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海と帝国 明清時代-中国の歴史 09-講談社学術文庫–2659 [ユーラシア・東]

海と帝国 明清時代81-t2e+zo6L.jpg海と帝国 明清時代
中国の歴史 09  
礪波護/〔ほか〕編集委員
 -- 講談社 
 -- 2005.8
県立図書館収蔵
新潟市立図書館収蔵 >中央ホンポート2階< >/222.0/チユ/9
 --2021/3/11
講談社学術文庫
内容紹介
2003年3月、雲南省昆明の空港で、著者は不思議な一行に出会う。聞けば彼らは、台湾の港町・花蓮から、海の女神「媽祖」を奉じて、雲南省の麗江を訪ねた帰路だという。台湾の海の女神が、なぜ中国内陸の観光地を?――この謎から、海に囲まれた東ユーラシア500年の歴史が浮かび上がってくる。
 14世紀半ば、朱元璋が開いた明朝は、万里の長城の修築や、鄭和の南海遠征など、古代的な性格の色濃い王朝だった。それに対し、16世紀に登場したヌルハチに始まる清朝は、少数の満洲族のもとでさまざまな人々が闊達に生き、近代的な活気に満ちていた。古代的な明代から、近代的な清代への跳躍はなぜ可能だったのか。それを解明するには、「海に向かい合う中国」を見ることで、従来の中国史の枠を超える必要がある。倭寇と朝貢、銀の流通と世界経済、清朝皇帝とチベット仏教。地球規模の視点から、ふたつの帝国を描き出す。そして19世紀、アヘン戦争や太平天国を経験し、中国社会は近代への脱皮に備えて大きく変化していく。〔原本:2005年8月、講談社刊〕
 古代的な明代から近代的な清代への跳躍は、なぜ可能だったのであろうか。中国の内的な発展として明代から清代への変化を理解しようとすると、私たちは混乱することになる。しかし、東ユーラシアというより大きなシステムの一要素として、海に向かい合う中国を見ることで、はじめてこの五〇〇年のダイナミズムを描き出すことがでざるのではないか。これが本書の目論見である。
 中華文明の拡大過程
 中国の王朝の歴史を古代からかとってくると、それは交易をめぐるメカニズムの変遷の過程であることが明らかとなる。広範な地域からさまざまな物産を集め、それ を支配下の各所に再分配しなければ、王朝は維持でさな い。すなわち王朝は、貢納と集中-再分配の交易メカニ ズムの上に成立する支配体制であった。この交易メカニTスムは、東アジアという空間的な枠組みのなかで、自己]拡大していく。そのパターンは、次のように要約することがでさる。
目次
第1章 出来事の時空間
第2章 明朝の成立―一四世紀1
第3章 海と陸の相克―一四世紀2
第4章 海と陸の交易者―一五世紀
第5章 商業の時代―一六世紀1
第6章 社会秩序の変容―一六世紀2
第7章 王朝の交替―一七世紀
第8章 産業の時代―一八世紀1
第9章 伝統中国の完成―一八世紀2
第10章 環球のなかの中国―一九世紀
著者等紹介
上田信[ウエダマコト]
1957年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。2021年、立教大学文学部教授。専攻は中国社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

タグ:中国
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