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国境を越えるアジアの家事労働者 -女性たちの生活戦略(世界思想ゼミナール) – 2016 [波、亜細亜から・へ]

国境を越えるアジアの家事労働者 -女性たちの生活戦略(世界思想ゼミナール)ーオンデマンド版 (ペーパーバック) – 2016/10/28
著者 上野 加代子 著
出版社: 世界思想社
シリーズ 世界思想ゼミナール
判型・ページ数 4-6・264ページ
ISBN 978-4790716914
発売 2016/10/28
2019/3/28価格 2358円=2,100円+税

新潟市図書館収蔵 万代市民会館3階/アルザアルザ館 日本十進分類法(NDC/9版) 366.89

目次
国家・エージェンシー・雇用者の収奪と抑圧に抗して、悩みながらも、したたかに、軽やかに――シンガポールで働くインドネシア・フィリピン女性を中心に、人生を切り開くために奮闘を続ける姿を、10年にわたる調査から鮮やかに描き出す。
悩みながらも、したたかに、軽やかに、彼女たちは国境を越え働きに出て行く。国家・エージェシー・雇用者の収奪と抑圧に抗して―シンガポールで働くインドネシア・フィリピン女性を中心に、人生を切り開くために奮闘を続ける家事労働者たちの姿を、筆者がインタビューした家事労働者78名、シェルターを提供するNGOに依頼されて行った調査研究は218名を対象とし、この他にも、送り出し国のインドネシアとフィリピンでも斡旋業者や関係者に対する調査を2001から11年に行っている。この10年にわたる調査から、「単なる弱者としてではなく」「制度的な序列や状況に応じて、「弱者」や「犠牲者」のポジションさえも活用し、制度的な抑圧の網の目、他者との関係性の困難を克服しよう」(7-8頁)とする姿を鮮やかに描き出す。

目次
国境を越えるアジアの家事労働者_.jpgはじめに

1章 いざ出国―海外出稼ぎを作り出すシステム
1 「神様が守ってくれる」―海外就労の規定要因
2 「いまが出国のタイミング」―家族プロジェクト
3 「身長が足りない」「お金が足りない」「学歴が足りない」―多様な出国先と限られた選択
4 「超ショートヘアになってしまった」―規格化される身体
5 「私たちも「お客さま」のはずなのに…」―通過儀礼としてのエージェンシー

2章 すべては運次第―外国人家事労働者としての生活
1 「一体,何人の世話をしなければならないのか」―雇用者家族の境界線
2 「私のどこが問題なの?」―早すぎる解雇
3 「ゴキブリだってあなたよりマシ」―理不尽な雇用者たち
4 「私が家族の一員だって…」―マターナリズム
5 「毎週,パーティの世話で大忙し」―新有閑階級の誕生
6 「私は雇用者のカウンセラー」―感情労働
7 「すばらしい西洋人」―出会えない理想の雇用者

3章 言いなりになってばかりはいられない―したたかな不服従
1 「結婚指輪をパンティに隠して」―脱個性化に抗う
2 「監視カメラに気をつけて」―シスターフッド
3 「はーい,奥様!」―感情偽装
4 「私の家族は無一文」―「弱者」を武器に
5 「故郷の暴力夫から逃れて」―抵抗としての移動
6 「橋の下でパーティ」―占領

4章 格好よくやろう―アイデンティティのマネージメント
1 「格好いい携帯電話,スタイリッシュな服」―アイデンティティ・キットの獲得
2 「私は故郷では教師」―以前の役割の想起
3 「気分はもうカナダ」―予期的社会化
4 「美人コンテストで優勝」―付加的価値や役割の獲得
5 「私は何でもできる」―「有能な家事労働者」としての存在証明
6 「私たちは「あの人たち」とは違う」―他者からの価値の剥奪
7 「メイドではなく,「DH」だよ」―自己執行カテゴリー

5章 逃げよう,シェルターに―NGOの利用法
1 「やっとここまで逃げてきた」―最後の砦
2 「西洋人雇用者がみつかった!」―「犠牲者」の逆転勝利
3 「私たちはひとつの家族です」―シェルター居住の技法
4 「人生の新しいチャプター」―グローバル家族の展開

6章 海外出稼ぎ20年―親密圏の再編成
1 「堕ろすな!」―親密な関係性への希求
2 「夫と密会(あいびき)する」―労働移動と結婚移動
3 「私はたぶん男性だと思う」―セクシュアリティの海外(トランスナショナル)実践
4 「姉に会いに来た」―就労国での再会
5 「離れていても家族と一緒」―アクティブな「影の世帯員」
6 「行ったり来たりの私の人生」―家族を組み直す
7 「プランB」―親密圏の再編成

おわりに
あとがき
文献
索引
ご注文

上野/加代子[ウエノカヨコ]
徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


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