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無痛文明論ー2003 ① [思考の型]

4194SG7RFRL.jpg無痛文明論
著者名1 森岡 正博 /著  
出版者 トランスビュー
出版年 2003.10
ページ数 1,451p
大きさ 22cm
ISBN 4-901510-18-5
新潟市立図書館収蔵 中央ホンポート館 /114/モ/


はじめに
 現代社会は、いま、「無痛文明」という病理に飲み込まれようとしているのではないだろうか。快にまみれた不安のなかで、よろこびを見失った反復のなかで、どこまで行っても出口のない迷路のなかで、それでもなお人生を侮いなく生き切りたいと心のどこかで思っている人々に、私はこの本を届けたい。                    ‐ 第一章から第六章までは、1998年から2000年まで雑誌に連載されたものを、原型をとどめいくらい書き直したものである。この連載は、思相に関心をもつ人々のあいだで大きな反響を呼んだ。その後、結論部分にあたる第七章と第八章を、本書のために書き下ろした。第八章において、「無痛文明」の秘密が、最終的に解き明かされる。 
 現代社会のなかで、真綿に包まれるような漠然とした不安を覚えるとき、われわれは直観的に「無痛文明」の存在を感じ取っているのかもしれない。この本は、読者が一度は感じたことのあるであろうそのような感覚に、言葉を与えようとする試みなのである。
目次
第一章 無痛文明とは何か―――3
 無痛文明―――3
/人間の「自己家畜化」―――5
/身体の欲望―――10
/「生命のよろこび」とは何か―――16
/「無痛文明」への進化―――24
/無痛文明の中の人間―――33
/無痛文明論の語り方―――39
第二章 無痛文明における愛の条件
 「生命の品質管理学」の登場―――46
/選択的中絶と条件付の愛―――50
/「条件付ではない愛」とは何か―――58
/無痛文明における愛―――77
/セックスと自傷行為―――85
/無痛文明の二つの戦略―――90
第三章 無痛奔流
 大きな渦の中で―――97
/刃物は誰に向かって突き出されているか―――101
/無痛文明からの様々な攻撃のかたち―――113
/「身体の欲望」と「生命の力」の戦い―――120
/自縄自縛の三つの次元―――122
/敵はどこにいるのか―――128
第四章 暗闇の中での自己解体
 私を起点として―――136
/社会レベルにおける自縄自縛の解体―――143
/共犯関係的支配を解きほぐす―――148
/アイデンティティと中心軸―――162
/私自身の場合―――173
/「出会い」の意味論―――187
/果てしなきプロセスとしての愛―――193
/絶対孤独ということ―――198
第五章 身体の欲望から生命の欲望へ
 「身体の欲望」と「生命の欲望」―――210
/苦しみをくぐり抜けること―――212
/エロス的な交わりのために―――214
/領土拡大に抗して―――217
/捕食の連鎖―――224
/出世前診断を例に考える―――233
/身体・生命・知の三元論―――236
/無痛文明を解体し尽くすために―――240
第六章 自然化するテクノロジーの罠
 二重管理構構造―――248
/ランドスケープ・イマージョン―――255
/「聖なる場所」への侵入―――260
/自然の背後をあばき出す―――268
/無痛文明における「自然」の意味―――272
/崩壊への戦略―――278
第7章 「私の死」と無痛文明
 死の思索―――290
/死の恐怖―――294
/「私の死」が恐ろしいのはなぜか―――301
/出来事としての「私の死」―――312
/観念としての「私の死」―――318
/中心軸通路―――335
第8章 自己治癒する無痛文明
 資本主義と無痛奔流―――341
/欲望を再考する―――355
/開花の学―――360
/捕食の思想と宇宙回帰の知―――368
/中心軸回路網―――388
/無痛化装置―――394
/無痛化装置の解体―――402
/自己治癒するシステム―――410
/自己治癒するシステムとの戦いとその運命―――430
/ペネトレイター―――443
あとがき―――450
続ける


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