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反穀物の人類史--2019-新潟市立図書館収蔵 [生き物]

反穀物の人類史  ジェームズ・C.スコット James C. Scott/[著]
原書 Against the grain
--みすず書房
--2019.12--
15,232,42p
ISBN/ISSN:4-622-08865-3
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 2階歴史 /209.2/スコ/
豊かな採集生活を謳歌した「野蛮人」はいかにして原始国家に隷属し家畜化されたのか。農業革命への常識を覆し、新たな歴史観を提示。
「ある感覚が要求してくる——わたしたちが定住し、穀物を栽培し、家畜を育てながら、現在国家とよんでいる新奇な制度によって支配される「臣民」となった経緯を知るために、深層史(ディープ・ヒストリー)を探れ、と…」
ティグリス=ユーフラテス川の流域に国家が生まれたのが、作物栽培と定住が始まってから4000年以上もあとだったのはなぜだろうか? 著者は「ホモ・サピエンスは待ちかねたように腰を落ち着けて永住し、数十万年におよぶ移動と周期的転居の生活を喜んで終わらせた」のではないと論じる。
キーワードは動植物、人間の〈飼い馴らし〉だ。それは「動植物の遺伝子構造と形態を変えてしまった。非常に人工的な環境が生まれ、そこにダーウィン的な選択圧が働いて、新しい適応が進んだ…人類もまた狭い空間への閉じこめによって、過密状態によって、身体活動や社会組織のパターンの変化によって、飼い馴らされてきた
最初期の国家で非エリート層にのしかかった負担とは? 国家形成における穀物の役割とは? 農業国家による強制の手法と、その脆弱さとは? 考古学、人類学などの最新成果をもとに、壮大な仮説を提示する。
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ジェームズ・C・スコット
James C. Scott
1936年生まれ。イェール大学政治学部・人類学部教授。全米芸術科学アカデミーのフェローであり、自宅で農業・養蜂も営む。東南アジアをフィールドに、地主や国家の権力に対する農民の日常的抵抗論を学問的に展開した。ウィリアムズ大学を卒業後、1967年にイエール大学より政治学の博士号を取得。ウィスコンシン大学マディソン校政治学部助教授を経て、1976年より現職。2010年には、第21回福岡アジア文化賞を受賞。著書 『反穀物の人類史——国家誕生のディープヒストリー』(立木勝訳、みすず書房、2019)『実践 日々のアナキズム——世界に抗う土着の秩序の作り方』(清水展他訳、岩波書店、2017)『ゾミア——脱国家の世界史』(佐藤仁監訳、みすず書房、2013)ほか。

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