SSブログ

渋谷区より広い17平方キロの中間貯蔵施設に汚染水タンクを設置しようー烏賀陽弘道氏の意見 [福島第一原子力発電所事故(2011)]

烏賀陽 弘道 @hirougaya
以前から重ねて指摘していますが、東電が「汚染水タンクの置き場がない」と言っているのは福島第一原発の敷地3.5平方キロの内側だけの話です。その周囲には渋谷区より広い17平方キロの中間貯蔵施設がある。そこを使えばよい。少なくてもこの夏に海洋投棄する必要はなくなる。
無題.jpg
 
そしてこれも重ねて指摘してますが、放射性物質で汚染された水の処理は
①スリーマイル島原発事故では自然乾燥・蒸発
②サバンナーリバーなどアメリカの核施設ではコンクリートで固化して地上保管
で安全を確保しています。
燃料棒に直接触れた汚染水を海洋投棄などという愚行をやるのは日本が初めてです。
午後10:18 · 2023年6月28日
経産省の検討小委員会は
①は言及するものの明確な理由なく却下。
②は議題にすら上がらず
で海洋投棄を決めてしまったのです。馬鹿げています。他に方法はいくらでもある。
さらに馬鹿げているのは、②のコンクリート固化(モルタル化)は他ならぬ福島第1原発事故で出た放射性廃棄物の埋め立てに使われているという事実です。10キロ離れた富岡町にある「りぷるんふくしま」という施設で見学すらできます
そんなバカな、と思うあなたはこれをご覧なさい。福島第一原発から10キロ南で放射性廃棄物のモルタル固体化と埋め立てが始まっていますから。
lzz5kS7ms-.jpg 特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま|環境省  http://shiteihaiki.env.go.jp/tokuteihaiki_umetate_fukushima/reprun/
つまり日本政府は「自然蒸発」「コンクリートによる固形化」という「海洋投棄をせずに済む方法」があることを知っていながら、わざわざ海洋投棄という方法を選んだということになります。これは後々、猛烈な非難を浴びるでしょう
なぜ「自然蒸発」「コンクリート固化」とちがって「海洋投棄」が最悪の悪手であるかというと、これまで国内問題にとどまっていた福島第1原発事故の汚染を、多国間の国際問題にしてしまうからです。国際政治的にクライシスレベルが一つ上がります。環境議論は置いても、政治的に最悪の悪手です。
つまり「自然蒸発」でも「コンクリート固化」でもなく「海洋投棄」をたいした議論もせず、情報公開もろくにせずに決めてしまったという時点で、またしても日本政府のクライシスマネージメント(危機管理)能力がおそるべき低能であることがわかります。
「なぜ中間貯蔵施設に17平方キロの敷地があるのに、そちらに汚染水タンクをしばらくの間だけでもおかないのですか」と経産省に尋ねたら「あちらは環境省の所管ですから」と当たり前のように答えたので唖然としてことがあります。
国際法上、海洋は「国際社会の公有財産」(つまりみんなのもの)であり、例外として沿岸の狭い帯だけを領海(沿岸国の領土)として認めているにすぎません。その海洋に放射性物質(トリチウムしか含まれないというのは誤謬)を投棄する、というのは公共の場でウンコをしたりゲロを吐いたりする行為と同じです。「薄めます」と政府は言ってますが、それならウンコやゲロを駅でやっても許されますか?
午前4:31 · 2023年6月29日
さらに、国際社会の公有財産である海洋の中でも世界一広く沿岸国の多い太平洋に、核燃料に直接触れた水を投棄するのです。そんな原発は世界で福島第1原発だけです。世界の海はひとつの水でつながっています。世界のどこでセシウム(ウランが核分裂しないと生成しない)が検知されても、国際問題化する。



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

Facebook コメント