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飲食朝鮮―帝国の中の「食」経済史 – 2019 著者:林采成(イム チェソン) [食から見る]

飲食朝鮮―帝国の中の「食」経済史― 単行本 – 2019
著者:林采成(イム チェソン)
単行本: 386ページ
出版社: 名古屋大学出版会 (2019/2/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 4815809402
ISBN-13: 978-4815809409
発売日: 2019/2/8
内 容
牛肉、明太子、ビールなど、帝国による「食」の再編は日韓の食文化を大きく変えた。収奪論をこえて、帝国のフードシステムの歴史的意義をはじめてトータルに解明、生産・流通から植民地住民の身体に与えた影響まで、帝国の統治にはたした「食」の決定的な役割を浮かび上がらせる。
目 次
 地 図
序 章 食料帝国と朝鮮
    1 「食料帝国」としての日本と朝鮮 —— 研究課題
    2 植民地近代化論と植民地収奪論を超えて —— 既存研究
    3 フードシステムと帝国の形成・崩壊 —— 分析視角
    4 本書の構成
  第Ⅰ部 在来から輸出へ
第1章 帝国の朝鮮米
     —— “colonizing the rice”
    はじめに
    1 稲作の日本化と産米増殖
    2 朝鮮米の移出と流通
    3 米穀消費と代替穀物
    おわりに
第2章 帝国の中の「健康な」朝鮮牛
     —— 畜産・移出・防疫
    はじめに
    1 畜産と取引 ——「粗笨」農業の必須条件
    2 輸移出とその使途 —— 半島の牛から帝国の牛へ
    3 検疫と獣疫予防 ——「健康な」朝鮮牛の誕生
    おわりに
第3章 海を渡る紅蔘と三井物産
     —— 独占と財政
    はじめに
    1 専売の実施と蔘業の発達 —— 人蔘の耕作・収納から紅蔘の製造まで
    2 三井物産の独占販売と紅蔘の専売収支
    おわりに
  第Ⅱ部 滋養と新味の交流
第4章 「文明的滋養」の渡来と普及
     —— 牛乳の生産と消費
    はじめに
    1 「文明的滋養」の導入とその経済性
    2 「文明的滋養」の普及とその需給構造
    3 社会問題としての「文明的滋養」と生産配給統制
    おわりに
第5章 朝鮮の「苹果戦」
     —— 西洋りんごの栽培と商品化
    はじめに
    1 優良品種の普及とりんご収穫の増加
    2 果樹生産性の向上と地域別生産動向
    3 りんごの輸移出と市場競争
    4 果樹業者の組織化と出荷統制
    おわりに
第6章 明太子と帝国
     —— 味の交流
    はじめに
    1 明太の漁労と魚卵の確保
    2 明太子の加工と検査
    3 明太子の流通と消費
    おわりに
  第Ⅲ部 飲酒と喫煙
第7章 焼酎業の再調合
     —— 産業化と大衆化
    はじめに
    1 朝鮮酒税令の実施と醸造場の整理
    2 酒精式焼酎の登場と黒麹焼酎への転換
    3 カルテル統制と酒精式焼酎会社の経営改善
    おわりに
第8章 麦酒を飲む植民地
     —— 舶来と造酒
    はじめに
    1 新しい飲酒文化としての麦酒とその普及
    2 内地麦酒会社の進出計画と朝鮮総督府の麦酒専売案
    3 内地麦酒会社の朝鮮進出とその経営 —— 朝鮮麦酒と昭和麒麟麦酒
    おわりに
第9章 白い煙の朝鮮と帝国
     —— 煙草と専売
    はじめに
    1 総督府の産業育成と煙草専売の実施
    2 煙草専売の経済効果 —— 耕作、製造、財政
    3 戦時下の朝鮮煙草と帝国圏
    おわりに
終 章 食料帝国と戦後フードシステム
    1 朝鮮の食料から帝国の食料へ —— 市場としての帝国
    2 在来と近代の並存 —— 植民地在来産業論の可能性
    3 総督府財政への寄与 —— 国家収入としての食料システム
    4 食料供給と植民地住民の身体 —— 体格変化の一背景
    5 戦時経済と食料統制 —— 需給調整の成立
    6 食料経済の戦後史への展望 ——「連続・断絶論」を超えて
 あとがき
 注
 参考文献
 図表一覧
 索 引
林采成_.jpg書著者略歴
林 采成 (LIM Chaisung/イム チェソン)
1969年ソウル生まれ。1992年韓国ソウル大学校社会科学大学国際経済学科卒業。1995年韓国ソウル大学校大学院農経済学研究科修士課程修了。1999年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。2002年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。韓国現代経済研究院研究委員、韓国大統領諮問政策企画委員会専門委員を経て、2004年より培材大学校外国語大学日本学科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
戦時経済から戦後再編、高度成長期を経て低成長の現在に至るまでの日本経済の史的展開を研究テーマとしている。分析の視点を日本だけに限定せず、むしろ朝鮮・韓国、台湾、中国大陸といった東アジアとの相互交流をも視野に入れて、鉄道、石炭、専売を中心とした産業の発展、インフラの形成、経営分析、経済政策の推進、労使関係の展開についての実証分析を行ってきた。近年は衛生、食料といった新しい課題に取り組むとともに、東アジアにおける高度成長を歴史的研究対象として捉え、日本、韓国、台湾、中国という4ヵ国間の比較史研究を進めている。

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