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歴史の中の多様な「性」 三橋 順子 /著 2022 [明治以前・国内]

FoE7-19agAAG1qw.jpg歴史の中の多様な「性」
    日本とアジア変幻するセクシュアリティ
著者 三橋 順子 /みはし じゅんこ
出版者 岩波書店
出版年 2022.7
ページ数 13,369p 大きさ 20cm
ISBN 978-4-00-025675-9
新潟市立図書館収蔵 豊栄館 社会 /367/ミ/

内容紹介

かつて日本は「性の多様性」に寛容でした。異性愛規範が強化されたのは西洋化以降であり、それ以前のアジアでは豊かな性別越境文化が築かれていました。ヤマトタケルの時代から現代まで、民俗学や地理学の手法も駆使し縦横無尽に「性」の多様性を検証します。
 西洋化以前、日本とアジアでは豊かな性別越境文化が築かれていた。「伝統的」な「性」とは何か。抑圧の中で文化をつないだ性的マイノリティたちの歩みを文献に基づいて活写し、現代における「性の多様性」議論に一石を投じる。
私・著者はセクシュアリティ、ジェンダーは構築主義の立場をとる。つまり性欲の存在そのものは動物としての人間の本能に由来するが、その性欲が何によって喚起され、何に欲情す るかという性欲の質は、社会的・文化的に構築される要素が大きいと考える。また、個人の性的欲望が存在することと、その存在が人々にある程度、認知され、制度や商業などの形で社会システム 化されることとは別の問題であると考える。 
 この本では、性的多様性は歴史の中にあることを私なりに論証していきたい。まず第Ⅰ部では基本認識的なことを述べる。第1章では日本の前近代と近代以降のジェンダー&セクシュアリティ観 の変遷について論じる。第2章は性別越境文化の原理、第3章は同性間性愛の普遍性とそれに対す る抑圧について解説する。 
 第Ⅱ部は個別の論考で、日本の歴史の中から性的な多様性を提示する。第4章は平安時代末期の ある貴族男性のセクシュアリティ、第5章は薩摩藩の男色文化とその後、第6章は鹿児島出身のあ る力士にかかわる民話、第7・8章は明治「文明開化」期以降の女装・男装、第9章は二〇世紀の 女装文化、第10章は女性同性愛について述べる。 
 第Ⅲ部は視点を海外に広げる。第11章はインドのヒジュラを起点に世界のサード・ジェンダーを めぐる。第12章は中国の、第13章は朝鮮の性別越境文化を探る。 
 そして、まとめとして、第14章は「伝統的」な「性」の在り様について考えることで、歴史と現在をつないでみたい。 
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