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人口の中国史-先史時代から19世紀までー岩波新書 新赤版--(上) [ユーラシア・東]

図01_145230.jpg人口の中国史

副書名 先史時代から19世紀まで
上田 信 /著  
出版者 岩波書店
シリーズ名1 岩波新書 新赤版
シリーズ番号1 1843
出版年 2020.8
ページ数 6,251,4p
大きさ 18cm
NDC分類(9版) 334.322
ISBN 978-4-00-431843-9
内容紹介 中国の人口増加は18世紀に突如始まり、現代にまで続いている。中国を知るための鍵である。
長くゆらいでいた人口は、なぜ急増したのか。ヒトの生態を羅針盤に、大きな変容の要因を自然と歴史に探り、中国四千年をタイム・トラベルし、現在そして未来までも人口史から読み解く。ヒトの生態史を文明のはじまりから描き、人口爆発のメカニズムを明らかにする斬新な通史。。
目次
序章 人口史に何を聴くのか
第1章 人口史の始まり―先史時代から紀元後二世紀まで
第2章 人口のうねり―二世紀から一四世紀前半まで
第3章 人口統計の転換―一四世紀後半から一八世紀まで
第4章 人口急増の始まり―一八世紀
第5章 人口爆発はなぜ起きたのか―歴史人口学的な視点から
第6章 人口と叛乱―一九世紀
終章 現代中国人口史のための序章
著者等紹介
上田信[ウエダマコト]
1957年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専攻、中国社会史・生態環境史。2020年現在、立教大学文学部教授)

終章 現代中国人口史のための序章
 束アジア・ステージから東ユーラシア・ステージヘ
 中国の人口が変遷してきた流れを、本書では「合散離集のサイクル」で述べてきた。
 先史時代から商代までを先史サイクルとし、「中国」という枠組みか意識されことから、東アジア・ステージかはじまる。周代から後漢までを第一サイクルとした。邑・ゆう・のなかの住民だけが人口の対象であった時代から、邑の外に広がる山林叢沢・さんりんそうたく・で自然とともに生活していた異人も含まれるようになる。秦代から漢代にかけて、官僚が戸口を調査して中央に報告する制度か整い、戸口調査に基づく人口統計が史料に残された。
 人口統計は、国家が人民を補足する制度と範囲とに強く規定されている。そのことが、続く第二・第三のサイクルの主題となる。
 第ニサイクルは、後漠の後期にはじまる。華北と華中では、豪族が多く人々を抱えたことで、国家が人民を把握できなくなった。西北からは異民族の鮮卑族・鮮卑(せんぴ、拼音:Xiānbēi)・か北魏を建て、均田制を施行して再び戸口統計を取るようになる。この制度は唐代まで続いた。第三サイクルほ、安史の乱を契機として、節度使が分散したところからはじまる。東アジアは、北に遼・金朝、南に宋朝と分離した時期を過ごしたあと、モンゴル帝国に組み込まれる。
 中国はモンゴル帝国の盟主となった元朝か統治することで、中国人口史は東ユーラシア・ステージへと駆け上がる。西北に北元、東南に明朝と分離・分立する時期を経て、清朝がマンチュリアから興り、中国内地とモンゴル高原・チベット高原・東トルキスタンを版図として統合する。人口統計は二〇〇〇年続いてきた戸口から、保甲制に基づく民数へと替わる。
続ける

タグ:中国
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