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体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか– 2014、カリスマフード-2017 [食から見る]

カリスマフード=肉・乳・米と日本人
体=カリスマフード―肉・乳・米と日本人8.jpg著者 畑中 三応子 /[ハタナカ ミオコ] 
出版者 春秋社
B6判/ページ数 294p
出版年 2017.1
ISBN 978-4-393-75124-4
価格 ¥2,052(本体¥1,900)

新潟市図書館収蔵 亀田館 NDC分類(9版) 383.81

一般件名 食生活-歴史
内容紹介
明治維新から150年。長いようで短かったこの期間で、日本ほど食生活を激変させた国は他にあっただろうか。肉・牛乳・米は、ときに奇跡の妙薬として特別なパワーを付与され、国の政策とも深くかかわってきた。私たちの健康信仰と変身願望に火をつけ、食卓を劇的に変えた張本人でもある。これら「カリスマフード」の受容のドラマから、変わりゆく時代、変わらない人間の精神史をたどる。
出版社内容情報
食べ物を超えたカリスマ的パワーを付与され、国の食料政策と深くか関わってきた肉・乳・米から、私たちの来し方をたどる。明治維新から150年。長いようで短いこの期間、日本ほど食生活を激変させた国は他にあっただろうか。欧米への憧れ、戦争と政治、メディアの変遷が食生活を目まぐるしく変化させてきた。なかでも、肉・牛乳・米は別格である。食べ物を超えたカリスマ的パワーを付与され、つねに国の食料政策と深くかかわってきた「カリスマフード」から、私たちの来し方をたどる。


目次
第1章 肉

(フランスの宮廷料理だったジビエがにわかにブーム;ジビエを食べて環境保全に貢献;日本人はずっと肉を食べていた ほか)
第2章 乳
(「牛乳は体に悪い」という言説;ヒートアップした牛乳論争;乳糖不耐症とアメリカの「陰謀論」 ほか)
第3章 米
(美容体操からダイエットへ;タレント・ダイエットと一品ダイエットの蔓延;「医学的に正しいダイエット」の台頭 ほか)


感想

第3章の米がとても良い。

115頁からの乳糖不耐性の話も「分解されずに大腸に運ばれた乳糖は、大腸内の腸内細菌に利用される。」「大腸内の乳酸菌などの有用細菌が利用すれば良いが、意外の菌が利用して酸やガスを発生する場合がある。」「大量で、下痢や腹痛、膨満感など起こる場合がある。」これが乳糖不耐性。

「哺乳類は授乳期には小腸内に乳頭分解酵素・ラクターゼの活性が高く分解され栄養素として吸収される。」「授乳期を終え離乳すると、哺乳類はラクターゼ・酵素の活性が低下する。」だから、乳糖不耐性の成体は哺乳類としては普通。

現生人類・ホモサピエンスは「北ヨーロッパ、アフリカ、中東の牧畜地域の人々は、9割以上が成人=離乳してもラクターゼの活性が高く」それ以外は、モンゴロイドは「かなりの割合で乳糖不耐」「遊牧生活で乳製品に依存した食生活を営んできたモンゴル人すら、乳糖不耐の出現率が高い」モンゴル人らモンゴロイドの遊牧民は、小麦などを求めることが合理的、だから攻めた?


著者等紹介
畑中 三応子[ハタナカ ミオコ]
1958年生まれ。編集者・ライター。編集プロダクション「オフィスSNOW」代表。『シェフ・シリーズ』と『暮らしの設計』(ともに中央公論新社)編集長を経て、プロ向けの専門技術書から超初心者向けのレシピブックまで幅広く料理本を手がけるかたわら、近現代の流行食を研究・執筆。著書に『ファッションフード、あります。――はやりの食べ物クロニクル 1970-2010』(紀伊國屋書店)、『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(ベスト新書)、『ミュージアム・レストランガイド』(朝日新聞出版)、「七福神巡り――東京ご利益散歩」(平凡社)、『おやじレシピ』(オフィスSNOW名義、平凡社)、共著に『東京バスの旅』(文春新書)がある。

※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。


体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか
体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか8.jpg著者 畑中 三応子 /[ハタナカ ミオコ]  
出版者 ベストセラーズ
ベスト新書 番号441
新書判/ページ数 255p
出版年 2014.6
ISBN 978-4-584-12441-3
価格 ¥859(本体¥796)

新潟市図書館収蔵 船江館 NDC分類(9版) 498.583


内容紹介 日本では体にいい食べ物のブームが頻繁に起こっている。健康欲を軸に、体にいい食べ物と悪い食べ物はどのように生まれ、変わり、メディアはどのように扱ってきたのか、その興亡を跡づける。

目次
プロローグ―いつでも「体にいい」が食のキーワードだった
第1章 なぜ「体にいい食べ物」はコロコロ変わるのか?
第2章 「食べるな危険」はいつはじまったのか?
第3章 カリスマ・ダイエッター参上!
第4章 元気なアナタも半病人、健康食と健康法の一〇〇年
第5章 いつから食べ物は「クスリ」になったのか?
第6章 混乱する「アンチエイジング」情報
エピローグ―健康情報にふりまわされないために


書評   早川タダノリ @hayakawa2600
畑中三応子さんの『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』(KKベストセラーズ、2014年)読了。タイトル通り、戦前から現在までの「体にいい食べ物」とされたものの歴史。マクロビの石塚左玄を筆頭とする食養会人脈から、和食ナショナリズムまでをカバー。「健康法」本の作られ方とかおもしろい。


とくに「欧米型食生活」を排除した「日本の伝統的な食生活」なるものの異様なもちあげっぷりを活写するあたりは、たいへんに興味深かった。これは戦前もアレだが、戦後も・そして現在も進行している。メインストリームのものを中心にまとめられているが、これにスピ系もはいると膨大なものになろう。


いずれヒマになったら『壮快』『健康』誌に躍る「5円玉健康法」などの不思議な健康法の年表をつくろうと夢想していたが、やはり畑中さんみたいなプロにまかせようと、スッパリあきらめがついた。なんといっても本書では「おもいッきりテレビ」の栄枯盛衰まで射程に入っている。とてもかなわない。


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