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水俣認定審査会回答についての検討会 公開質問状 昭和57年 [新潟水俣病未認定患者を守る会]

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                                                 守る会事務局
 検討会は、水俣病被害者の会より、4地区7名の患者さんを含め、市民各層の参加で熱心に話し合われた。当日の主な内容は次のとおり。
(1)「審査委員の中には、自分では患者を診察しない人もいる」という回答について
  患者さんは、「実際に一度も水俣病患者を診ないで審査ができるのか」「産婦人科の人が我々を審査するのか」などと述べた。
(2)「水俣病の全体像が医学的に明らかになった」「全身病ではない」について
 「自分は40代で白内障の手術をうけた」「体質によっては糖尿病など内臓にも影響があるのではないか」「患者の中には歯が悪くなる人が多い」などの発言があいついだ。九州では「医学的に明らかになったとは思わない」という審査会の回答があり、新潟の審査会は思いあがっているのではないか。

(3)審査会のランク付けについて
  Hさん(水原町)「そもそも①②③……などのランクをつけたのは誰なのか。ラジオ体操じゃあるまいし―。自分らは魚を食べて身体が悪くなったんだ。体力がちがうから重い人も軽い人もいるが水俣病には違いはない」「妻が足が悪くなり、つまづきやすくなった。棄却され県に聞きに行ったら『下半身は水俣病だが上半身はそうではない』と云われた。バカにして-。」
  Wさん(水原町)「結局、棄却するためにつくられたのがランクだ」「くしゃみしても熱が出ても風邪には違いない」「胃カイヨウなら手術するくらい悪いのも、薬を飲むだけのも同じ胃カイヨウだ。水俣病だけ何故ランクづけするのか。」
  Hさん(安田町)「ランク付けは、医師が治療するときに必要なものであるはず。治療しない審査会はランクづけの必要ない。」
  そして④ランクが「判断できない」と答申しておきながら、県が④ランク以下を棄却処分にしていることを知っている-と、回答している審査会に対しては無責任だという声が出た。
  一番、議論になった所である。
 (4)逆転認定されたWさんについて
  椿審査会は、今も「Wさんは水俣病でない」という態度。県から認定したという報告はあったが諮問はなかったという回答。
  「国の裁決で、椿審査会が4ランクに答申した判断を誤まりだとしているのに、椿は国の担当医師より自分の判断の方が正しいと今でも思っているらしいが思いあがりだ」「しかし、県が独自に認定したというなら、今後は行政にも交渉していこう」「椿先生は自分の判断に自信があるなら、県にキチンと意見を言えばいい」……

(5)審査のやり方について
  「九州では全会一致制なのに、新潟では合議制という。同じ国の公害病認定制度なのにやり方 が違うとは-。」「議事録がないとは。一体誰が責任をとるのか」「主治医や本人に審査内容を 知らせないのはおかしい」「主治医の診断書を尊重して認定すべきだ」
 全くおかしい審査会だ。

               
(6)医師としての立場というが
  「患者が治療を求めてくるなら適切な治療をするのがよいと言いながら主治医にも病名を教えないという。」東京にいる椿先生に治療してもらうのは、実際には、ほとんど不可能です。
(7)要望・意見など
  Iさん(安田町)「本人が第一だ。もっと医師に自分で訴えていこう」
  Kさん(新潟巾)「最近、再申請の精検がはじまったが、過去と比べて格段にていねいに診てくれる。しかし、眼科で診断書を出してほしいと頼んだが裁判につかうのならダメだと言われた」
  Hさん(水原町)「とにかく、なりたくてなった病気ではない。基準やランクは不必要だから撤廃してほしい」
  Iさん(安田町)「魚をあまりたくさん食べていないと思われているらしいが、それが不満だ」
 Iさん(新潟市)「昭和40年のとき、自分の毛髪は104ppmだった。このデータは、今どうなっているのか。」
 最後に全員の声。
  「この回答ではわかりにくい、直接、審査会と交渉してわかりやすく説明してほしい」「県にも、これとは別に交渉すべきだ」

(感 想)
 患者さんの審査会(=椿氏)に対する見方は、大変厳しいものだった。私たち患者でない者は時として、審査会の医師や行政の立場を許してしまう甘さをもっている。被害者の具体的事実の数々が力をもって訴えかけてきた。
 公開質問状を手渡した時、ある審査委員(新大教授)は「椿さんは、あんなに一生懸命なさっているのに、患者や皆さんから批判されてかわいそうだ」と述べた。又、ある委員は「僕は、水俣病のことは何もわからんのだよ。全て櫓先生にまかせてある」………。いつか、県もこのようなことを言っていたっけ-。                    
(レポート:高見)
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