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家族システムの起源 1-2011ー邦訳・藤原書店・2016 [ユーラシア・米両大陸・アフリカ]

家族システムの起源89.jpg家族システムの起源 1
原タイトル: L'ORIGINE DES SYSTEMES FAMILIAUX.Tome 1:L'EURASIE--2011
〔上〕
巻の書名 ユ-ラシア
各巻巻次
〔下〕
巻の書名 ユ-ラシア
各巻巻次
著者1 エマニュエル トッド /著, 石崎晴己 /監訳, 片桐友紀子 /〔ほか〕訳
出版年 2016.7
出版者 藤原書店
ページ数 上巻=417p:下巻=p420~937
大きさ 22cm
家族システムの起源  1〔上〕w8L.jpg上巻
ISBN 978-4-86578-072-7
新潟県立図書館収蔵 /362/To17/1-1 NDC分類(9版)362
内容紹介
「人類の歴史」像を覆す! 人類学者エマニュエル・トッドの集大成!
世界各地の多様な近代化の軌跡を伝統的な家族構造によって見事に解明し、まったく新しい歴史観と世界像を提示してきたエマニュエル・トッドが、遂に人類全体に共通した起源的な家族形態を特定する。「人類の歴史」像を覆す人類学者としての集大成! ユーラシアを扱う第1巻の上巻は中国、シベリア、日本、インド、東南アジアまで。
〔上〕家族システムの起源は、“核家族”である‐。長年、世界各地の家族構造を研究してきた著者が、家族類型の起源と分化について論述し、人類の歴史の姿を提示する。中国、日本、インド亜大陸などの地域を収録。
中国とその周縁部/日本/インド/東南アジア。伝統的な家族構造が多様な近代化の道筋をつけたと論証してきたトッドは、家族構造が不変のものではなく変遷するという方法の大転換を経て、家族構造の単一の起源が核家族であること、現在、先進的なヨーロッパや日本はその古代的な家族構造を保持しているということを発見した。図版多数。
■本書は、全く通常と異なる、ほとんど逆の、人類の歴史の姿を提示するものである。ユーラシアの周縁部に位置する、現在最も先進的である国々、とりわけ西欧圏が、家族構造としては最も古代的なものを持っているということを、示しているからである。
家族システムの起源  1〔上〕mL.jpg
■発展の最終局面におけるヨーロッパ人の成功の一部は、そうした古代的な家族構造はかえって変化や進歩を促進し助長する体のものであり、彼らヨーロッパ人はそうした家族構造を保持してきた、ということに由来するのである。
■このような逆説は、日本と中国の関係の中にも見出される。日本は経済的に中国に比べてひじょうに進んでいるが、家族構造としてはより古代的なものを持っているのである。今後は、家族システムの歴史のこうした新たな見方を踏まえた人類の社会・政治・宗教史の解釈を書くことが必要となる。
(「日本語版への序文」より)
目次
日本語版への序文
序説 人類の分裂から統一へ、もしくは核家族の謎
第1章 類型体系を求めて
第2章 概観―ユーラシアにおける双処居住、父方居住、母方居住
第3章 中国とその周縁部―中央アジアおよび北アジア
第4章 日本
第5章 インド亜大陸
第6章 東南アジア
下巻
ISBN 978-4-86578-077-2
家族システムの起源  1〔下〕oL.jpg新潟県立図書館収蔵 /362/To17/1-2 NDC分類(9版) 362
〔下〕
E・トッドによる世界史!
人類の起源的家族形態は核家族である、と見抜いたトッドは、ヨーロッパの繁栄の理由が、技術的・経済的発展を妨げる家族システムの変遷を経験しなかったからだと分析する。つまり、ヨーロッパは家族システムの面では、古い形態が残って起源的な形態に留まり続けているのである。
(下)ヨーロッパ/中東(古代・近年)
家族システムの起源は、“核家族”である‐。長年、世界各地の家族構造を研究してきた著者が、家族類型の起源と分化について論述し、人類の歴史の姿を提示する。中央および西ヨ-ロッパ、中東を収録。
■核家族が最も古い形態であるとするトッドの命題は、果たして世界の、少なくともヨーロッパの人類学界に衝撃を与えた。というのも、これまでのヨーロッパの常識は、大家族(例えば家父長に支配される)が最も古い形態であり、核家族とは、近代に近づく中で生まれて来たすぐれて近代的な家族形態である、というものだったからである。トッドの立論は、その先入見を引っくり返したわけである。
■これは、従来の学界の常識を転覆した、というアカデミズムの枠内での衝撃では済まない。最も先進的な近代性を体現するものであったはずの核家族が、最も「遅れた」原始的な家族類型である、ということになるからである。
(「訳者解説」より)
目次
第7章 ヨーロッパ―序論
第8章 父系制ヨーロッパ
第9章 中央および西ヨーロッパ―1記述
第10章 中央および西ヨーロッパ―2歴史的解釈
第11章 中東 近年
第12章 中東 古代―メソポタミアとエジプト
第2巻に向けて―差し当たりの結論
家族システムの起源  1〔下〕lL.jpg原註
訳者解説
訳語解説
参考文献
図表一覧
索引(地名・民族名/人名)
著者紹介
エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)
1951年生まれ。歴史人口学者・家族人類学者。フランス国立人口統計学研究所(INED)に所属。著書に「最後の転落」「帝国以後」など。
●石崎晴己(いしざき・はるみ)
1940年生まれ。青山学院大学名誉教授。1969年早稲田大学大学院博士課程単位取得退学。専攻フランス文学・思想。
訳書に、ボスケッティ『知識人の覇権』(新評論、1987)、ブルデュー『構造と実践』(1991)『ホモ・アカデミクス』(共訳、1997)、トッド『新ヨーロッパ大全III』(II共訳、1992-1993)『移民の運命』(共訳、1999)『帝国以後』(2003)『文明の接近』(クルバージュとの共著、2008)『デモクラシー以後』(2009)『アラブ革命はなぜ起きたか』(2011)『最後の転落』(2013)『不均衡という病』(ル・ブラーズとの共著、2014)など多数。編著書に、『世界像革命』(2001)『サルトル 21世紀の思想家』(共編、思潮社、2007)『21世紀の知識人』(共編、2009)『トッド自身を語る』(2015年)(出版社名が明示されていないものは、いずれも藤原書店)など。
●片桐友紀子(かたぎり・ゆきこ)
1984年生まれ。青山学院大学フランス文学科卒業、同大学院修士前期課程修了。
●中野茂(なかの・しげる)
1966年生まれ。パリ第8大学博士課程修了(文学博士)、早稲田大学博士後期課程満期退学。早稲田大学高等学院教諭、早稲田大学非常勤講師。フランス文学・フランス語教育。
●東松秀雄(とうまつ・ひでお)
1952年生まれ。青山学院大学博士課程単位取得。青山学院大学講師。フランス文学。
●北垣潔(きたがき・きよし)
1965年生まれ。早稲田大学大学院満期退学・青山学院大学他講師。18世紀フランス文学。


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