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帝国のフロンティアをもとめてー2022年刊 [移民・難民]

1092-2.jpg帝国のフロンティアをもとめて
日本人の環太平洋移動と入植者植民地主義
東 栄一郎 著  飯島真里子・今野裕子・佐原彩子・佃 陽子 訳
名古屋大学出版会
(2022/06/10発売)
ISBN 978-4815810924


環太平洋の各地へと展開した日本人移植民の知られざる相互関係を、入植者植民地主義セトラー・コロニアリズムの概念を用いて一貫して把握。移民排斥を受けた日系アメリカ人によって帝国内外へ移転された人流、知識、技術、イデオロギーの衝撃を初めて捉え、見過ごされたグローバルな帝国の連鎖を浮かび上がらせる。アメリカ歴史学会ジョン・K・フェアバンク賞受賞

著者

東 栄一郎(Eiichiro Azuma)

1966年東京都に生まれる。現在、ペンシルベニア大学歴史学部教授。著書に『日系アメリカ移民 二つの帝国のはざまで』(飯野正子監訳、明石書店、2014年、原書は2005年、アメリカ学会清水博賞、アメリカ移民・エスニック史学会セオドル・サロートス賞、アジア系アメリカ人研究学会歴史賞受賞)。

(所属等は本邦訳刊行時のものです)



目 次

序 章 日本帝国の入植者植民地主義と環太平洋移動

     帝国により分割された太平洋

     間帝国の視点からみた入植者植民地主義

     アメリカのフロンティア神話と人種的排斥

     日本型入植者植民地主義の多様性と歴史的変遷


  第Ⅰ部 太平洋地域進出の展望 1884-1907年


第1章 日本型入植者植民地主義の起源とアメリカ

     福澤諭吉と入植者植民地主義

     膨張主義者ネットワーク

     白人至上主義と日本人フロンティアの喪失


第2章 太平洋を横断する膨張民族の先駆者たち

     在米日本人膨張主義者と日本殖民協会

     開拓者の北東アジア・南洋への移動

     人種差別のない新天地と同化主義

     アメリカから中国の新天地へ

     移民会社と大規模移民送出の事業化


  第Ⅱ部 海外発展の最盛期 1908-28年


第3章 入植者植民地主義における官民の融合

      —— 太平洋にひろがるフロンティア

     小村ドクトリンと植民地政策

     朝鮮とブラジルの新天地開拓における官民のつながり

     米墨国境地域における植民資本とアメリカ日系社会


第4章 アメリカの移民排斥とブラジル新天地への再移民

     官民入植者植民地主義の統合

     政府による国民意識の形成

     アメリカ移民法と増大する日本政府の役割

     ブラジルへの入植者植民地主義とアメリカ日系社会


  第Ⅲ部 日本帝国の入植者植民地主義の先兵 1924-45年


第5章 カリフォルニアから満洲へ

      —— アメリカ人種主義とフロンティア

     人種主義とカリフォルニア

     千葉豊治 —— アメリカ式「機械農業」の輸入

     粟屋万衛 —— 満洲における大陸農業の先駆者

     佐藤信元 —— 植民地政府による「機械農場」の建設

     北米からの再移民と満洲国の植民地政策

     渡邊金三 —— 大規模干拓事業の立案者


第6章 ハワイ日系社会と熱帯植民地の結びつき

      —— 日本帝国統治下の台湾・南洋への再移民

     台湾と南洋群島への再移民

     日本の熱帯地域における植民地投資家とコーヒー栽培者

     ハワイ日本人移民と台湾におけるパイナップル産業

     岡崎仁平 —— 台湾パイナップル産業のハワイ化

     ハワイ化の負の遺産


  第Ⅳ部 正史と未来の創造 1932-45年


第7章 アメリカ日系一世と日本帝国の膨張論

     一世の歴史創造

     日本帝国における国家言説の創造

     おけい —— 農業移民と満洲植民の交錯

     1940年海外同胞東京大会


第8章 日本民族の血とその宿命

     第二世教育と海外出生同胞の日本化

     直接的国家事業としての第二世教育

     海外出生日本人の皇民化の軍国主義的試み


エピローグ 日本型入植者植民地主義のゆくえ


 日本語版へのあとがき

 訳者解説

 注

 索 引


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