会』

出版社: 風響社 (ブックレット《アジアを学ぼう》別巻 8)
ISBN-13: 978-4894897786
発刊日: 2014/10/25


の「奴隷の定義」より


アラビアン・ナイトの中の女奴隷sL.jpg

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